指数関数と対数関数の大小関係は、底がどんな値を取るのかで変わります。
指数関数の大小関係
指数関数$a^x$を底$a$の値で場合分けすると
- $0<a<1$のとき
- $a=1$のとき(※)
- $1<a$のとき
$0<a<1$のとき
具体例を挙げると$\left(\dfrac{1}{3}\right)^x$のように底が1より小さい場合です。
この場合$x$を大きくすると$a^x$は小さくなっていきます。
$x=1$と$x=3$のときで比較すれば
\[\left(\frac{1}{3}\right)^1=\frac{1}{3}>\frac{1}{27}=\left(\frac{1}{3}\right)^3\]
となることからもわかります。
したがって、
\begin{align*}0<a<1,\quad &m<nのとき\\ &\Large
a^m>a^n\end{align*}
が成り立ちます。
$a=1$のとき
$1$のべき乗はいずれも$1$になるので
\begin{align*}a=1,\quad &m<nのとき\\ &\Large
a^m=a^n\end{align*}
が成り立ちます。
$a=1$のときは$x$によらず一定となってしまいます。
$1<a$のとき
具体例を挙げると$3^x$のように底が1より大きい場合です。
この場合$x$を大きくすると$a^x$も大きくなります。
$x=1$と$x=3$のときで比較すれば
\[3^1=3<27=3^3\]
となることからもわかります。
したがって、
\begin{align*}1<a,\quad &m<nのとき\\ &\Large
a^m<a^n\end{align*}
が成り立ちます。
対数関数の大小関係
対数関数$\log_a{x}$を底$a$の値で場合分けすると
- $0<a<1$のとき
- $1<a$のとき
$0<a<1$のとき
具体例として指数関数$\left(\dfrac{1}{3}\right)^x$の対数をとると
前述より$0<a<1$のとき$x$を大きくすると$a^x$は小さくなることから、上の式は真数が小さくなると対数は大きくなります。
\[\log_{\frac{1}{3}}{\left(\frac{1}{3}\right)^x}=x\]
となります。前述より$0<a<1$のとき$x$を大きくすると$a^x$は小さくなることから、上の式は真数が小さくなると対数は大きくなります。
$x=1$と$x=3$のときで比較すれば
\[\log_{\frac{1}{3}}{\frac{1}{3}}=1<3=\log_{\frac{1}{3}}{\frac{1}{27}}\]
となることからもわかります。
したがって、
\begin{align*}0<a<1,\quad &m<nのとき\\ &\Large
\log_a{m}>\log_a{n}\end{align*}
が成り立ちます。
$1<a$のとき
具体例として指数関数$3^x$の対数をとると
前述より$1<a$のとき$x$を大きくすると$a^x$も大きくなることから、上の式は真数が大きくなると対数も大きくなります。
\[\log_3{3^x}=x\]
となります。前述より$1<a$のとき$x$を大きくすると$a^x$も大きくなることから、上の式は真数が大きくなると対数も大きくなります。
$x=1$と$x=3$のときで比較すれば
\[\log_3{3}=1<3=\log_3{27}\]
となることからもわかります。
したがって、
\begin{align*}0<a<1,\quad &m<nのとき\\ &\Large
\log_a{m}<\log_a{n}\end{align*}
が成り立ちます。
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