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2023年3月25日

3次不等式を解く

「次の不等式を解け。

(1)(x+2)3<8(x+2)3<8

(2)(x+1)2(x2)0(x+1)2(x2)0

(3)x(x+2)(x5)>0x(x+2)(x5)>0

積の正負から解く方法とグラフから解く方法の2通りで解いてみます。

(1)(x+2)3<8(x+2)3<8

1. 積の正負から解く

 移項した(x+2)38<0(x+2)38<0を因数分解します。
左辺は
(x+2)38=(x+2)323a=x+2,b=2a3b3=(ab)(a2+ab+b2)(x+2)323=(x+2)2(x+2)2+2(x+2)+22=x(x2+6x+12)(x+2)38=(x+2)323a=x+2,b=2a3b3=(ab)(a2+ab+b2)(x+2)323=(x+2)2(x+2)2+2(x+2)+22=x(x2+6x+12)
と因数分解できるのでx(x2+6x+12)<0x(x2+6x+12)<0となります。
ここで、積の正負について考えると以下のようになります。
()×()=()()×()=()()×()=()()×()=()()×()=()()×()=()()×()=()()×()=()

これを踏まえると、不等式が成り立つためには「x<0x<0かつx2+6x+12>0x2+6x+12>0」または「x>0x>0かつx2+6x+12<0x2+6x+12<0」のいずれかが成り立つことが条件となります。

1-1. x<0x<0かつx2+6x+12>0x2+6x+12>0

 x2+6x+12x2+6x+12を平方完成すると
x2+6x+12=(x2+6x+9)9+12=(x+3)2+3x2+6x+12=(x2+6x+9)9+12=(x+3)2+3
となるから最小値が33、すなわち常にx2+6x+12>0x2+6x+12>0であるので、すべての実数xxにおいて成り立ちます。

x<0x<0x2+6x+12>0x2+6x+12>0は「かつ」で結ばれているので、2つのxxの範囲の共通部分が不等式の解となります。

したがって、「x<0x<0かつx2+6x+12>0x2+6x+12>0」を満たすxxの範囲はx<0x<0となります。

1-2. x>0x>0かつx2+6x+12<0x2+6x+12<0

 x2+6x+12<0x2+6x+12<0を解くと解なしとなります。これは常にx2+6x+12>0x2+6x+12>0が成り立つことからもわかります。
x2+6x+12<0x2+6x+12<0が成り立たないので「x>0x>0かつx2+6x+12<0x2+6x+12<0」が成り立つようなxxは存在しないことになります。

 1-1.、1-2.より(x+2)3<8(x+2)3<8の解はx<0x<0であるとわかります。


2. グラフから解く

 y=(x+2)3y=(x+2)3y=8y=8のグラフを考えます。
y=(x+2)3y=(x+2)3y=x3y=x3のグラフをx軸方向に22だけ平行移動したもの、y=8y=8はすべてのy座標が88の点を通る直線なのでグラフは以下のようになります。
(x+2)^3<8
y=(x+2)3y=(x+2)3のグラフのうち、y<8y<8となる部分が存在するxxの範囲が不等式の解となります。グラフからx<0x<0と読み取れるので、これが解となります。

(2)(x+1)2(x2)0(x+1)2(x2)0

1. 積の正負から解く

 不等式が成り立つためには「(x+1)20(x+1)20かつx20x20」または「(x+1)20(x+1)20かつx20x20」のいずれかが成り立つことが条件となります。

1-1. (x+1)20(x+1)20かつx20x20

 (x+1)20(x+1)20において成り立つのは(x+1)2=0(x+1)2=0のみなので、x+1=0x+1=0すなわちx=1x=1が解となります。
x20x20を解くとx2x2です。

これらの共通部分はないので、「(x+1)20(x+1)20かつx20x20」を満たすxxは存在しません。


1-2. (x+1)20(x+1)20かつx20x20

 (x+1)20(x+1)20、これは2乗の性質そのままなので、すべての実数xxにおいて成り立ちます。
x20x20を解くとx2です。

これらの共通部分はx2なので、これが「(x+1)20かつx20」を満たすxの範囲となります。


1-1.、1-2より(x+1)2(x2)0の解はx2であるとわかります。


2. グラフから解く

 y=(x+1)2(x2)のグラフは以下のようになります。
(x+1)^2(x-2)≦0
このグラフのy0の部分が存在するxの範囲はx2で、これが(x+1)2(x2)0の解となります。

(3)x(x+2)(x5)>0

1. 積の正負から解く

 (1)、(2)とは異なり因数が3つありますが、x(x+2)x5のように2つに分けて解くことができます。

不等式が成り立つためには「x(x+2)<0かつx5<0」または「x(x+2)>0かつx5>0」のいずれかが成り立つことが条件となります。

1-1. x(x+2)<0かつx5<0

 x(x+2)<0を解くと2<x<0となります。
x5<0を解くとx<5です。

これらの共通部分は2<x<0なので、これが「x(x+2)<0かつx5<0」を満たすxの範囲となります。


1-2. x(x+2)>0かつx5>0

 x(x+2)>0を解くとx<2,0<xとなります。
x5>0を解くとx>5です。

これらの共通部分はx>5なので、これが「x(x+2)>0かつx5>0」を満たすxの範囲となります。


1-1.、1-2.よりx(x+2)(x5)>0の解は2<x<0またはx>5であるとわかります。(2x<0,5<xのように並列して書くこともできます。)


2. グラフから解く

 y=x(x+2)(x5)のグラフは以下のようになります。
x(x+2)(x-5)>0
このグラフのy>0の部分が存在するxの範囲は2x<0,5<xで、これがx(x+2)(x5)>0の解となります。

 3次関数のグラフの形は以下の図のようになります。
3次関数のグラフの形
a>0,b=0のとき、y=a(xα)2(xβ)のx軸との共有点のうち、x=αである共有点はグラフの極値を持つ点(凹部または凸部の先端部)に存在します。
凹部か凸部のどちらになるのかはもう1つの共有点のx座標x=βとの大小関係で決まります。α<βのときは凹部、α>βのときは凸部のほうとなります。

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