合同式とはどういったものでしょうか?
どういう性質があるのでしょうか?
どういう性質があるのでしょうか?
合同式とは、整数の余りの関係に着目した式です。
2つの整数A,BA,Bをそれぞれ整数nnで割ると
または、別の形で
読み方は「(A)合同(B)モッド(n)」や「(n)を法として(A)合同(B)」です。
A÷n=a余りrB÷n=b余りr
または、別の形で
A=an+rB=bn+r
となるとき、どちらも余りがrで一致するので
A≡B (mod n)
と表すことができます。
読み方は「(A)合同(B)モッド(n)」や「(n)を法として(A)合同(B)」です。
整数A,B,Cをそれぞれ整数nで割って
A=an+rB=bn+rC=cn+r′ただしr≠r′,0<r<n,0<r′<n
であることをもちいると、合同式の性質は以下のようなものとなります。
整数と余り
(1)が成り立つとき、合同式で
A≡r (mod n)
が成り立ちます。
これはrをnで割ると
r=0⋅n+r
のように商が0でrがそのまま余りとなるためです。
負の余り
(1)が成り立つとき、合同式で
A≡r−n (mod n)
が成り立ちます。
これは(1)を変形すると
A={(a+1)−1}n+r=(a+1)n−n+r=(a+1)n+(r−n)
となるためです。
さらに拡張すると整数kをもちいて
A≡r−kn (mod n)
が成り立ちます。
これは同様に(1)を変形して
A={(a+k)−k}n+r=(a+k)n−kn+r=(a+1)n+(r−kn)
となるためです。
このことから2つの整数A,Bの間にA≡B (mod n)が成り立つときBにはB=r−knを満たす整数kが存在することがわかります。
和と差
2つの整数A,Bの間に
A≡B (mod n)
が成り立つとき整数Cをもちいて
A±C≡B±C (mod n)
が成り立ちます。
これは(1)と(3)の辺々を足して(引いて)
A±C=(an+r)±(cn+r′)=(an±cn)+(r±r′)=(a±c)n+(r±r′)
(2)と(3)の辺々を足して(引いて)
B±C=(bn+r)±(cn+r′)=(bn±cn)+(r±r′)=(b±c)n+(r±r′)
となり、余りがどちらもr±r′となるためです。
積
2つの整数A,Bの間に
A≡B (mod n)
が成り立つとき、整数Cをもちいて
AC≡BC (mod n)
が成り立ちます。
これは(1)と(3)の辺々を掛けて
AC=(an+r)(cn+r′)=acn2+(ar′+cr)n+rr′=(acn+ar′+cr)n+rr′
(2)と(3)の辺々を掛けて
BC=(bn+r)(cn+r′)=bcn2+(br′+cr)n+rr′=(bcn+br′+cr)n+rr′
となり、余りはどちらもrr′から出てくるためです。
累乗
2つの整数A,Bの間に
A≡B (mod n)
が成り立つとき、整数kをもちいて
Ak≡Bk (mod n)
が成り立ちます。
これは(1)の両辺をk乗して、二項定理より
Ak=(an+r)k=(an)k+k(an)k−1r+kC2(an)k−2r2+⋯+kCk−2(an)2rk−2+kanrk−1+rk=(aknk−1+kak−1nk−2r+⋯+kCk−2a2nrk−2+kark−1)n+rk
同様に(2)の両辺をk乗して、
Bk=(bn+r)k=(bn)k+k(bn)k−1r+kC2(bn)k−2r2+⋯+kCk−2(bn)2rk−2+kbnrk−1+rk=(bknk−1+kbk−1nk−2r+⋯+kCk−2b2nrk−2+kbrk−1)n+rk
となり、余りはどちらもrkから出てくるためです。
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