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2026年5月29日

互いに垂直な直線の方程式の係数の関係(直線の垂直条件)

直線の垂直条件
 互いに垂直な直線$a_1x+b_1y+c_1=0$と$a_2x+b_2y+c_2=0$について、
\[\large a_1a_2+b_1b_2=0\]
互いに垂直な直線を表す1次関数$y=d_1x+e_1$と$y=d_2x+e_2$について、
\[\large d_1d_2=-1\]
という関係が成り立ちます。

なぜこのようなことがいえるのでしょうか?


直線の方程式における係数の関係

 直線の方程式の一般形においては、直線の方向ベクトルを考えることで示すことができます。
まずは、改めてベクトルをもちいて直線の方程式を導出して、方向ベクトルと直線の方程式の係数の関係を明らかにします。
直線のベクトル方程式
 原点を基準とする位置ベクトル$(p, q)$で表される点を通り、零ベクトルでない位置ベクトル$(α, β)$と平行に伸びる直線上の任意の点$(x, y)$は
\[(x, y)=(p, q)+k(\alpha, \beta)\]
と表すことができます。このとき、直線の伸びる方向を決めるためのベクトル$(α, β)$が方向ベクトルです。
上記のベクトル方程式は変形すると
\begin{align*}(x, y)&=(p, q)+(k\alpha, k\beta)\\[0.5em]&=(p +k\alpha, q +k\beta)\end{align*}
となり、
\begin{cases}x=p +k\alpha&\cdots\text{(a)}\\[0.5em]y=q +k\beta&\cdots\text{(b)}\end{cases}
が成り立ちます。
$\text{(a)}$の両辺に$β$を掛けて変形すると
\[k\alpha\beta=\beta x-p\beta\]
$\text{(b)}$の両辺に$α$を掛けて変形すると
\[k\alpha\beta=\alpha y-q\alpha\]
となるので、
\begin{align*}\beta x-p\beta&=\alpha y-q\alpha\\[0.5em]\beta x-\alpha y +q\alpha-p\beta&=0\end{align*}
となり、直線の方程式を得ます。
上記の導出過程より、方向ベクトル$(α, β)$に対して$x, y$の係数がそれぞれ$β, -α$となることがわかります。
このことから、直線$a_1x+b_1y+c_1=0$と$a_2x+b_2y+c_2=0$それぞれの方向ベクトルは$(-b_1, a_1)$と$(-b_2, a_2)$であることがわかります。

 方向ベクトルは直線の伸びる方向を表しているので、互いに垂直な2直線の方向ベクトルもまた互いに垂直となります。
したがって、方向ベクトル$(-b_1, a_1)$と$(-b_2, a_2)$の内積について
\[(-b_1, a_1)\cdot(-b_2, a_2)=0\]
が成り立ちます。
そして、ベクトルの成分をもちいた内積の表示より
\begin{align*}(-b_1)(-b_2)+a_1a_2&=0\\[0.5em]\therefore a_1a_2+b_1b_2&=0\end{align*}
と書けます。
よって、互いに垂直な直線$a_1x+b_1y+c_1=0$と$a_2x+b_2y+c_2=0$について、
\begin{equation}\large a_1a_2+b_1b_2=0\end{equation}
が成り立つことがわかります。
例として、異なる2点$(a, b)$と$(c, d)$を通る直線$(b-d)x-(a-c)y +ad-bc=0$と$(a, b), (c, d)$を結ぶ線分の垂直二等分線$(a-c)x+(b-d)y-\dfrac{a^2+b^2-c^2-d^2}{2}=0$という互いに垂直であることが明らかな2本の直線の係数の関係を調べてみます。
$a_1=b-d, b_1=a-c,$ $a_2=a-c, b_2=-(b-d)$なので、
\begin{align*}a_1a_2+b_1b_2&=(b-d)(a-c)+(a-c)\bigl\{-(b-d)\bigr\}\\[0.5em]&=(a-c)(b-d)-(a-c)(b-d)=0\end{align*}
となり、$(1)$の関係を満たしていることがわかります。

1次関数における係数の関係

 2直線$a_1x+b_1y+c_1=0$と$a_2x+b_2y+c_2=0$において、$a_1, b_1, a_2, b_2\neq0$ならばそれぞれ1次関数に変形できます。
$a_1x+b_1y+c_1=0$は
\begin{align*}b_1y&=-a_1x-c_1\\[0.5em]y&=-\frac{a_1}{b_1}x-\frac{c_1}{b_1}\end{align*}
$a_2x+b_2y+c_2=0$は、同様にして
\[y=-\frac{a_2}{b_2}x-\frac{c_2}{b_2}\]
となります。
方向ベクトルと傾きに着目すると、方向ベクトル$(-b_1, a_1)$に対し傾きが$-\dfrac{a_1}{b_1}$のように、方向ベクトルの成分の比が1次関数の傾きとして現れることがわかります。
ここで、$(1)$の両辺を$b_1b_2$で割ると
\begin{align*}\frac{a_1a_2}{b_1b_2}+1&=0\\[0.5em]\frac{a_1a_2}{b_1b_2}&=-1\\[0.5em]\therefore\left(-\frac{a_1}{b_1}\right)\cdot\left(-\frac{a_2}{b_2}\right)&=-1\end{align*}
となります。
したがって、互いに垂直な直線を表す1次関数$y=d_1x+e_1$と$y=d_2x+e_2$について、
\[\large d_1d_2=-1\]
が成り立つことがわかります。

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