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2025年4月27日

等差数列の第n部分和の極限(等差級数)

無限等差数列のすべての項の和を等差級数(あるいは無限等差級数)といい、第n部分和のnを限りなく大きくしたときの極限によって求めることができます。
すなわち、初項a、公差dの等差級数は
n=1{a+(n1)d}=limnn2{2a+(n1)d}
により求められます。
これが発散するか収束するかは初項aと公差dによって決まります。

a=0かつd=0のとき

 a=0,d=0を代入すると
n=1{a+(n1)d}=limnn2{20+(n1)0}=limnn20=limn0=0
となり、このときの等差級数n=1{a+(n1)d}0に収束することがわかります。

a=0かつd0のとき

 a=0を代入すると
n=1{a+(n1)d}=limnn2{20+(n1)d}=limnn2(n1)d=limnn(n1)d2
となります。

nのときn(n1)です。

したがって、このときの等差級数n=1{a+(n1)d}は公差dによって正の無限大か負の無限大のどちらに発散するかが決まり、
n=1{a+(n1)d}={(d>0)(d<0)
となります。

a0かつd=0のとき

 d=0を代入すると
n=1{a+(n1)d}=limnn2{2a+(n1)0}=limnn22a=limnna
となります。
したがって、このときの等差級数n=1{a+(n1)d}は初項aによって正の無限大か負の無限大のどちらに発散するかが決まり、
n=1{a+(n1)d}={(a>0)(a<0)
となります。

a0かつd0のとき

 nのとき、2a+(n1)dは公差dによって
limn{2a+(n1)d}={(d>0)(d<0)
となります。
したがって、このときの等差級数n=1{a+(n1)d}
n=1{a+(n1)d}={(d>0)(d<0)
となります。

まとめ

 以上の場合分けは、同じ結論となったものでまとめることができます。
a=0かつd=0のときのみ等差級数n=1{a+(n1)d}0に収束し、これ以外の場合は必ず発散します。
したがって、以下のように場合分けすることができます。
  • a=0かつd=0のとき:0に収束する。
  • a0またはd0のとき:発散する。
また、以下のように発散する場合を細かく場合分けすることもできます。
  • a=0かつd=0のとき:0に収束する。
  • d>0または(a>0かつd=0)のとき:正の無限大に発散する。
  • d<0または(a<0かつd=0)のとき:負の無限大に発散する。

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