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2024年1月10日

座標平面上の線分の中点の座標を求める

線分ABの中点Mの座標は?
 座標平面の2点$\text{A}(a_1, a_2), \text{B}(b_1, b_2)$を結ぶ線分$\text{AB}$の中点$\text{M}(m_1, m_2)$の$m_1, m_2$はそれぞれ$a_1, a_2, b_1, b_2$をもちいてどのように表されるでしょうか?

1. 線分$\text{AB}$がx軸に平行な場合

線分ABがx軸に平行な場合の中点Mの座標
 線分$\text{AB}$がy軸に平行な場合、3点$\text{A, B, M}$のy座標は等しくなります。すなわち、$a_2=b_2=m_2$の場合です。ここではこれらのy座標を$y$とおきます。
このとき線分$\text{AB}$の長さは線分の両端の2点$\text{A, B}$それぞれのy座標の差分の絶対値で求められるので$|b_1-a_1|$となります。
線分$\text{AM, BM}$の長さはともに
\[\text{AM}=\text{BM}=\frac{1}{2}|b_1-a_1|\]
と表すことができます。

$a_1<b_1$のとき

 $a_1<b_1$のとき、点$\text{A, B}$の位置関係は上図と同様であり、線分$\text{AB}$の長さは$|b_1-a_1|=b_1-a_1$と表されます。
点$\text{M}$は点$\text{A}$からx軸方向に線分$\text{AM}$の長さの分だけ平行移動した先にあるため、点$\text{M}$のx座標は
\begin{align*}m_1&=a_1+\frac{1}{2}|b_1-a_1|\\[0.5em]&=a_1+\frac{1}{2}(b_1-a_1)\\[0.5em]&=\frac{2a_1+(b_1-a_1)}{2}\\[0.5em]&=\frac{a_1+b_1}{2}\end{align*}
すなわち、点$\text{M}$の座標は
\[(m_1, m_2)=\left(\frac{a_1+b_1}{2}, y\right)\]
と表すことができます。

$a_1>b_1$のとき

線分ABがx軸に平行な場合の中点Mの座標2
 $a_1>b_1$のとき、点$\text{A, B}$の位置関係は上図のようになり、線分$\text{AB}$の長さは$|b_1-a_1|=a_1-b_1$と表されます。
点$\text{M}$は点$\text{B}$からx軸方向に線分$\text{BM}$の長さの分だけ平行移動した先にあるため、点$\text{M}$のx座標は
\begin{align*}m_1&=b_1+\frac{1}{2}|b_1-a_1|\\[0.5em]&=b_1+\frac{1}{2}(a_1-b_1)\\[0.5em]&=\frac{2b_1+(a_1-b_1)}{2}\\[0.5em]&=\frac{a_1+b_1}{2}\end{align*}
すなわち、点$\text{M}$の座標は
\[(m_1, m_2)=\left(\frac{a_1+b_1}{2}, y\right)\]
と表すことができます。

 以上より、点$\text{A, B}$のx座標の大小関係がどのようであっても線分$\text{AB}$の中点$\text{M}$の座標は
\[\large (m_1, m_2)=\left(\frac{a_1+b_1}{2}, y\right)\]
となることがわかります。

2. 線分$\text{AB}$がy軸に平行な場合

線分ABがy軸に平行な場合の中点Mの座標
 線分$\text{AB}$がy軸に平行な場合、3点$\text{A, B, M}$のx座標は等しくなります。すなわち、$a_1=b_1=m_1$の場合です。ここではx座標を$x$とおきます。
このとき線分$\text{AB}$の長さは2点$\text{A, B}$それぞれのy座標の差分の絶対値で求められるので$|b_2-a_2|$となります。
線分$\text{AM, BM}$の長さはともに
\[\text{BM}=\frac{1}{2}|b_2-a_2|\]
と表すことができます。

$a_2<b_2$のとき

 $a_2<b_2$のとき、点$\text{A, B}$の位置関係は上図と同様であり、線分$\text{AB}$の長さは$|b_2-a_2|=b_2-a_2$と表されます。
点$\text{M}$は点$\text{A}$からy軸方向に線分$\text{AM}$の長さの分だけ平行移動した先にあるため、点$\text{M}$のy座標は
\begin{align*}m_2&=a_2+\frac{1}{2}|b_2-a_2|\\[0.5em]&=a_2+\frac{1}{2}(b_2-a_2)\\[0.5em]&=\frac{2a_2+(b_2-a_2)}{2}\\[0.5em]&=\frac{a_2+b_2}{2}\end{align*}
すなわち、点$\text{M}$の座標は
\[(m_1, m_2)=\left(x, \frac{a_2+b_2}{2}\right)\]
と表すことができます。

$a_2>b_2$のとき

線分ABがy軸に平行な場合の中点Mの座標2
 $a_2>b_2$のとき、点$\text{A, B}$の位置関係は上図のようになり、線分$\text{AB}$の長さは$|b_2-a_2|=a_2-b_2$と表されます。
点$\text{M}$は点$\text{B}$からy軸方向に線分$\text{BM}$の長さの分だけ平行移動した先にあるため、点$\text{M}$のy座標は
\begin{align*}m_2&=b_2+\frac{1}{2}|b_2-a_2|\\[0.5em]&=b_2+\frac{1}{2}(a_2-b_2)\\[0.5em]&=\frac{2b_2+(a_2-b_2)}{2}\\[0.5em]&=\frac{a_2+b_2}{2}\end{align*}
すなわち、点$\text{M}$の座標は
\[(m_1, m_2)=\left(x, \frac{a_2+b_2}{2}\right)\]
と表すことができます。

 以上より、点$\text{A, B}$のy座標の大小関係がどのようであっても線分$\text{AB}$の中点$\text{M}$の座標は
\[\large (m_1, m_2)=\left(x, \frac{a_2+b_2}{2}\right)\]
となることがわかります。

3. 線分$\text{AB}$がx軸にもy軸にも平行でない場合

線分ABがx軸にもy軸にも平行でない場合の中点Mの座標
 線分$\text{AB}$がx軸にもy軸にも平行でない場合、すなわち$a_1\neq b_1$かつ$a_2\neq b_2$のときのことであり上図のようになります。(ただし、上図は$a_1<b_1$かつ$a_2<b_2$の場合)
△AMPと△MBQ
点$\text{A}$を通るx軸に平行な直線$y=a_2$と点$\text{B}$を通るy軸に平行な直線$x=b_1$を引き、その交点を$\text{C}$とします。点$\text{C}$は点$\text{A}$と等しいy座標、点$\text{B}$と等しいx座標をもちます。
また、点$\text{M}$を通るy軸に平行な直線$x=m_1$と$\text{AC}$との交点を$\text{P}$、点$\text{M}$を通るx軸に平行な直線$y=m_2$と$\text{BC}$との交点を$\text{Q}$とします。点$\text{P}$は点$\text{M}$と等しいx座標、点$\text{Q}$は点$\text{M}$と等しいy座標をもちます。
ここで$△\text{AMP}$と$△\text{MBQ}$に着目すると
  • 点$\text{M}$は線分$\text{AB}$の中点なので$\text{AM}=\text{MB}$
  • $\text{MP}//\text{BQ}$より同位角は等しいので$∠\text{AMP}=∠\text{MBQ}$
  • $\text{AP}//\text{MQ}$より同位角は等しいので$∠\text{MAP}=∠\text{BMQ}$
1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので$△\text{AMP}$と$△\text{MBQ}$は合同であることがわかります。
線分ACと線分BCの長さと中点P,Q
このことから$\text{AP}=\text{MQ, MP}=\text{BQ}$が成り立ち、四角形$\text{MPCQ}$は長方形なので$\text{MP}=\text{CQ, MQ}=\text{CP}$より
\[\text{AP}=\text{CP, BQ}=\text{CQ} \tag{*}\]
が成り立つことがわかります。
線分ABの向きいろいろ
これは$a_1, b_1$と$a_2, b_2$の大小関係に関わらず成り立ちます。
$(*)$が成り立つということは点$\text{P}$は線分$\text{AC}$の中点、点$\text{Q}$は線分$\text{BC}$の中点であるということです。
すると点$\text{P}$のx座標と点$\text{Q}$のy座標を求めることができれば点$\text{M}$の座標がわかります。
線分$\text{AC}$はx軸に平行な線分でその長さは$|b_1-a_1|$です。
したがって、$1.$より点$\text{P}$のx座標$m_1$は
\[m_1=\frac{a_1+b_1}{2}\]
と求められます。
線分$\text{BC}$はy軸に平行な線分でその長さは$|b_2-a_2|$です。
したがって、$2.$より点$\text{Q}$のy座標$m_2$は
\[m_2=\frac{a_2+b_2}{2}\]
と求められます。
以上より点$\text{M}$の座標は
\begin{equation}(m_1, m_2)=\left(\frac{a_1+b_1}{2}, \frac{a_2+b_2}{2}\right)\end{equation}
と表されることがわかります。

 ここで$(1)$のy座標に$b_2=a_2$を代入すると
\begin{align*}m_2&=\frac{a_2+a_2}{2}\\[0.5em]&=\frac{2a_2}{2}\\[0.5em]&=a_2\end{align*}
すなわち$a_2=b_2=m_2$が成り立って点$\text{M}$の座標が$\left(\frac{a_1+b_1}{2}, a_2\right)$となり、$1.$の場合の点$\text{M}$の座標と一致します。
また、$(1)$のx座標に$b_1=a_1$を代入すると
\begin{align*}m_1\frac{a_1+a_1}{2}\\[0.5em]&=\frac{2a_1}{2}\\[0.5em]&=a_1\end{align*}
すなわち$a_1=b_1=m_1$が成り立って点$\text{M}$の座標が$\left(a_1, \frac{a_2+b_2}{2}\right)$となり、$2.$の場合の点$\text{M}$の座標と一致します。
以上より線分$\text{AB}$がどのような位置にあっても中点$\text{M}$の座標は
\[\large \color{red}\text{M}\left(\frac{a_1+b_1}{2}, \frac{a_2+b_2}{2}\right)\]
と表せることがわかります。

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