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2022年3月6日

メネラウスの定理

メネラウスの定理
 メネラウスの定理とは、△ABCのどの頂点も通らない直線と各辺またはその延長線との交点をP,Q,Rとすると、
\large\frac{RB}{AR}\cdot\frac{PC}{BP}\cdot\frac{QA}{CQ}=1
が成り立つという定理です。

赤い矢印のループの任意の頂点の位置から開始し、分数の分母と分子に交互に線分の長さ、または内分・外分比を入れながら一巡すれば上の式をつくることができます。

これはなぜ成り立つのでしょうか?


メネラウスの定理 導出
 線分AP,BQを引きます。
\dfrac{RB}{AR}を比の形にするとRB:ARとなり、ABの一部を底辺とする三角形の面積比と考えると
RB:AR=△BPR:△APR
ここでPRを底辺としたとき△BPR△BPQとの関係は
△BPR=\frac{PR}{PQ}△BPQ
となります。
また同様にPRを底辺としたとき△APR△APQとの関係は
△APR=\frac{PR}{PQ}△APQ
となります。
したがって、
\begin{align*}RB:AR&=\frac{PR}{PQ}△BPQ:\frac{PR}{PQ}△APQ=△BPQ:△APQ\\[0.5em]\frac{RB}{AR}&=\frac{△BPQ}{△APQ}\tag1\end{align*}
と書けます。
\dfrac{PC}{BP}を比の形にするとPC:BPとなり、BPまたはその一部を底辺とする三角形の面積比と考えると
\begin{align*}PC:BP&=△CPQ:△BPQ\\[0.5em]\frac{PC}{BP}&=\frac{△CPQ}{△BPQ}\tag2\end{align*}
となります。
\dfrac{QA}{CQ}を比の形にするとQA:CQとなり、ACの一部を底辺とする三角形の面積比と考えると
\begin{align*}QA:CQ&=△APQ:△CPQ\\[0.5em]\frac{QA}{CQ}&=\frac{△APQ}{△CPQ}\tag3\end{align*}
となります。
(1),(2),(3)より
\begin{align*}\frac{RB}{AR}\cdot\frac{PC}{BP}\cdot\frac{QA}{CQ}&=\frac{△BPQ}{△APQ}\cdot\frac{△CPQ}{△BPQ}\cdot\frac{△APQ}{△CPQ}\\[0.5em]\therefore\frac{RB}{AR}\cdot\frac{PC}{BP}\cdot\frac{QA}{CQ}&=1\end{align*}
となり、メネラウスの定理が成り立つことがわかります。
直線が三角形の1つの頂点を通るときはメネラウスの定理は成り立たない
もし、直線が三角形の1つの頂点を通ると点P,Q,Rのいずれか2つがその頂点と重なり、辺上の2つの線分の長さが0になります。
すると、分母に0が現れてメネラウスの定理の式が成り立たなくなります。

メネラウスの定理②
 メネラウスの定理は、直線が三角形の辺と交わる必要はなく上図のようにすべての辺の延長線と交わっている場合でも成り立ち、同様の方法で成り立つことを確かめることができます。

チェバの定理との違いは直線は1本だけであること、その直線は三角形のどの頂点も通らないことです。

(2024/12)加筆・一部修正しました。
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