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2025年4月10日

自然数の平方数・立方数を小さい順に並べた数列の第n部分和

 自然数の平方数を小さい順に並べた数列の初項から第nn項までの総和(第nn部分和)は
nk=1k2=n(n+1)(2n+1)6nk=1k2=n(n+1)(2n+1)6
自然数の立方数を小さい順に並べた数列の第nn部分和は
nk=1k3={n(n+1)2}2nk=1k3={n(n+1)2}2
となります。
なぜこのように表すことができるのでしょうか?

これらを導くために、「1からnまでの自然数の和(自然数を小さい順に並べた数列の第n部分和)」の方法2と同様の方法を利用します。

自然数の平方数を小さい順に並べた数列の第n部分和

 平方数とは整数を2乗した数のことであり、自然数の平方数を小さい順に並べた数列とは
12,22,32,42,52,
すなわち
1,4,9,16,25,
という数列のことです。
この数列の一般項はn2なので、第n部分和は
12+22++(n1)2+n2=nk=1k2
と書けます。
 この数列の第n部分和の他の表し方については、恒等式
(k+1)3k3=3k2+3k+1
を利用します。
この恒等式のk1からnまでの自然数を1つずつ代入し、n個の式をつくります。
できた式は以下の通りです。
2313=312+31+13323=322+32+14333=332+33+1(n1)3(n2)3=3(n2)2+3(n2)+1n3(n1)3=3(n1)2+3(n1)+1(n+1)3n3=3n2+3n+1
これらの式の辺々を加えると
2313=312+31+13323=322+32+14333=332+33+1(n1)3(n2)3=3(n2)2+3(n2)+1n3(n1)3=3(n1)2+3(n1)+1+)(n+1)3n3=3n2+3n+1(n+1)313=3{12+22++(n1)2+n2}+3{1+2++(n1)+n}+(1+1++1+1n)
となり、
(n+1)31=3nk=1k2+3nk=1k+n
が得られます。
1からnまでの自然数の和(自然数を小さい順に並べた数列の第n部分和)」にて
nk=1k=n(n+1)2
であることがわかっているので、これを代入し、nk=1k2=SとおいてSについて解くと
(n+1)31=3S+3n(n+1)2+nn3+3n2+3n=3S+3n(n+1)2+n2n3+6n2+6n=6S+3n(n+1)+2n=6S+3n2+5n6S=(2n3+6n2+6n)(3n2+5n)=2n3+3n2+n=n(2n2+3n+1)=n(n+1)(2n+1)S=n(n+1)(2n+1)6
となり、自然数の平方数を小さい順に並べた数列の第n部分和が
nk=1k2=n(n+1)(2n+1)6
と書けることがわかります。

自然数の立方数を小さい順に並べた数列の第n部分和

 立方数とは整数を3乗した数のことであり、自然数の立方数を小さい順に並べた数列とは
13,23,33,43,53,
すなわち
1,8,27,48,125,
という数列のことです。
この数列の一般項はn3なので、第n部分和は
13+23++(n1)3+n3=nk=1k3
と書けます。
 この数列の第n部分和の他の表し方については、恒等式
(k+1)4k4=4k3+6k2+4k+1
を利用します。
この恒等式のk1からnまでの自然数を1つずつ代入し、n個の式をつくります。
できた式は以下の通りです。
2414=413+612+41+13424=423+622+42+14434=433+632+43+1(n1)4(n2)4=4(n2)3+6(n2)2+4(n2)+1n4(n1)4=4(n1)3+6(n1)2+4(n1)+1(n+1)4n4=4n3+6n2+4n+1
これらの式の辺々を加えると
2414=413+612+41+13424=423+622+42+14434=433+632+43+1(n1)4(n2)4=4(n2)3+6(n2)2+4(n2)+1n4(n1)4=4(n1)3+6(n1)2+4(n1)+1+)(n+1)4n4=4n3+6n2+4n+1(n+1)414=4{13+23++(n1)3+n3}+6{12+22++(n1)2+n2}+4{1+2++(n1)+n}+(1+1++1+1n)
となり、
(n+1)41=4nk=1k3+6nk=1k2+4nk=1k+n
が得られます。
上記より
nk=1k=n(n+1)2,nk=1k2=n(n+1)(2n+1)6
であることがわかっているので、これらを代入し、nk=1k3=SとおいてSについて解くと
(n+1)41=4S+6{n(n+1)(2n+1)6}+4{n(n+1)2}+n=4S+n(n+1)(2n+1)+2n(n+1)+n=4S+n{(n+1)(2n+1)+2(n+1)+1}=4S+n(2n2+5n+4)n4+4n3+6n2+4n=4S+n(2n2+5n+4)n(n3+4n2+6n+4)=4S+n(2n2+5n+4)4S=n(n3+4n2+6n+4)n(2n2+5n+4)=n{(n3+4n2+6n+4)(2n2+5n+4)}=n(n3+2n2+n)=n2(n2+2n+1)=n2(n+1)2S=n2(n+1)24S={n(n+1)2}2
となり、自然数の立方数を小さい順に並べた数列の第n部分和が
nk=1k3={n(n+1)2}2
と書けることがわかります。

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