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2022年6月25日

合成関数の最大値・最小値を求める

「次の関数の[ ]内の定義域における最大値と最小値を求めよ。

(1)
$y=(x^2-2x-3)^2+3(x^2-2x-3)+3$
$[1\leqq x\leqq3]$
(2)
$y=(x^2+4x-3)^3-(x^2+4x-3)^2-(x^2+4x-3)+2$
$[0\leqq x\leqq1]$」
このような問題はどのように解けばよいでしょうか?

 これらはどんな関数が合成されているのかがわかりやすいので、まずは2つの関数に分解して考えます。

(1)

$x^2-2x-3=t$とおくと
\begin{align*}y&=t^2+3t+3&\cdots(a)\\ \\ t&=x^2-2x-3&\cdots(b)\end{align*}
という2つの関数に分解できます。
(a)、(b)ともに2次関数なので平方完成すると
\begin{align*}y&=\left(t+\frac{3}{2}\right)^2+\frac{3}{4}&\cdots(c)\\ \\ t&=(x-1)^2-4&\cdots(d)\end{align*}
となります。
$1\leqq x\leqq3$は$x$の変域、すなわち$x$の関数である(d)の定義域なので最大値と最小値を求めると
t=x²-2x-3のグラフ(1≦x≦3)
上のグラフより
$x=1$のとき最小値$-4$、$x=3$のとき最大値$0$となるから$t$の変域は$-4\leqq t\leqq0$となります。
ここで、(c)は$t$の関数であるから$t$の変域によって$y$の変域が決まります。すなわち$t$の変域は(c)の定義域であることがわかります。
これをもとに(c)の最大値と最小値を求めると
y=t²+3t+3のグラフ(-4≦t≦0)
上のグラフより
$t=-\dfrac{3}{2}$のとき最小値$\dfrac{3}{4}$、$t=-4$のとき最大値$7$となります。
これは$y$の最大値と最小値なので求める答えまであと一歩です。
あとは、それぞれの$t$の値のときの$x$の値を求めればよいので(d)に代入して$x$について解くと
\begin{align*}t=-\frac{3}{2}のとき\\ -\frac{3}{2}&=(x-1)^2-4\\ \\ (x-1)^2&=\frac{5}{2}\\ \\ x-1&=\pm\sqrt{\frac{5}{2}}=\pm\frac{\sqrt{10}}{2}\\ \\ x&=\frac{2\pm\sqrt{10}}{2}\\[0.5em]1\leqq x\leqq3より\\ x&=\frac{2+\sqrt{10}}{2}\\[1.5em]t=-4のとき\\ -4&=(x-1)^2-4\\ \\ (x-1)^2=0\\[0.5em]x-1&=0\\[0.5em]x&=1\end{align*}
したがって、
\begin{align*}x=\frac{2+\sqrt{10}}{2}のとき最小値\frac{3}{4}\\[0.5em]x=1のとき最大値7\end{align*}
これが求める答えです。
y=(x²-2x-3)²+3(x²-2x-3)+3のグラフ(1≦x≦3)
$y=(x^2-2x-3)^2+3(x^2-2x-3)+3$のグラフでは上のようになります。

(2)

 (1)と同様にして$x^2+4x-3=t$とおくと
\begin{align*}y&=t^3-t^2-t+2&\cdots(a)\\ \\ t&=x^2+4x-3&\cdots(b)\end{align*}
(a)は3次関数、(b)は2次関数です。(b)を平方完成すると
\begin{align*}y&=t^3-t^2-t+2&\cdots(a)\\ \\ t&=(x+2)^2+1&\cdots(c)\end{align*}
となります。
$0\leqq x\leqq1$における(c)の最大値と最小値を求めると
t=x²+4x-3のグラフ(0≦x≦1)
上のグラフより
$x=0$のとき最小値$-3$、$x=1$のとき最大値$2$となるから$t$の変域は$-3\leqq t\leqq2$となります。
$t$の変域は(a)の定義域なので、これをもとに(a)の最大値と最小値を求めます。3次関数の最大値と最小値を求めるには増減表を作ります。
(a)を$t$で微分すると
\[y'=3t^2-2t-1=(3t+1)(t-1)\]
$y'=0$となるような$t$は
\begin{align*}(3t+1)(t-1)&=0\\[0.5em]t&=-\frac{1}{3},1\\ これらは-3\leqq t&\leqq2を満たす。\end{align*}
であるとわかるので、これをもとに増減表をつくると
y=t³-t²-t+2の増減表(-3≦t≦2)
となります。
増減表より$t=-3$のとき最小値$-31$、$t=2$のとき最大値$4$となります。

あとは、それぞれの$t$の値のときの$x$の値を求めればよいので(c)に代入して$x$について解くと
\begin{align*}t=-3のとき\\ -3&=x^2+4x-3\\[0.5em]x^2-4x&=0\\[0.5em]x(x+4)&=0\\ \\ x&=-4,0\\[0.5em]0\leqq x\leqq1より\\ x&=0\\[1.5em]t=2のとき\\ 2&=x^2+4x-3\\[0.5em]x^2+4x-5&=0\\[0.5em](x+5)(x-1)&=0\\ \\ x&=-5,1\\[0.5em]0\leqq x\leqq1より\\ x&=1\end{align*}
したがって、
\begin{align*}x=0のとき最小値-31\\[0.5em]x=1のとき最大値4\end{align*}
これが求める答えです。

y=(x²+4x-3)³-(x²+4x-3)²-(x²+4x-3)+2のグラフ(0≦x≦1)
$y=(x^2+4x-3)^3-(x^2+4x-3)^2-(x^2+4x-3)+2$
のグラフでは上のようになります。

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