横画面推奨!
モバイル機器の場合、数式が見切れる場合があります。

2022年9月3日

解から2次方程式を求める

「次の解のみを持つ2次方程式を求めよ。

(1)$\large x=0,3$

(2)$\large x=\pm5$

(3)$\large x=2$

(4)$\large x=2-\sqrt{3},2+\sqrt{3}$

(5)$\large x=1+\sqrt{3},3-\sqrt{3}$」

このような問題はどのように解けばよいでしょうか?

 2次方程式を因数分解して$(x-a)(x-b)=0$となるとき、$x-a=0$または$x-b=0$であることから$x=a,b$と解を求めることができます。
このことを利用して解から2次方程式を求めることができます。

(1)$x=0,3$

 $x=0$または$x-3=0$であるということから
\[x(x-3)=0\]
という方程式になることがわかります。これを展開すると
\[x^2-3x=0\]
となります。

(2)$x=\pm5$

 (1)と同様にすれば、$x-(-5)=x+5=0$または$x-5=0$であるということから
\[(x+5)(x-5)=0\]
という方程式になることがわかります。これを展開すると
\[x^2-25=0\]
となります。

 $\pm$がつく解の場合はこのような解き方もあります。
両辺を2乗して
\begin{align*}x^2&=25\\ \\ x^2-25&=0\end{align*}
となります。


(3)$x=2$

 解が1つだけ(重解)のときはそのまま2乗してはいけません。移項してから2乗します。
\begin{align*}x-2&=0\\ \\ (x-2)^2&=0\\ \\ x^2-4x+4&=0\end{align*}
となります。

そのまま2乗してはいけないのは、$x=-2$をそのまま2乗したものと同じ形になる、すなわち(2)と同様に$x=\pm2$を解に持つ2次方程式を求めることになってしまうためです。


(4)$x=2-\sqrt{3},2+\sqrt{3}$

 これは2つの解をまとめて書くと$x=2\pm\sqrt{3}$となります。
(1)と同様に解くこともできますが、$\pm$がついているので(2)の2つ目の方法で解いてみます。

2乗する前に$\pm$がついているものだけ残るように移項します。
\begin{align*}x-2&=\pm\sqrt{3}\\ \\ (x-2)^2&=3\\ \\ x^2-4x+4&=3\\ \\ x^2-4x+1&=0\end{align*}
となります。


(5)$x=1+\sqrt{3},3-\sqrt{3}$

 (4)と似ていますが、こちらは整数の部分が違うので$\pm$を使ってまとめることはできません。
なので、(1)の方法で解きます。

$x-(1+\sqrt{3})=0$または$x-(3-\sqrt{3})=0$ということなので、
\[\left\{x-(1+\sqrt{3})\right\}\left\{x-(3-\sqrt{3})\right\}=0\]
という方程式になることがわかります。これを展開すると
\begin{align*}x^2-\left\{(1+\sqrt{3})+(3-\sqrt{3})\right\}x+(1+\sqrt{3})(3-\sqrt{3})&=0\\ \\ x^2-4x+2\sqrt{3}&=0\end{align*}
となります。


関連:2次方程式を解く(1)

Share:
◎Amazonのアソシエイトとして、当サイト「数学について考えてみる」は適格販売により収入を得ています。
Powered by Blogger.

Blog Archive

PR