「3つの異なる整数A,B,Cがある。AとBを掛けると-57、BとCを掛けると21、CとAを掛けると-133となる。A,B,Cを求めよ。」
このような問題はどのように解けばよいのでしょうか?
このような問題は約数を利用して解きます。
まずは式に直して整理します。
\begin{align*}\left\{\begin{aligned}AB&=-57&\cdots(1)\\[0.5em]BC&=21&\cdots(2)\\[0.5em]CA&=-133&\cdots(3)\end{aligned}\right.\\
ただしA\neq B&かつB\neq CかつC\neq A\\ A,B,C&:整数\end{align*}
最初に整数Aに着目します。
Aを因数にもつのは(1)と(3)であるから、-57と-133はAで割り切れます。これは-57と-133はともにAを約数にもつ、すなわちAは公約数ということです。
そこでAを求めるために最大公約数を求めます。これは最大公約数の約数は公約数になるため、それらがAの候補となるからです。
ユークリッドの互除法より
\begin{align*}-133\div\underline{(-57)}&=2\
余り\underline{19}\\[1em]\underline{-57}\div\underline{19}&=-3\end{align*}
-57と-133の最大公約数は19であるとわかります。
19は素数なので正の約数は1,19、負の約数は正の約数と絶対値が等しいので-57と21の公約数は\pm1,\pm19となります。
ここでA=\pm1のとき、B=\mp57,C=\mp133(複号同順)となりますが、(2)のBC=21にはなりません。このことからAの候補は\pm19に絞り込まれます。
A=-19のとき
(1)より
B=\frac{-57}{A}
なので
\begin{align*}B&=\frac{-57}{-19}\\[0.5em]&=3\end{align*}
(3)より
C=\frac{-133}{A}
なので
\begin{align*}C&=\frac{-133}{-19}\\[0.5em]&=7\end{align*}
となります。
これらを(2)に代入すると
3\times7=21
等式が成り立つのでA=-19,B=3,C=7が解となることがわかります。
A=19のとき
(1)より
\begin{align*}B&=\frac{-57}{19}\\[0.5em]&=-3\end{align*}
(3)より
\begin{align*}C&=\frac{-133}{19}\\[0.5em]&=-7\end{align*}
となります。
これらを(2)に代入すると
-3\times(-7)=21
等式が成り立つのでA=19,B=-3,C=-7も解となることがわかります。
以上より、解は
A=\pm19,B=\mp3,C=\mp7\tag{複号同順}
となります。
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