「上図のような$\text{AB}//\text{CD}$である台形$\text{ABCD}$がある。平行でない対辺$\text{AD,
BC}$のそれぞれ$\text{A,
B}$の側を延長し、その交点を$\text{E}$とする。また、辺$\text{CD}$上に点$\text{F}$をとり$△\text{ABF}$をつくる。
台形$\text{ABCD}$の面積が$72\text{cm}^2$で$\text{BC}:\text{BE}=2:5$のとき、$△\text{ABF}$の面積を求めよ。」
台形$\text{ABCD}$の面積が$72\text{cm}^2$で$\text{BC}:\text{BE}=2:5$のとき、$△\text{ABF}$の面積を求めよ。」
$\text{AB}//\text{CD}$より$△\text{ABF}$の頂点$\text{F}$を点$\text{C}$まで移動させて$△\text{ABC}$に変形することは等積変形となるので、$△\text{ABF}$と$△\text{ABC}$の面積は等しいことがわかります。
したがって、$△\text{ABC}$の面積を求めることができれば$△\text{ABF}$の面積がわかります。
このとき、台形$\text{ABCD}$は$△\text{ABC}$と$△\text{ACD}$の2つの三角形に分かれており、$\text{AB}//\text{CD}$より$△\text{ABC}$の辺$\text{AB}$を底辺としてみたときの高さと$△\text{ACD}$の辺$\text{CD}$を底辺としてみたときの高さが等しいことがわかります。
すなわち、$△\text{ABC}$と$△\text{ACD}$の面積比とそれぞれの底辺$\text{AB, CD}$の長さの比について$△\text{ABC}:△\text{ACD}=\text{AB}:\text{CD}$ $\cdots(1)$が成り立つということです。
すなわち、$△\text{ABC}$と$△\text{ACD}$の面積比とそれぞれの底辺$\text{AB, CD}$の長さの比について$△\text{ABC}:△\text{ACD}=\text{AB}:\text{CD}$ $\cdots(1)$が成り立つということです。
ところで、$△\text{ABE}$と$△\text{DCE}$に着目すると
- 共通の角なので$∠\text{AEB}=∠\text{DEC}$
- $\text{AB}//\text{CD}$より同位角が等しいので$∠\text{ABE}=∠\text{DCE, }∠\text{BAE}=∠\text{CDE}$
このことから$\text{BE}:\text{CE}=\text{AB}:\text{DC}$
$(=\text{AB}:\text{CD})\ \cdots(2)$です。
ここで、
$(2)$より$\text{AB}:\text{CD}=5:7$、$(1)$より$△\text{ABC}:△\text{ACD}=5:7$であることがわかります。
\[\text{BE}:\text{CE}=\text{BE}:(\text{BC}+\text{BE})\]
であり、$\text{BC}:\text{BE}=2:5$より
\begin{align*}\text{BE}:\text{CE}&=5:(2+5)\\[0.5em]&=5:7\end{align*}
であることがわかります。$(2)$より$\text{AB}:\text{CD}=5:7$、$(1)$より$△\text{ABC}:△\text{ACD}=5:7$であることがわかります。
$△\text{ABC}:△\text{ACD}=5:7$であることと$台形\text{ABCD}=△\text{ABC}+△\text{ACD}$$=72[\text{cm}^2]$であることより
\begin{align*}△\text{ABC}&=\frac{5}{5+7}\times台形\text{ABCD}\\[0.5em]&=\frac{5}{12}\times72\\[0.5em]&=30[\text{cm}^2]\end{align*}
となるので、$△\text{ABC}=△\text{ABF}$より$△\text{ABF}$の面積は$\mathbf{30\text{cm}^2}$であることがわかります。
別解
$△\text{ABE}$と$△\text{DCE}$の相似比を求めたところから相似な図形の面積比を利用します。
$△\text{ABE}$と$△\text{DCE}$の相似比$5:7$よりこれらの面積比は
\begin{align*}△\text{ABE}:△\text{DCE}&=5^2:7^2\\[0.5em]&=25:49\end{align*}
となります。
ここで、$△\text{DCE}=△\text{ABE}+台形\text{ABCD}$であることより
\begin{align*}△\text{ABE}:台形\text{ABCD}&=△\text{ABE}:(△\text{DCE-}△\text{ABE})\\[0.5em]&=25:(49-25)\\[0.5em]&=25:24\end{align*}
なので、$△\text{ABE}$の面積は
\begin{align*}△\text{ABE}:72&=25:24\\[0.5em]24△\text{ABE}&=72\times25\\[0.5em]△\text{ABE}&=3\times25\\[0.5em]&=75[\text{cm}^2]\end{align*}
であることがわかります。
直線$\text{CE}$上にある辺を底辺とみると$△\text{ABC}$と$△\text{ABE}$の高さは等しいので、これらの面積比はそれぞれの底辺$\text{BC,
BE}$の長さの比に等しいことがわかります。
したがって、$\text{BC}:\text{BE}=2:5$より$△\text{ABC}:△\text{ABE}=2:5$なので、$△\text{ABC}$の面積は
\begin{align*}△\text{ABC}:75&=2:5\\[0.5em]5△\text{ABC}&=150\\[0.5em]△\text{ABC}&=30[\text{cm}^2]\end{align*}
となり、$△\text{ABC}=△\text{ABF}$より$△\text{ABF}$の面積は$\mathbf{30\text{cm}^2}$であることがわかります。
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