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2022年4月25日

付け足して取り除くという計算テク

 計算テクニックには付け足して取り除くというものがあります。
これを利用したものをいくつか挙げてみます。

足して引く

 同じものを足して引いても結果は変わらないことを利用します。

平方完成

 2次式x2+4x3x2+4x3を平方完成するときx2+4xx2+4xの部分に着目して(x+)2(x+)2の形に変形できるのは
(x+2)2=x2+4x+4(x+2)2=x2+4x+4
なので44を足して引きます。
x2+4x3=x2+4x +44_3=(x2+4x+4)43=(x+2)27
のように変形できます。

積の微分

 f(x)g(x)を定義に従ってxで微分すると
{f(x)g(x)}=limh0f(x+h)g(x+h)f(x)g(x)h
となり、このままでは微分できるかわかりません。そこでf(x)g(x+h)を足して引くと
{f(x)g(x)}=limh0f(x+h)g(x+h) f(x)g(x+h)+f(x)g(x+h)_f(x)g(x)h=limh0{f(x+h)f(x)}g(x+h)+f(x){g(x+h)g(x)}h=limh0{f(x+h)f(x)hg(x+h)}+limh0{f(x)g(x+h)g(x)h}=f(x)g(x)+f(x)g(x)
となり、微分できることがわかります。


掛けて割る

 足して引くと同様、同じものを掛けて割っても結果は変わらないことを利用します。

約分・通分

 分数の分母と分子に同じ数を掛けたり割ったりするのは
A×CB×C=AB×CC=AB×C×1C=AB×C÷C
と考えることができます。
 例として412を約分するときは、分母と分子が4で割れるので
412=412 ×4÷4_=412÷14×14=412×1414=4×1412×14=13
23を通分して分母を9にしたいときは、分母と分子に3を掛けて
23=23 ×3÷3_=23×33=2×33×3=69
となります。

分母の有理化

 分母の有理化は分数の分母と分子に同じ数を掛けて、分母を整数にすることです。
13=13 ×3÷3_=13×33=33×3=33
約分・通分と同様のことを行っています。

このように分数ではこのテクニックはよく利用されています。


因数分解

 因数分解の基本「共通因数をかっこの外にくくりだす」も掛けて割るを利用していると解釈することができます。
na+nbnc=(na+nbnc) ×n÷n_=na+nbncn×n=(a+bc)×n=n(a+bc)
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