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2022年9月9日

双曲線の接線の方程式

 双曲線$\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=1$上の点$(p,q)$における接線の方程式は
\[\large\frac{px}{a^2}-\frac{qy}{b^2}=1\]
となります。

なぜ、このような式で表されるのでしょうか?


 まずは双曲線の方程式を変形して$y$について解きます。ただし、$a,b>0$とします。
\begin{align*}\frac{y^2}{b^2}&=1+\frac{x^2}{a^2} \tag1\\[0.5em]y^2&=b^2\left(1+\frac{x^2}{a^2}\right)\\[0.5em]y&=\pm b\sqrt{1+\frac{x^2}{a^2}}\\[0.5em]&=\pm b\left(1+\frac{x^2}{a^2}\right)^\frac{1}{2}\end{align*}
となるので、
\[\left\{\begin{aligned}y<0&のとき\\ y&=-b\left(1+\dfrac{x^2}{a^2}\right)^\frac{1}{2}\\[1em]y\geqq0&のとき\\ y&=b\left(1+\dfrac{x^2}{a^2}\right)^\frac{1}{2}\end{aligned}\right.\]
のようにyの正の部分と負の部分で2つに分割することができます。
$x$で微分すると
\begin{align*}y'&=\pm b\left(1+\frac{x^2}{a^2}\right)'\cdot\frac{1}{2}\left(1+\frac{x^2}{a^2}\right)^{-\frac{1}{2}}\\[0.5em]&=\pm \frac{bx}{a^2}\left(1+\frac{x^2}{a^2}\right)^{-\frac{1}{2}}\\[0.5em]&=\pm\cfrac{bx}{a^2\sqrt{1+\cfrac{x^2}{a^2}}}\end{align*}
ここで、$(1)$より
\begin{align*}y'&=\pm\cfrac{bx}{a^2\sqrt{\cfrac{y^2}{b^2}}}\\[0.5em]&=\pm\cfrac{bx}{a^2\left|\cfrac{y}{b}\right|}\\[0.5em]&=\pm\frac{b^2x}{a^2|y|}\end{align*}
となり、$y$の範囲で場合分けすれば
\[\left\{\begin{aligned}y<0&のとき\\ y'&=-\dfrac{b^2x}{-a^2y}=\dfrac{b^2x}{a^2y}\\[1em]y\geqq0&のとき\\ y'&=\dfrac{b^2x}{a^2y}\end{aligned}\right.\]
$y$の範囲によらず$y'=\dfrac{b^2x}{a^2y}$で表されることがわかります。
 双曲線上の点$(p,q)$における接線の傾きは
\[y'(p,q)=\frac{b^2p}{a^2q}\]
なので、双曲線上の点$(p,q)$における接線の方程式は
\[y-q=\frac{b^2p}{a^2q}(x-p)\]
となります。これを変形すると
\begin{align*}(y-q)\cdot\frac{q}{b^2}&=\frac{b^2p}{a^2q}(x-p)\cdot\frac{q}{b^2}\\[0.5em]\frac{qy}{b^2}-\frac{q^2}{b^2}&=\frac{px}{a^2}-\frac{p^2}{a^2}\\[0.5em]\frac{px}{a^2}-\frac{qy}{b^2}&=\frac{p^2}{a^2}-\frac{q^2}{b^2}\\[0.5em]&=1\\ &\left(\because(p,q)は双曲線上の点なので\frac{p^2}{a^2}-\frac{q^2}{b^2}=1\right)\end{align*}
 したがって、双曲線$\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=1$上の点$(p,q)$における接線の方程式は
\[\large\frac{px}{a^2}-\frac{qy}{b^2}=1\]
で表されることがわかります。

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