円に内接・外接する正五角形の周の長さを求めて、円周率との関係を調べてみます。
円に内接する正五角形
底辺の長さをl_{5i}として、余弦定理をもちいて求めると
\begin{align*}{l_{5i}}^2&=1^2+1^2-2\cdot 1\cdot
1\cdot\cos72°\\[0.5em]&=2-2\cos72°\end{align*}
「\sin72°,\cos72°,\tan72°はどんな数?」より\cos72°=\dfrac{\sqrt{5}-1}{4}であるから
\begin{align*}{l_{5i}}^2&=2-2\cdot\frac{\sqrt{5}-1}{4}\\[0.5em]&=2-\frac{\sqrt{5}-1}{2}\\[0.5em]&=\frac{5-\sqrt{5}}{2}\\[1em]l_{5i}&=\sqrt{\frac{5-\sqrt{5}}{2}}&(\because
l_{5i}>0)\\[0.5em]&=\frac{\sqrt{10-2\sqrt{5}}}{2}\end{align*}
l_{5i}は正五角形の1辺の長さでもあるので、正五角形の周の長さL_{5i}は
\begin{align*}L_{5i}&=5l_{5i}\\[0.5em]&=5\cdot\frac{\sqrt{10-2\sqrt{5}}}{2}\\[0.5em]&=\frac{5\sqrt{10-2\sqrt{5}}}{2}\end{align*}
円に内接する正五角形の周の長さは円周より短いので
\begin{align*}2\pi&>\frac{5\sqrt{10-2\sqrt{5}}}{2}\\[0.5em]\pi&>\frac{5\sqrt{10-2\sqrt{5}}}{4}≒2.94\end{align*}
となります。すなわち、円周率\piは\dfrac{5\sqrt{10-2\sqrt{5}}}{4}(およそ2.94)より大きいことがわかります。
円に外接する正五角形
底辺の長さをl_{5o}とし、これを求めます。
底辺の垂直二等分線で二等辺三角形を分割した直角三角形を考えると、これは36°-54°-90°の直角三角形となります。斜辺以外の辺の長さが\frac{l_{5o}}{2}と1なので、36°の内角に着目すると三角比より
底辺の垂直二等分線で二等辺三角形を分割した直角三角形を考えると、これは36°-54°-90°の直角三角形となります。斜辺以外の辺の長さが\frac{l_{5o}}{2}と1なので、36°の内角に着目すると三角比より
\begin{align*}\tan36°&=\frac{\frac{l_{5o}}{2}}{1}\\[0.5em]&=\frac{l_{5o}}{2}\\[1em]\therefore
l_{5o}&=2\tan36°\end{align*}
となります。
「\sin36°がどんな数になるかを求めてみよう」より\tan36°=\sqrt{5-2\sqrt{5}} なので
l_{5o}=2\sqrt{5-2\sqrt{5}}
l_{5o}は正五角形の1辺の長さでもあるので、正五角形の周の長さL_{5o}は
\begin{align*}L_{5o}&=5l_{5o}\\[0.5em]&=5\cdot2\sqrt{5-2\sqrt{5}}\\[0.5em]&=10\sqrt{5-2\sqrt{5}}\end{align*}
となります。
円に外接する正五角形の周の長さは円周より長いので
\begin{align*}2\pi&<10\sqrt{5-2\sqrt{5}}\\[0.5em]\pi&<5\sqrt{5-2\sqrt{5}}≒3.63\end{align*}
となります。すなわち、円周率\piは5\sqrt{5-2\sqrt{5}}(およそ3.63)より小さいことがわかります。
以上より、円周と円に内接・外接する正五角形の周の長さを比較することで円周率\piの取りうる値の範囲を調べると\dfrac{5\sqrt{10-2\sqrt{5}}}{4}<\pi<5\sqrt{5-2\sqrt{5}}(およそ2.94<\pi<3.63)となることがわかります。
(2024/6)内容を修正しました。
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