楕円の長軸は、その楕円の2つの焦点それぞれから楕円上の点までの距離の和と等しくなります。
これはなぜなのでしょうか?
これはなぜなのでしょうか?
楕円の定義から楕円の2つの焦点からの距離の和と楕円の長軸が等しくなることを確かめます。
楕円の定義は「焦点となる2つの定点からの距離の和が一定となるような点の集合」です。
この定義に従い焦点の座標を(-p, 0), (p, 0)、2つの焦点からの距離の和をrとして楕円の方程式を求めます。
ただし、pとrの条件は0<2p<rです。2つの定点から1点までの距離の和の最小は定点間の距離と等しくなります。しかしこのとき、つまりr=2pのとき描く軌跡は楕円ではなく2つの定点を結ぶ線分となります。したがって、2つの定点からの距離の和は最小であってはならないので、この条件が必要になります。
2つの焦点からの距離の和がrとなるような点を(x, y)とおくと
(3)よりr=2a、そして楕円\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1の長軸の長さは2aなので2つの焦点からの距離の和は長軸の長さに等しいことがわかります。
\sqrt{(x+p)-2+y^2}+\sqrt{(x-p)^2+y^2}=r
となります。これを変形して
\sqrt{(x+p)-2+y^2}=r-\sqrt{(x-p)-2+y^2}
両辺を2乗して
\begin{align*}(x+p)^2+y^2&=r^2-2r\sqrt{(x-p)-2+y^2}+(x-p)^2+y^2\\[0.5em]2r\sqrt{(x-p)^2+y^2}&=r^2-4px\end{align*}
さらに両辺を2乗して
\begin{align*}4r^2\left\{(x-p)^2+y^2\right\}&=r^4-8r^2px+16p^2x^2\\[0.5em]4(r^2-4p^2)x^2+4r^2y^2&=r^2(r^2-4p^2)\end{align*}
両辺をr^2(r^2-4p^2)で割ると
\frac{4x^2}{r^2}+\frac{4y^2}{r^2-4p^2}=1
楕円の方程式\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1ただしa, b>0と比較すると
(ここで、0<2p<rより各辺を2乗して0<4p^2<r^2なので、r^2-4p^2>0です。)
\begin{cases}a^2=\frac{r^2}{4}&\cdots(1)\\[0.5em]b^2=\frac{r^2-4p^2}{4}&\cdots(2)\end{cases}
a, bそれぞれについて解くと
\begin{cases}a=\frac{r}{2}&\cdots(3)\\[0.5em]b=\frac{\sqrt{r^2-4p^2}}{2}&\cdots(4)\end{cases}
となります。(3)よりr=2a、そして楕円\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1の長軸の長さは2aなので2つの焦点からの距離の和は長軸の長さに等しいことがわかります。
y軸上に焦点がある場合も同様の手順で確かめることができます。
これはグラフからもわかります。
楕円\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1の長軸の端点\text{A, A'}と焦点\text{F, F'}について考えます。
2つの焦点から点\text{A}までの距離の和は\text{AF}+\text{AF'}となります。
上図のように\text{A, F, F'}は同一直線上にあるから
上図のように\text{A, F, F'}は同一直線上にあるから
\text{AF}+\text{AF'}=\text{AF}+(\text{AF}+\text{FF'})=2\text{AF}+\text{FF'}\tag{a}
となります。
今度は2つの焦点から点\text{A'}までの距離の和は\text{A'F}+\text{A'F'}で、\text{A', F, F'}は同一直線上にあるから
\text{A'F}+\text{A'F'}=(\text{A'F'}+\text{FF'})+\text{A'F'}=2\text{A'F'}+\text{FF'}\tag{b}
となります。
\text{(a)}=\text{(b)}より\text{AF}=\text{A'F'}であるから、2つの焦点からの距離の和は
\text{AF}+\text{FF'}+\text{A'F'}=\text{AA'}=2a
すなわち長軸の長さと等しいことがわかります。
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