同様に短軸の長さは、y軸($x=0$)と楕円の交点間の距離なので$x=0$を代入して
\begin{align*}\frac{y^2}{b^2}&=1\\
\\ y^2&=b^2\\ \\ y&=\pm b\end{align*}
したがって、y軸と楕円の交点は$(0,-b),(0,b)$なので短軸の長さは$2b$となります。
長軸上には楕円の焦点があります。この焦点間の距離を調べます。
そのためには一度楕円の定義を振り返ります。楕円の定義は「焦点となる2定点からの距離の和が一定となる点の軌跡」です。この2つの焦点からの距離の和は長軸の長さとなります。
このことから$a>b>0$のとき、楕円の焦点の座標を$(-p,0),(p,0)$とおくと2つの焦点からの距離の和、すなわち長軸の長さは$2a$となるので
\begin{align*}\sqrt{(x+p)^2+y^2}+\sqrt{(x-p)^2+y^2}&=2a\\
\\ \sqrt{(x+p)^2+y^2}&=2a-\sqrt{(x-p)^2+y^2}\end{align*}
両辺を2乗して
\begin{align*}(x+p)^2+y^2&=4a^2-4a\sqrt{(x-p)^2+y^2}+(x-p)^2+y^2\\ \\ 4a\sqrt{(x-p)^2+y^2}&=4a^2-4px\\ \\ a\sqrt{(x-p)^2+y^2}&=a^2-px\end{align*}
両辺を2乗して
\begin{align*}a^2\{(x-p)^2+y^2\}&=a^4-2a^2px+p^2x^2\\
\\ a^2(x^2-2px+p^2+y^2)&=a^4-2a^2px+p^2x^2\\ \\
(a^2-p^2)x^2+a^2y^2&=a^4-a^2p^2\\ \\
(a^2-p^2)x^2+a^2y^2&=a^2(a^2-p^2)\end{align*}
両辺を$a^2(a^2-p^2)$で割って
\[\frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{a^2-p^2}=1\]
楕円の方程式$\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1$と比較すると
\[b^2=a^2-p^2\]
となり、$p$について解くと
\begin{align*}p^2&=a^2-b^2\\
\\ p&=\pm\sqrt{a^2-b^2}\end{align*}
となるので、焦点の座標は$(-\sqrt{a^2-b^2},0),(\sqrt{a^2-b^2},0)$、焦点間の距離は$2\sqrt{a^2-b^2}$であることがわかります。
原点、焦点、短軸の端点の3点を結ぶと直角三角形ができるので、三平方の定理を利用して原点から焦点までの距離を求めると
\begin{align*}BF^2&=OB^2+OF^2\\
\\ OF^2&=BF^2-OB^2\\ \\ &=a^2-b^2\\ \\
OF&=\sqrt{a^2-b^2}&(\because OF>0)\end{align*}
$F,F'$はy軸に関して対称なので、焦点の座標は$(-\sqrt{a^2-b^2},0),(\sqrt{a^2-b^2},0)$、焦点間の距離は$2\sqrt{a^2-b^2}$であることがわかります。