横画面推奨!
モバイル機器の場合、数式が見切れる場合があります。

2024年1月30日

最大公約数について 間違っているのはどれ?

「$a<b$である自然数$a,b$の最大公約数を$\text{gcd}(a,b)$と表すとき、次の中で間違っているものはどれか?すべて選べ。

$\text{(i)}\ \text{gcd}(a,b)$の最大値は$a$である。

$\text{(ii)}\ \text{gcd}(a,b)$のとりうる値には$a<\text{gcd}(a,b)\leqq b$を満たすものが存在する。

$\text{(iii)}\ \text{gcd}(a,b)=1$であることと$a,b$は互いに素であることは同値である。

$\text{(iv)}\ \text{gcd}(a,b)=a$ならば$b$は$a$の倍数である。

$\text{(v)}\ \text{gcd}(a,b)$は$b$を$a$で割ったときの余りである。」

$\text{(i)}、\text{(ii)}$について

 約数とは、ある数を割り切ることができる数のことです。そして、2つ以上の数を挙げ、それぞれの約数で共通するもののことを公約数、公約数のうち最大のものを最大公約数といいます。

ある数の約数のうち必ずある数自身が最大の約数となるので、$a$と$b$の公約数になりうる数の中で最大のものは$a$の最大の約数$a$であり、$a$より大きく$b$の最大の約数$b$以下の公約数は存在しません。
すなわち、$\text{(i)}$は正しく、$\text{(ii)}$は誤りであることがわかります。


$\text{(iii)}$について

 互いに素とは共通する正の約数が$1$しかないことなので、最大公約数が$1$であることと同値です。
したがって、$\text{(iii)}$は正しいことがわかります。

$\text{(iv)}$について

 $\text{gcd}(a,b)=a$より、$a$は$b$を割り切ることができる数であることがわかります。なので、そのときの商を$k$とおくと$\dfrac{b}{a}=k$、両辺に$a$を掛けて
\[b=ak\]
となります。この式より$b$は$a$の倍数であることがわかります。
したがって、$\text{(iv)}$は正しいです。

$\text{(v)}$について

 例を挙げると、$\text{gcd}(9,12)=3$の場合$12÷9=1余り3$となり一致しますが、$\text{gcd}(9,15)=3$の場合は$15÷9=1余り6$となり一致しません。
必ずしも最大公約数と余りが一致することはないので$\text{(v)}$は誤りであることがわかります。
ですが、最大公約数を求める方法であるユークリッドの互除法で$0$でない余りとして最後に現れる数は最大公約数と等しくなります。

 以上より答えは$\text{(ii),(v)}$となります。

Share:
◎Amazonのアソシエイトとして、当サイト「数学について考えてみる」は適格販売により収入を得ています。
Powered by Blogger.

PR