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2021年10月24日

楽天ポイント利息の年利を計算してみる(単利と複利)

 楽天ポイント利息という楽天ポイントを預けておくだけで安定してポイントが増えていくサービスがあります。月利は0.009%とありますが、年利は0.1%以上と具体的には書かれていません。なので、年利で考えたとき具体的にどのくらいになるのかを計算してみます。


 そのためにはまず利息の計算方法が単利であるか複利であるかを調べなくてはなりません。単利と複利の説明は以下の通り。

単利

 単利とは、最初に追加した元本を元に利息の計算を行います。元本が変わらなければ利息も変わることはありません。計算式は
\[\textbf{利息}=\textbf{元本}×\textbf{利率}\]
となります。

両辺に元本を足すと

\[\textbf{元本}+\textbf{利息}=\textbf{元本}×(1+\textbf{利率})\]
となり、1回目の利息追加後の金額を知ることができます。

2回目は、利息の計算は元本にのみ利率を掛けるので

\begin{align*}\textbf{2回目の利息追加後の金額}&=\textbf{元本}×(1+\textbf{利率})+\textbf{利息}\\ &=\textbf{元本}×(1+\textbf{利率})+\textbf{元本}×\textbf{利率}\\ &=\textbf{元本}×(1+2×\textbf{利率})\end{align*}
3回目は
\begin{align*}\textbf{3回目の利息追加後の金額}&=\textbf{元本}×(1+\textbf{利率})+2×\textbf{利息}\\ &=\textbf{元本}+3×\textbf{利息}\\ &=\textbf{元本}×(1+3×\textbf{利率})\end{align*}
したがって、利息の追加回数を$n$とすると
\begin{equation}\textbf{n回目の利息追加後の金額}=\textbf{元本}×(1+n×\textbf{利率})\end{equation}
となります。月利であれば$n$ヶ月後の金額、年利であれば$n$年後の金額となります。

複利

 複利は、元本とこれまでに追加された利息の合計額を元に利息の計算を行います。なので、利息が追加されるたびに次の利息が増えていきます。計算式は
\[\textbf{利息}=\textbf{元本と利息の合計額}×\textbf{利率}\]
となります。
最初の利息追加後の金額は単利と同じで
\[\textbf{元本}+\textbf{利息}=\textbf{元本}×(1+\textbf{利率})\]
ですが、2回目の利息追加後の金額は
\begin{align*}\textbf{2回目の利息追加後の金額}&=(\textbf{元本}+\textbf{利息})(1+\textbf{利率})\\ &=\textbf{元本}×(1+\textbf{利率})(1+\textbf{利率})\\ &=\textbf{元本}×(1+\textbf{利率})\ ^2\end{align*}
3回目は
\begin{align*}\textbf{3回目の利息追加後の金額}&=\textbf{2回目の利息追加後の金額}×(1+\textbf{利率})\\ &=\textbf{元本}×(1+\textbf{利率})\ ^2(1+\textbf{利率})\\ &=\textbf{元本}×(1+\textbf{利率})\ ^3\end{align*}
したがって、利息の追加回数を$n$とすると、
\begin{equation}\textbf{n回目の利息追加後の金額}=\textbf{元本}×(1+\textbf{利率})\ ^n\end{equation}
となります。

楽天ポイント利息のページを見ると
毎月末日23時59分59秒時点の利息中ポイントを元本として、月利0.009%の利息ポイントが翌月5日に利息口座に進呈されます。
利息の進呈は1ポイント単位です。端数は翌月繰り越しとなり、1ポイント以上となった時点で進呈されます。

引用:【楽天PointClub】楽天ポイント利息|預けておくだけで、ポイントが増える!

とあります。 発生した利息は利息口座にまとめられること、特定時点の利息口座内のポイントを元本とすることから複利計算であることがわかります。
したがって、(2)の計算式で計算することになり、1年は12ヶ月であるから12回利息が追加されるため
\begin{align*}\textbf{1年後のポイント数}&=\textbf{元本}×(1+0.00009)^{12}\ &=\textbf{元本}×1.00009^{12}\\ &=\textbf{元本}×1.001080535\end{align*}
となります。利率は小数部分であるため$0.001080535$、すなわち年利は$0.1080535\%$となります。

ちなみに、単利計算だった場合(1)の計算式より

\begin{align*}\textbf{1年後のポイント数}&=\textbf{元本}×(1+12×0.00009)\\ &=\textbf{元本}×1.00108\end{align*}
となり、年利は$0.108\%$で複利計算の場合とほぼ同じであることがわかります。
しかし、(1)の式は$n$を変数とする1次関数、(2)の式は底が1より大きい指数関数であるので、$n$が大きくなるにつれて(2)の方が大きく増加することになります。

画像:Bruno /GermanyによるPixabayからの画像

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