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2022年3月31日

座標空間におけるベクトルの内積

 2つのベクトルa=(a1,a2,a3),b=(b1,b2,b3)の内積は
ab=a1b1+a2b2+a3b3
となります。
座標平面上の2ベクトルa=(a1,a2),b=(b1,b2)の内積
ab=a1b1+a2b2
と比較するとz座標同士の積の項を付け加えるだけですが、なぜこのような式になるのでしょうか?

 座標平面上のベクトルX=(x,y)はx成分のみのベクトルXx=(x,0)とy成分のみのベクトルXy=(0,y)の2つに分解することができます。
すなわち、
X=Xx+Xy
となることからa=(a1,a2),b=(b1,b2)の内積は
ab=(ax+ay)(bx+by)
と書けます。
ここで、内積の分配法則
(A+B)C=AC+BC
を利用すると
ab=axbx+axby+aybx+ayby
と展開できます。
x軸とy軸は直交しているのでx成分のみのベクトルとy成分のみのベクトルのなす角は90°、x成分のみのベクトル同士やy成分のみのベクトル同士のなす角は0°なので、
ab=|ax||bx|cos0°+|ax||by|cos90°+|ay||bx|cos90°+|ay||by|cos0°=a1b1+0+0+a2b2=a1b1+a2b2
となり、座標平面におけるベクトルの内積の式を導くことができます。

 座標空間においても同様の方法で2ベクトルをa=ax+ay+az,b=bx+by+bzに分解して考えると
ab=(ax+ay+az)(bx+by+bz)=axbx+axby+axbz+aybx+ayby+aybz+azbx+azby+azbz
x軸とy軸、z軸は互いに直交しているので
ab=|ax||bx|cos0°+|ax||by|cos90°+|ax||bz|cos90°+|ay||bx|cos90°+|ay||by|cos0°+|ay||bz|cos90°+|az||bx|cos90°+|az||by|cos90°+|az||bz|cos0°=a1b1+0+0+0+a2b2+0+0+0+a3b3=a1b1+a2b2+a3b3
となり、座標空間におけるベクトルの内積の式を導くことができます。

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