座標平面や座標空間においてはしばしば位置ベクトルの始点は原点になります。これは位置ベクトルの成分と終点の座標が同じ表記となり、座標とベクトルを結びつけて考えることができるようになるためです。
例えば、原点$\text{O}$を始点、点$\text{A}$を終点とするベクトル$\vec{\text{OA}}$は原点$\text{O}$を基準点として点$\text{A}$の位置を表す位置ベクトルとなります。
点$\text{A}$の位置を表す位置ベクトル$\vec{a}$が与えられているとき、点を$\text{A}(\vec{a})$のように表示します。これは点の位置を表す座標が与えられているときの表示$\text{A}(x,y)$と似ています。
点$\text{A}$の位置を表す位置ベクトル$\vec{a}$が与えられているとき、点を$\text{A}(\vec{a})$のように表示します。これは点の位置を表す座標が与えられているときの表示$\text{A}(x,y)$と似ています。
位置ベクトルについて注意したいのは、1つの定点を始点とするベクトルとは位置を固定したベクトルのことではないという点です。
位置ベクトルを図示したときの始点を揃えた有向線分(矢印)はベクトルそのものをそこに固定していることを表しているのではなく、あくまでベクトルに点の位置を表す役割を与えたときのベクトルの置き場を表しています。
したがって、位置ベクトルは点の位置を表す役割を与えられているベクトルの名称というだけなので、位置ベクトルをもちいてベクトルの和などを考えるときは通常のベクトルと同様に任意の位置に平行移動して考えることができます。
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