不等式の変形で、両辺に負の数を掛けたり割ったりすると不等号が逆になります。
これはなぜなのでしょうか?
2つの数の大小比較を利用して考えてみます。
との大小を不等式で表すと
となります。
ここで、とにそれぞれを掛けてみるとその大小は
となり、大小関係が逆転するため不等号の向きが変わります。
負の数で割ったときも
やはり大小関係が逆転するので、その場合も不等号の向きが変わります。
以上のことから、負の数を掛けたり割ったりすると大小関係が逆転するので不等号の向きが変わる事がわかります。
こういった考え方もできます。
簡単な不等式について考えてみます。
両辺にを掛けると
となります。
両辺にを掛けると
これを掛け算以外の方法で同じ結果を導くことができるでしょうか?
ということで両辺にを足します。
次に両辺からを引きます。
左右をひっくり返すことで両辺にを掛けたときと同じ式を導くことができました。
すなわち、を掛けるということはこういった変形を一度に行っているということになります。
ということで両辺にを足します。
すなわち、を掛けるということはこういった変形を一度に行っているということになります。
で割る場合もであるため、やはり同じことをしていることがわかります。
このことから負の数を掛けたり割ったりすると不等号の向きが逆になるのは、左辺と右辺が入れ替わるような変形が加わるためだということがわかります。
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