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2025年4月22日

初項0または公比0の等比数列は存在するか?

 等比数列には、初項が0のものや公比が0のものは存在するでしょうか?

等比数列の定義は、「隣り合う項の比が一定である数列」です。
隣り合う項の比rとは、ある数列{an}のある項anとその次の項an+1をもちいて
r=an+1an
より求められるもので、このrの値がどの隣り合う項においても一定であるとわかったときに数列{an}は等比数列であるといえる、というのが等比数列の定義の内容となります。

以上のことをもちいて、初項が0または公比が0という等比数列が存在するのかを調べてみます。

初項が0の等比数列

 初項が0である数列{an}を考えると、初項a1と第2項a2の比r
r=a2a1=a20
となります。
しかし、分母が0であるため、初項と第2項a2の比rの値を定義できません。
初項と第2項の比も含め、どの隣り合う項の比も一定の値をもたなければ等比数列とはいえないので、この数列{an}は等比数列でないことがわかります。

したがって、初項0である等比数列は存在しません。


公比が0の等比数列

 どの隣り合う項の比も0である数列{bn}が存在すると仮定します。
このとき、初項b1と第2項b2の比rを考えると
r=b2b1
となります。
仮定よりr=0となるので、上式が成り立つためにはb10かつb2=0でなければならないことがわかります。
今度は第2項b2と第3項b3の比rを考えると
r=b3b2
となります。
すると同様に、仮定よりr=0となることから、上式が成り立つためにはb20かつb3=0でなければならないことがわかります。
しかし、初項b1と第2項b2の比においてb2=0でなければならないとしたことと矛盾します。

したがって、仮定の「どの隣り合う項の比も0である数列{bn}が存在する」は誤りで、どの隣り合う項の比も0であるような数列は存在しないことがわかります。
このことから、公比が0である等比数列も存在しません。


 以上より、等比数列の定義に従えば初項が0の等比数列や公比が0の等比数列は存在しないことがわかります。


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