\[7÷3=2\ あまり1\]
や
\[9÷6=1\cdots3\]
のような書き方で習いますが、「あまり」や「…」は厳密には数式にもちいられる記号ではないので1つの式で表されているのとは少し違います。
では、割り算を1つの式で表すとどうなるのか?また、割り算を表す式
\[a=bn+r\]
割り算を1つの式で表すには、割り算は分数で表せることを利用します。
$a÷b$という計算の場合は
\[a÷b=\frac{a}{b}\]
のように左辺を割り算、右辺を分数で書きます。
この割り算で商が$n$、余りが$r$になったとすると
\begin{align*}a÷b&=\frac{nb+r}{b}\\ \\ &=n+\frac{r}{b}&...(a)\end{align*}
となります。
例として$17÷3$で考えれば
\begin{align*}17÷3&=\frac{17}{3}\\ \\ &=\frac{15+2}{3}\\ \\ &=5+\frac{2}{3}\end{align*}
となるので理解しやすくなると思います。
右辺の分数の項は割り切れずに残った項であるため、余りを表したものであることがわかります。分母が割る数、分子が余りです。
したがって、割り算を演算子を使って1つの式で表すと(a)のようになります。
次は、
\[a=bn+r\]
について考えます。
これは(a)の式を変形することで導くことができます。両辺に$b$を掛けると
\begin{align*}a÷b×b&=\left(n+\frac{r}{b}\right)×b\\ \\ a&=nb+r\end{align*}
となるので、この式もまた割り算を表した式であることがわかります。
$a,b,n,r$をそれぞれ$f(x),g(x),h(x),r(x)$に置き換えると
\[f(x)=g(x)h(x)+r(x)\]
となり、多項式にも応用できます。この式は多項式の割り算や剰余の定理で見る式となります。
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