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2022年9月18日

2つの定点からの距離の和が最小となるのはどこ?

  2つの定点からの距離の和が最小となる点はどこにあるのでしょうか?

 座標空間上に2つの定点$A(p,0,0),B(-p,0,0)$とそれ以外の点$P(x,y,z)$をおき、2つの定点から点$P$までの距離の和$AP+BP$が最小になる点の位置を調べてみます。

 点$P$が任意の位置にあるとき、$AP+BP$は
\[AP+BP=\sqrt{(x-p)^2+y^2+z^2}+\sqrt{(x+p)^2+y^2+z^2}\]
と表せます。

ここで、$y^2,z^2\geqq0$より
\begin{align*}&y^2+z^2\geqq y^2+0\geqq0+0=0\\ &\quadまたは\ y^2+z^2\geqq0+z^2\geqq0+0=0\end{align*}
であるから、$AP+BP$が最小であるには少なくとも$y^2=0,z^2=0$、すなわち$y=0,z=0$である必要があります。

 このことから
\[AP+BP=\sqrt{(x-p)^2}+\sqrt{(x+p)^2}=|x-p|+|x+p|\]
となります。
$x$の範囲で場合分けすると
\[\left\{\begin{align*}x<-p&のとき\\ AP+BP&=-(x-p)-(x+p)\\[0.5em]&=-2x\\[1.5em]-p\leqq x\leqq p&のとき\\ AP+BP&=-(x-p)+(x+p)\\[0.5em]&=2p\\[1.5em]x>p&のとき\\ AP+BP&=(x-p)+(x+p)\\[0.5em]&=2x\end{align*}\right.\]

関連:絶対値が2つある1次関数 

※こちらの場合分けの条件と少し違うのは$AP+BP=2p$となる場合とならない場合で分けているためです。 

ここで、場合分けの条件を変形して
\begin{align*}x<-pのとき\\ AP+BP&=-2x>2p\\[1.5em]x>pのとき\\ AP+BP&=2x>2p\end{align*}
であるから、$-p\leqq x\leqq p$のとき、すなわち線分$AB$上に点$P$があるとき2定点$A,B$からの距離の和が最小になることがわかります。
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