これは2つの直角三角形のピースに原因があります。
この直角三角形のピースの斜辺以外の2辺の比をそれぞれ調べてみると
黄色い直角三角形のほうは$3:2$、赤い直角三角形は$4:3$になります。
2辺の比が違うということはこれらの直角三角形は相似ではないということです。
相似でないと斜辺は一直線につながらないため、4つのピースで作った直角三角形は実は斜辺部分に分かりづらい頂点がある直角三角形っぽく見える四角形だったということになります。
事実、よく見ると図1の直角三角形の斜辺は少し凹んでいて、図2の斜辺は少し膨らんでいます。
図3 2つの直角三角形の2辺の比 |
2辺の比が違うということはこれらの直角三角形は相似ではないということです。
相似でないと斜辺は一直線につながらないため、4つのピースで作った直角三角形は実は斜辺部分に分かりづらい頂点がある直角三角形っぽく見える四角形だったということになります。
事実、よく見ると図1の直角三角形の斜辺は少し凹んでいて、図2の斜辺は少し膨らんでいます。
図4 図1と図2を重ねると |
したがって、正方形1つ分の空白ができたのは、このはみ出した部分に正方形1つ分の面積が移動してきたからということになります。
これは本当でしょうか?平たい平行四辺形の面積が正方形1つ分であることを確かめてみます。
平行四辺形の内角の1つが$θ$でこの角を作る2辺の長さがそれぞれ$a,b$であるとき、平行四辺形の面積は
\[ab\sinθ\]
で求められます。
図5 平行四辺形の面積 |
\[ab\sinθ\]
で求められます。
図6 平行四辺形の内角と2辺の長さ |
図7 2つの直角三角形 |
\begin{align*}\sqrt{3^2+2^2}&=\sqrt{9+4}\\[0.5em]&=\sqrt{13}\end{align*}
赤い直角三角形の斜辺の長さは
\begin{align*}\sqrt{4^2+3^2}&=\sqrt{16+9}\\[0.5em]&=\sqrt{25}\\[0.5em]&=5\end{align*}
となります。
図7のように黄色の直角三角形と赤い直角三角形の鋭角の1つをそれぞれ$\alpha,\beta$とすると
黄色の直角三角形の三角比は
黄色の直角三角形の三角比は
\[\sin\alpha=\frac{2}{\sqrt{13}},\quad\cos\alpha=\frac{3}{\sqrt{13}}\]
赤い直角三角形の三角比は
\[\sin\beta=\frac{3}{5},\quad\cos\beta=\frac{4}{5}\]
となります。
ここで$θ=\beta-\alpha$であるから加法定理より
\begin{align*}\sinθ&=\sin(\beta-\alpha)\\[0.5em]&=\sin\beta\cos\alpha-\cos\beta\sin\alpha\\[0.5em]&=\frac{3}{5}\cdot\frac{3}{\sqrt{13}}-\frac{4}{5}\cdot\frac{2}{\sqrt{13}}\\[0.5em]&=\frac{1}{5\sqrt{13}}\end{align*}
となるので、平行四辺形の面積は
\[5\times\sqrt{13}\times\frac{1}{5\sqrt{13}}=1\]
となり、確かにはみ出した部分に正方形1つ分の面積が移動していたことがわかります。
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