2つのベクトル
⃗a=(a1,a2,a3),⃗b=(b1,b2,b3)の内積は
⃗a⋅⃗b=a1b1+a2b2+a3b3
となります。
座標平面上の2ベクトル
⃗a=(a1,a2),⃗b=(b1,b2)の内積
⃗a⋅⃗b=a1b1+a2b2
と比較するとz座標同士の積の項を付け加えるだけですが、なぜこのような式になるのでしょうか?
座標平面上のベクトル
⃗X=(x,y)はx成分のみのベクトル
→Xx=(x,0)とy成分のみのベクトル
→Xy=(0,y)の2つに分解することができます。
すなわち、
⃗X=→Xx+→Xy
となることから
⃗a=(a1,a2),⃗b=(b1,b2)の内積は
⃗a⋅⃗b=(→ax+→ay)⋅(→bx+→by)
と書けます。
ここで、内積の分配法則
(⃗A+⃗B)⋅⃗C=⃗A⋅⃗C+⃗B⋅⃗C
を利用すると
⃗a⋅⃗b=→ax⋅→bx+→ax⋅→by+→ay⋅→bx+→ay⋅→by
と展開できます。
x軸とy軸は直交しているのでx成分のみのベクトルとy成分のみのベクトルのなす角は
90°、x成分のみのベクトル同士やy成分のみのベクトル同士のなす角は
0°なので、
⃗a⋅⃗b=|→ax||→bx|cos0°+|→ax||→by|cos90°+|→ay||→bx|cos90°+|→ay||→by|cos0°=a1b1+0+0+a2b2=a1b1+a2b2
となり、座標平面におけるベクトルの内積の式を導くことができます。
座標空間においても同様の方法で2ベクトルを
⃗a=→ax+→ay+→az,⃗b=→bx+→by+→bzに分解して考えると
⃗a⋅⃗b=(→ax+→ay+→az)⋅(→bx+→by+→bz)=→ax⋅→bx+→ax⋅→by+→ax⋅→bz+→ay⋅→bx+→ay⋅→by+→ay⋅→bz+→az⋅→bx+→az⋅→by+→az⋅→bz
x軸とy軸、z軸は互いに直交しているので
⃗a⋅⃗b=|→ax||→bx|cos0°+|→ax||→by|cos90°+|→ax||→bz|cos90°+|→ay||→bx|cos90°+|→ay||→by|cos0°+|→ay||→bz|cos90°+|→az||→bx|cos90°+|→az||→by|cos90°+|→az||→bz|cos0°=a1b1+0+0+0+a2b2+0+0+0+a3b3=a1b1+a2b2+a3b3
となり、座標空間におけるベクトルの内積の式を導くことができます。