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2022年9月20日

3つの積から3つの数を求める

「3つの異なる整数$A,B,C$がある。$A$と$B$を掛けると$-57$、$B$と$C$を掛けると$21$、$C$と$A$を掛けると$-133$となる。$A,B,C$を求めよ。」

このような問題はどのように解けばよいのでしょうか?

 このような問題は約数を利用して解きます。
まずは式に直して整理します。
\begin{align*}\left\{\begin{aligned}AB&=-57&\cdots(1)\\[0.5em]BC&=21&\cdots(2)\\[0.5em]CA&=-133&\cdots(3)\end{aligned}\right.\\ ただしA\neq B&かつB\neq CかつC\neq A\\ A,B,C&:整数\end{align*}

 最初に整数$A$に着目します。
$A$を因数にもつのは$(1)$と$(3)$であるから、$-57$と$-133$は$A$で割り切れます。これは$-57$と$-133$はともに$A$を約数にもつ、すなわち$A$は公約数ということです。
そこで$A$を求めるために最大公約数を求めます。これは最大公約数の約数は公約数になるため、それらが$A$の候補となるからです。

ユークリッドの互除法より
\begin{align*}-133\div\underline{(-57)}&=2\ 余り\underline{19}\\[1em]\underline{-57}\div\underline{19}&=-3\end{align*}
$-57$と$-133$の最大公約数は$19$であるとわかります。
$19$は素数なので正の約数は$1,19$、負の約数は正の約数と絶対値が等しいので$-57$と$21$の公約数は$\pm1,\pm19$となります。

ここで$A=\pm1$のとき、$B=\mp57,C=\mp133$(複号同順)となりますが、$(2)$の$BC=21$にはなりません。このことから$A$の候補は$\pm19$に絞り込まれます。

$A=-19$のとき

 $(1)$より
\[B=\frac{-57}{A}\]
なので
\begin{align*}B&=\frac{-57}{-19}\\[0.5em]&=3\end{align*}
$(3)$より
\[C=\frac{-133}{A}\]
なので
\begin{align*}C&=\frac{-133}{-19}\\[0.5em]&=7\end{align*}
となります。

これらを$(2)$に代入すると
\[3\times7=21\]
等式が成り立つので$A=-19,B=3,C=7$が解となることがわかります。


$A=19$のとき

 $(1)$より
\begin{align*}B&=\frac{-57}{19}\\[0.5em]&=-3\end{align*}
$(3)$より
\begin{align*}C&=\frac{-133}{19}\\[0.5em]&=-7\end{align*}
となります。

これらを$(2)$に代入すると
\[-3\times(-7)=21\]
等式が成り立つので$A=19,B=-3,C=-7$も解となることがわかります。


 以上より、解は
\[A=\pm19,B=\mp3,C=\mp7\tag{複号同順}\]
となります。

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