なぜ(ex)′=ex(ex)′=exが成り立つのでしょうか?
微分の定義に従うと
(ex)′=limh→0ex+h−exh=limh→0eh⋅ex−exh=limh→0ex(eh−1)h=exlimh→0eh−1h(ex)′=limh→0ex+h−exh=limh→0eh⋅ex−exh=limh→0ex(eh−1)h=exlimh→0eh−1h
となるので、
limh→0eh−1h=1limh→0eh−1h=1(1)
であることがわかれば良いことがわかります。
これを確かめるには、以下のようにします。
ネイピア数eeについて
e=limt→0(1+t)1te=limt→0(1+t)1t
であるので、両辺の対数をとって変形すると
limt→0loge(1+t)t=1limt→0loge(1+t)t=1
更に変形して外部リンク:極限 x→0 (log(x+1))/x
limh→0eh−1h=1limh→0eh−1h=1
外部リンク:極限 x→0 (e^x-1)/x
以上より、(1)(1)が成り立つことが確かめられたので
(ex)′=ex(ex)′=ex
であることがわかります。
底がee以外である場合は、axax(a>0,a≠ea>0,a≠e)を微分の定義に従って微分すると
(ax)′=limh→0ax+h−axh=axlimh→0ah−1h(ax)′=limh→0ax+h−axh=axlimh→0ah−1h
となります。
limh→0ah−1hlimh→0ah−1hを(1)が成り立つことを確かめるときと同様にすると
limt→0loge(1+t)t=1limt→0loge(1+t)t=1
の1+t=ah1+t=ahとおくとt→0t→0のときh→0h→0となるから
limh→0loge(ah)ah−1=1limh→0hlogeaah−1=1logealimh→0hah−1=1limh→0hah−1=1logealimh→0loge(ah)ah−1=1limh→0hlogeaah−1=1logealimh→0hah−1=1limh→0hah−1=1logea
両辺の逆数をとると
limh→0ah−1h=logealimh→0ah−1h=logea
したがって、
(ax)′=axlogea(ax)′=axlogea
となることがわかります。
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