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2022年3月5日

チェバの定理

チェバの定理
 チェバの定理とは、$△ABC$の各頂点を通る直線が点$O$で交わり、各直線と対辺またはその延長線との交点を$P,Q,R$とするとき
\[\frac{RB}{AR}\cdot\frac{PC}{BP}\cdot\frac{QA}{CQ}=1\]
が成立するという定理です。

赤い矢印のループの任意の位置から開始し、分数の分母と分子に交互に線分の長さ、または長さの割合を入れながら一巡すれば上の式をつくることができます。

これはなぜ成り立つのでしょうか?


 $\dfrac{RB}{AR}$を比で表すと$RB:AR$となり、$AB$の一部を底辺とする三角形の面積比と考えると
\[RB:AR=△BCR:△ACR\]
ここで$△BCR,△ACR$の$CR$を底辺とすると$△BCO,△ACO$の面積は
\begin{align*}△BCR&=\frac{CR}{CO}△BCO\\[1em]△ACR&=\frac{CR}{CO}△ACO\end{align*}
となるので
\begin{align*}RB:AR&=\frac{CR}{CO}△BCO:\frac{CR}{CO}△ACO=△BCO:△ACO\\[0.5em]\frac{RB}{AR}&=\frac{△BCO}{△ACO}\tag1\end{align*}
 同様にして
\begin{align*}PC:BP&=△ACP:△ABP=△ACO:△ABO\\[0.5em]QA:CQ&=△ABQ:△BCQ=△ABO:△BCO\end{align*}
すなわち
\begin{align*}\frac{PC}{BP}&=\frac{△ACO}{△ABO}\tag2\\[1em]\frac{QA}{CQ}&=\frac{△ABO}{△BCO}\tag3\end{align*}
となります。
 $(1),(2),(3)$より
\begin{align*}\frac{RB}{AR}\cdot\frac{PC}{BP}\cdot\frac{QA}{CQ}&=\frac{△OBC}{△OCA}\cdot\frac{△OCA}{△OAB}\cdot\frac{△OAB}{△OBC}\\[0.5em]\therefore\frac{RB}{AR}\cdot\frac{PC}{BP}\cdot\frac{QA}{CQ}&=1\end{align*}
となり、チェバの定理が成り立つことがわかります。

チェバの定理②
 直線が三角形の辺の延長と交わるときというのは、上図のように点$O$が$△ABC$の外部にある場合です。このとき2つの辺の延長で直線と交わるので交点は辺の外分点となります。
この場合も上記のような手順でチェバの定理が成立することを確かめることができます。

メネラウスの定理との違いは、チェバの定理は各頂点を通る3直線が1点で交わっていることです。


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