なぜこのように表すことができるのでしょうか?
2つの定点を結ぶ線分の垂直二等分線は、その性質から
2つの定点から等距離である点からなる直線
であるといえます。これを利用して導出します。
導出
2つの定点の座標を$(a, b), (c,
d)$とおき、この2点を結ぶ線分の垂直二等分線上の点を$(x, y)$とおくと
\begin{equation}\sqrt{(x-a)^2+(y-b)^2}=\sqrt{(x-c)^2+(y-d)^2}\end{equation}
が成り立ちます。
両辺はともに非負で、両辺を2乗すると
こうして得られた方程式$(2)$は直線の方程式で、後述の確認により2点$(a, b), (c, d)$を結ぶ線分の垂直二等分線の方程式であることがわかります。
\begin{align*}(x-a)^2+(y-b)^2&=(x-c)^2+(y-d)^2\\[0.5em]x^2-2ax+a^2+y^2-2by+b^2&=x^2-2cx+c^2+y^2-2dy+d^2\end{align*}\begin{align*}2(a-c)x+2(b-d)y-a^2-b^2+c^2+d^2&=0\\[0.5em](a-c)x+(b-d)y-\frac{a^2+b^2-c^2-d^2}{2}&=0\tag2\end{align*}
となります。こうして得られた方程式$(2)$は直線の方程式で、後述の確認により2点$(a, b), (c, d)$を結ぶ線分の垂直二等分線の方程式であることがわかります。
確認
方程式$(2)$が定義式$(1)$と同値であることは、導出過程がすべて同値変形であったことからわかります。
※両辺を2乗した部分についても、同値変形
$A, B≧0$のとき
をもちいています。
\[A=B\ \Leftrightarrow\ A^2=B^2\]
この同値性を別の視点からも、方程式$(2)$を満たす任意の点の座標より確認してみます。
方程式$(2)$をベクトル方程式に書き換えることで、$(2)$を満たす任意の点の座標を求めてみます。
$(2)$を満たす点を1つ求める
まずは$(2)$を満たす点を1つ求めます。
$(2)$を変形すると
すなわち、$(2)$を満たす点の1つに
ちなみに、この点は$(a, b), (c, d)$を結ぶ線分の中点を表します。
\begin{align*}(a-c)x+(b-d)y&=\frac{a^2+b^2-c^2-d^2}{2}\\[0.5em]&=\frac{a^2-c^2}{2}+\frac{b^2-d^2}{2}\\[0.5em]&=\frac{(a-c)(a
+c)}{2}+\frac{(b-d)(b +d)}{2}\\[0.5em]&=(a-c)\cdot\frac{a
+c}{2}+(b-d)\cdot\frac{b +d}{2}\end{align*}
となることより、これを満たす解の1つに
\[x=\frac{a +c}{2}, y=\frac{b +d}{2}\]
があることがわかります。すなわち、$(2)$を満たす点の1つに
\[\left(\frac{a +c}{2}, \frac{b +d}{2}\right)\]
があるということです。これは、同時にその点の位置ベクトルでもあります。
ちなみに、この点は$(a, b), (c, d)$を結ぶ線分の中点を表します。
$(2)$に平行な原点を通る直線の1点を求める
次に、$(2)$を満たす点$\left(\dfrac{a +c}{2}, \dfrac{b
+d}{2}\right)$が原点に移動するように平行移動することを考えます。
これは、$(2)$にx軸方向に$-\dfrac{a +c}{2}$、y軸方向に$-\dfrac{b
+d}{2}$だけ平行移動することであり、方程式上では$x$を$x+\dfrac{a
+c}{2}$に、$y$を$y+\dfrac{b +d}{2}$に置き換えることに対応するので、
\begin{align*}(a-c)\left(x+\frac{a +c}{2}\right)+(b-d)\left(y+\frac{b
+d}{2}\right)-\frac{a^2+b^2-c^2-d^2}{2}&=0\\[0.5em](a-c)x+\frac{a^2-c^2}{2}+(b-d)y+\frac{b^2-d^2}{2}-\frac{a^2+b^2-c^2-d^2}{2}&=0\\[0.5em](a-c)x+(b-d)y&=0\end{align*}
となり、この平行移動後の方程式を満たす原点$(0, 0)$以外の点の1つに
\[\bigl(b-d, -(a-c)\bigr)=(b-d, c-a)\]
があることがわかります。これは、同時にその点の位置ベクトルでもあります。
$(2)$は直線を表すので平行移動後の方程式も直線を表し、かつ$(2)$に平行です。
また、原点を通る直線において、原点以外の点の位置ベクトルはその直線の方向ベクトルとなります。
したがって、位置ベクトル$(b-d, c-a)$は平行移動後の方程式が表す直線の方向ベクトルであり、これに平行な$(2)$の表す直線の方向ベクトルでもあります。
以上より、$(2)$はベクトル方程式で
これは、方程式$(2)$を満たす任意の点の座標を表します。
\[(x, y)=\left(\frac{a +c}{2}, \frac{b +d}{2}\right)+k(b-d,
c-a)\quad(k:実数)\]
と書くことができ、これを変形すると
\begin{align*}(x, y)&=\left(\frac{a +c}{2}, \frac{b
+d}{2}\right)+\bigl(k(b-d), k(c-a)\bigr)\\[0.5em]&=\left(\frac{a
+c}{2}+k(b-d), \frac{b +d}{2}+k(c-a)\right)\end{align*}
となり、
\begin{cases}x=\dfrac{a +c}{2}+k(b-d)\\[0.5em]y=\dfrac{b
+d}{2}+k(c-a)\end{cases}
が成り立つことがわかります。これは、方程式$(2)$を満たす任意の点の座標を表します。
これを定義式$(1)$に代入すると、
左辺は
左辺は
\begin{align*}(左辺)&=\sqrt{\left\{\frac{a
+c}{2}+k(b-d)-a\right\}^2+\left\{\frac{b
+d}{2}+k(c-a)-b\right\}^2}\\[0.5em]&=\sqrt{\left\{\frac{-a
+c}{2}+k(b-d)\right\}^2+\left\{\frac{-b
+d}{2}+k(c-a)\right\}^2}\\[0.5em]&=\sqrt{\left\{\frac{c-a}{2}+k(b-d)\right\}^2+\left\{-\frac{b-d}{2}+k(c-a)\right\}^2}\\[0.5em]&=\sqrt{\frac{(c-a)^2}{4}+k(c-a)(b-d)+k^2(b-d)^2+\frac{(b-d)^2}{4}-k(c-a)(b-d)+k^2(c-a)^2}\\[0.5em]&=\sqrt{\frac{(c-a)^2+(b-d)^2}{4}+k^2\bigl\{(c-a)^2+(b-d)^2\bigr\}}\end{align*}
右辺は
\begin{align*}(右辺)&=\sqrt{\left\{\frac{a
+c}{2}+k(b-d)-c\right\}^2+\left\{\frac{b
+d}{2}+k(c-a)-d\right\}^2}\\[0.5em]&=\sqrt{\left\{\frac{a-c}{2}+k(b-d)\right\}^2+\left\{\frac{b-d}{2}+k(c-a)\right\}^2}\\[0.5em]&=\sqrt{\left\{-\frac{c-a}{2}+k(b-d)\right\}^2+\left\{\frac{b-d}{2}+k(c-a)\right\}^2}\\[0.5em]&=\sqrt{\frac{(c-a)^2+(b-d)^2}{4}+k^2\bigl\{(c-a)^2+(b-d)^2\bigr\}}=(左辺)\end{align*}
となって$(1)$が成り立つため、$(2)$を満たす点はすべて$(1)$も満たすことがわかります。
したがって、方程式$(2)$と定義式$(1)$は同値であることがわかります。
ちなみに、$(1)$は変形すると
\[\sqrt{(x-a)^2+(y-b)^2}:\sqrt{(x-c)^2+(y-d)^2}=1:1\]
や
\[\sqrt{(x-a)^2+(y-b)^2}-\sqrt{(x-c)^2+(y-d)^2}=0\]
とも書くことができます。
前者はアポロニウスの円の定義で含まれなかった2定点からの距離の比が$1:1$の場合を表し、後者は双曲線の定義で含まれなかった2定点からの距離の差が$0$の場合を表します。
そういった視点で考えると、2定点を結ぶ線分の垂直二等分線とは、アポロニウスの円や双曲線を定義する条件の特殊な場合に現れる図形であると考えることができます。
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