中心が原点、2つの焦点がともにx軸上にある双曲線は
\[\large\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}=1\quad(a, b>0)\]
中心が原点、2つの焦点がともにy軸上にある双曲線は
\[\large\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}=-1\quad(a, b>0)\]
という方程式で表されます。これら双曲線の方程式のことを
標準形といいます。
(ここでの双曲線とは、共通の焦点により得られる2つの双曲線両方を指します。)
また、
| 2つの焦点がともにx軸上にあるとき |
| 頂点間の距離 |
$2a$ |
| 焦点の座標 |
$(\pm\sqrt{a^2+b^2}, 0)$ |
| 漸近線 |
$y=\pm\dfrac{b}{a}x$ |
| 2つの焦点がともにy軸上にあるとき |
| 頂点間の距離 |
$2b$ |
| 焦点の座標 |
$(0, \pm\sqrt{a^2+b^2})$ |
| 漸近線 |
$y=\pm\dfrac{b}{a}x$ |
となります。
なぜこのように表されるのでしょうか?
双曲線の方程式(標準形)の導出
双曲線の定義は
2つの焦点からの距離の差が一定である点からなる曲線
あるいは
2つの焦点からの距離の差が一定である点の動く軌跡
です。この定義に従って方程式を導くことができます。
2つの焦点がともにx軸上にある場合
双曲線の中心が原点にあり、かつ2つの焦点がともにx軸上にあるということは、双曲線の中心は2つの焦点を結ぶ線分の中点でもあることから、焦点の座標は$F_1(-f,
0), F_2(f, 0)$(ただし、$f>0$)とおけます。
焦点からの距離の差は$2a$とします。ただし、$a$は正の実数です。
また、2つの焦点間の距離より小さくなければならないので$0<2a<2f$、すなわち$0<a<f$です。
双曲線の定義を満たす点の座標を$P(x, y)$とすると
\[\left|\sqrt{\bigl\{x-(-f)\bigr\}^2+y^2}-\sqrt{(x-f)^2+y^2}\right|=2a\]
が成り立ちます。これは
\begin{cases}\sqrt{\bigl\{x-(-f)\bigr\}^2+(y-0)^2}-\sqrt{(x-f)^2+(y-0)^2}=2a\\[0.5em]\sqrt{(x-f)^2+(y-0)^2}-\sqrt{\bigl\{x-(-f)\bigr\}^2+(y-0)^2}=2a\end{cases}
という2つの双曲線をまとめて表したものです。
整理すると
\begin{equation}\left|\sqrt{(x
+f)^2+y^2}-\sqrt{(x-f)^2+y^2}\right|=2a\end{equation}
となります。
ただし、$(1)$の左辺は$x=0$のとき$0$となって等式が成り立たなくなるので、$(1)$が成り立つ条件は$x\neq0$です。
$PF_1$と$PF_2$の大小関係で場合分けすることで、双曲線を1本ずつに分けて考えます。
$PF_1>PF_2$のとき
$PF_1>PF_2$なので、絶対値記号が外れると
\begin{equation}\sqrt{(x
+f)^2+y^2}-\sqrt{(x-f)^2+y^2}=2a\end{equation}
となります。
ここで、$(2)$になる条件について考えます。
$PF_1>PF_2$すなわち
\[\sqrt{(x +f)^2+y^2}>\sqrt{(x-f)^2+y^2}\]
は、両辺がともに非負なので
\[(x +f)^2+y^2>(x-f)^2+y^2\]
となります。
これを整理すると
\[4fx>0\]
すなわち$f>0$より
\[x>0\]
となります。
したがって、$x$が正のとき$(2)$になります。
移項すると
\[\sqrt{(x +f)^2+y^2}=2a+\sqrt{(x-f)^2+y^2}\]
両辺はともに非負で、両辺を2乗すると
\begin{align*}(x
+f)^2+y^2&=4a^2+(x-f)^2+y^2+4a\sqrt{(x-f)^2+y^2}\\[0.5em]x^2+2fx+f^2+y^2&=4a^2+x^2-2fx+f^2+y^2+4a\sqrt{(x-f)^2+y^2}\\[0.5em]4a\sqrt{(x-f)^2+y^2}&=4fx-4a^2\\[0.5em]a\sqrt{(x-f)^2+y^2}&=fx-a^2\end{align*}
さらに両辺を2乗すると
\begin{align*}a^2\bigl\{(x-f)^2+y^2\bigr\}&=f^2x^2-2a^2fx+a^4\\[0.5em]a^2x^2-2a^2fx+a^2f^2+a^2y^2&=f^2x^2-2a^2fx+a^4\\[0.5em](a^2-f^2)x^2+a^2y^2&=a^4-a^2f^2\\[0.5em]&=a^2(a^2-f^2)\\[0.5em]-(a^2-f^2)x^2-a^2y^2&=-a^2(a^2-f^2)\\[0.5em](f^2-a^2)x^2-a^2y^2&=a^2(f^2-a^2)\end{align*}
となります。
ここで距離条件$0<a<f$より
\[a^2<f^2\]
となり、移項して
\[f^2-a^2>0\]
となります。
この正の実数$f^2-a^2$を$b^2$(ただし、$b>0$)とおくと
\[b^2x^2-a^2y^2=a^2b^2\]
両辺を$a^2b^2$で割ると
\[\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}=1\]
となります。
ただし、$(2)$となる条件がついているので、これもあわせて書けば
\begin{equation}\large\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}=1\quad(x>0)\end{equation}
となります。
後述の十分性の確認により、この方程式は双曲線の定義式の一部$(2)$と同値であるとわかります。
$PF_1<PF_2$のとき
$PF_1<PF_2$なので、絶対値記号が外れると
\begin{equation}\sqrt{(x-f)^2+y^2}-\sqrt{(x
+f)^2+y^2}=2a\end{equation}
となります。
ここで、$(4)$になる条件について考えます。
$PF_1<PF_2$すなわち
\[\sqrt{(x +f)^2+y^2}<\sqrt{(x-f)^2+y^2}\]
は、両辺がともに非負なので
\[(x +f)^2+y^2<(x-f)^2+y^2\]
となります。
したがって、$x$が負のとき$(4)$になります。
移項すると
\[\sqrt{(x-f)^2+y^2}=2a+\sqrt{(x +f)^2+y^2}\]
両辺はともに非負で、両辺を2乗すると
\begin{align*}(x-f)^2+y^2&=4a^2+(x +f)^2+y^2+4a\sqrt{(x
+f)^2+y^2}\\[0.5em]a\sqrt{(x +f)^2+y^2}&=-fx-a^2\end{align*}
さらに両辺を2乗すると
\begin{align*}a^2\bigl\{(x
+f)^2+y^2\bigr\}&=f^2x^2+2a^2fx+a^4\\[0.5em](a^2-f^2)x^2+a^2y^2&=a^2(a^2-f^2)\\[0.5em](f^2-a^2)x^2-a^2y^2&=a^2(f^2-a^2)\end{align*}
ここで距離条件$0<a<f$より
\[f^2-a^2>0\]
となります。
この正の実数$f^2-a^2$を$b^2$(ただし、$b>0$)とおくと
\[b^2x^2-a^2y^2=a^2b^2\]
両辺を$a^2b^2$で割ると
\[\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}=1\]
となります。
ただし、$(4)$となる条件がついているので、これもあわせて書けば
\[\large\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}=1\quad(x<0)\]
となります。
後述と同様の十分性の確認により、この方程式は双曲線の定義式の一部$(4)$と同値であるとわかります。
以上より、
\begin{align*}&\left|\sqrt{(x
+f)^2+y^2}-\sqrt{(x-f)^2+y^2}\right|=2a\quad(x\neq0)\\[0.5em]\Leftrightarrow&\begin{cases}\sqrt{(x
+f)^2+y^2}-\sqrt{(x-f)^2+y^2}=2a&(x>0)\\[0.5em]\sqrt{(x-f)^2+y^2}-\sqrt{(x
+f)^2+y^2}=2a&(x<0)\end{cases}\\[0.5em]\Leftrightarrow&\begin{cases}\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=1&(x>0)\\[0.5em]\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=1&(x<0)\end{cases}\\[0.5em]\Leftrightarrow&\
\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}=1\quad(x\neq0)\end{align*}
となることがわかります。
では、$\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=1$
$(x\neq0)$と$\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=1$は同値でしょうか?
$\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=1$に$x=0$を代入すると
\[-\frac{y^2}{b^2}=1\]
となります。
$y$は実数、$b$は正の実数なので、$-\dfrac{y^2}{b^2}$は$0$以下の実数であり、上式は成り立たない等式です。
したがって、$\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=1$は$x=0$において元々成り立たないので、$\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=1$
$(x\neq0)$と$\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=1$は同値であることがわかります。
すなわち、
\[\large\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}=1\tag{I}\]
は双曲線の定義式$(1)$と同値で、この方程式は中心が原点、焦点がともにx軸上にある双曲線を表します。
2つの頂点間の距離
焦点がともにx軸上にあるということは主軸はx軸ということです。
すなわち、頂点のy座標は$0$なので、$\text{(I)}$に$y=0$を代入すると
\begin{align*}\frac{x^2}{a^2}-\frac{0^2}{b^2}&=1\\[0.5em]\frac{x^2}{a^2}&=1\\[0.5em]x^2&=a^2\\[0.5em]x&=\pm
a\end{align*}
となり、頂点の座標は$(\pm a, 0)$であることがわかります。
したがって、2つの頂点間の距離は$2a$です。
焦点の座標
導出過程で現れた$b^2=f^2-a^2$を$f$について解くと
\begin{align*}f^2&=a^2+b^2\\[0.5em]f&=\sqrt{a^2+b^2}&(\because
f>0)\end{align*}
となります。
したがって、焦点の座標は$a, b$をもちいて表すと$(\pm\sqrt{a^2+b^2},
0)$となることがわかります。
漸近線
双曲線は頂点から離れるほど直線に近づいていきます。これは極限を考えることでわかります。
まず、$\text{(I)}$を$y$について解くと
\begin{align*}-\frac{y^2}{b^2}&=1-\frac{x^2}{a^2}\\[0.5em]y^2&=b^2\left(\frac{x^2}{a^2}-1\right)\\[0.5em]y&=\pm
b\sqrt{\frac{x^2}{a^2}-1}\end{align*}
となり、これの定義域は$x≦-a$または$a≦x$なので、$\dfrac{x^2}{a^2}-1≧0$となるため
\begin{align*}y&=\pm
b\sqrt{\frac{x^2}{a^2}\left(1-\frac{a^2}{x^2}\right)}\\[0.5em]&=\pm
b\cdot\left|\frac{x}{a}\right|\sqrt{1-\frac{a^2}{x^2}}\\[0.5em]\therefore
y&=\pm\frac{b}{a}|x|\sqrt{1-\frac{a^2}{x^2}}&(\because
a>0)\end{align*}
と変形できます。
これの$x\to\infty$のときを考えると、$\dfrac{a^2}{x^2}\to0$となるため$\dfrac{a^2}{x^2}$の$y$の値に与える影響が限りなく小さくなることがわかります。
したがって、$\dfrac{a^2}{x^2}$を省き$\dfrac{a^2}{x^2}$の影響を無視した近似式が、$x$を限りなく大きくしたときに双曲線が近似していく対象となります。
これを求めると$x\to\infty$のときは$x>0$であるので
\begin{align*}y&=\pm\frac{b}{a}x\sqrt{1}\\[0.5em]\therefore
y&=\pm\frac{b}{a}x\end{align*}
となり、$x>0$側において$\text{(I)}$は頂点から離れるほど直線$y=\pm\dfrac{b}{a}x$に限りなく近づくことがわかります。
同様にして、$x<0$側においても$\text{(I)}$は頂点から離れるほど直線$y=\pm\dfrac{b}{a}x$に限りなく近づきます。
以上より、双曲線$\text{(I)}$は頂点から離れるほど直線$y=\pm\dfrac{b}{a}x$に限りなく近づきます。
このようにある方向へ進んだときに曲線が完全に一致することはないが、限りなく近づいていく直線のことを漸近線といいます。
以上をまとめると次のようになります。
中心が原点、焦点がともにx軸上にある双曲線の方程式
\[\large\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}=1\]
| 頂点間の距離 |
$2a$ |
| 焦点の座標 |
$(\pm\sqrt{a^2+b^2}, 0)$ |
| 漸近線 |
$y=\pm\dfrac{b}{a}x$ |
2つの焦点がともにy軸上にある場合
双曲線の中心が原点にあり、かつ2つの焦点がともにy軸上にあるということは、双曲線の中心は2つの焦点を結ぶ線分の中点でもあることから、焦点の座標は$F_1(0,
-f), F_2(0, f)$(ただし、$f>0$)とおけます。
焦点からの距離の差は$2b$とします。ただし、$b$は正の実数です。
また、2つの焦点間の距離より小さくなければならないので$0<2b<2f$、すなわち$0<b<f$です。
双曲線の定義を満たす点の座標を$P(x, y)$とすると
\[\left|\sqrt{(x-0)^2+\bigl\{y-(-f)\bigr\}^2}-\sqrt{(x-0)^2+(y-f)^2}\right|=2b\]
が成り立ちます。
整理すると
\begin{equation}\left|\sqrt{x^2+(y
+f)^2}-\sqrt{x^2+(y-f)^2}\right|=2b\end{equation}
となります。
ただし、$(5)$の左辺は$y=0$のとき$0$となって等式が成り立たなくなるので、$(5)$が成り立つ条件は$y\neq0$です。
$PF_1$と$PF_2$の大小関係で場合分けして考えます。
$PF_1>PF_2$のとき
$PF_1>PF_2$なので、絶対値記号が外れると
\begin{equation}\sqrt{x^2+(y
+f)^2}-\sqrt{x^2+(y-f)^2}=2b\end{equation}
となります。
ここで、$(6)$になる条件について考えます。
$PF_1>PF_2$、すなわち
\[\sqrt{x^2+(y +f)^2}>\sqrt{x^2+(y-f)^2}\]
は、両辺がともに非負なので
\[x^2+(y +f)^2>x^2+(y-f)^2\]
となります。
これを整理すると
\[4fy>0\]
すなわち$f>0$より
\[y>0\]
となります。
したがって、$y$が正のとき$(6)$になります。
移項すると
\[\sqrt{x^2+(y +f)^2}=2b+\sqrt{x^2+(y-f)^2}\]
両辺はともに非負で、両辺を2乗すると
\begin{align*}x^2+(y
+f)^2&=4b^2+x^2+(y-f)^2+4b\sqrt{x^2+(y-f)^2}\\[0.5em]4b\sqrt{x^2+(y-f)^2}&=4fy-4b^2\\[0.5em]b\sqrt{x^2+(y-f)^2}&=fy-b^2\end{align*}
さらに両辺を2乗すると
\begin{align*}b^2\bigl\{x^2+(y-f)^2\bigr\}&=f^2y^2-2b^2fy+b^4\\[0.5em]b^2x^2+b^2y^2-2b^2fy+b^2f^2&=f^2y^2-2b^2fy+b^4\\[0.5em]b^2x^2+(b^2-f^2)y^2&=b^4-b^2f^2\\[0.5em]&=b^2(b^2-f^2)\\[0.5em]b^2x^2-(f^2-b^2)y^2&=-b^2(f^2-b^2)\end{align*}
となります。
ここで距離条件$0<b<f$より
\[b^2<f^2\]
となり、移項して
\[f^2-b^2>0\]
となります。
この正の実数$f^2-b^2$を$a^2$(ただし、$a>0$)とおくと
\[b^2x^2-a^2y^2=-b^2a^2\]
両辺を$b^2a^2$で割ると
\[\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}=-1\]
となります。
ただし、$(6)$となる条件が付いているので、これもあわせて書けば
\[\large\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}=-1\quad(y>0)\]
となります。
後述と同様の十分性の確認により、この方程式は双曲線の定義式の一部$(6)$と同値であるとわかります。
$PF_1<PF_2$のとき
$PF_1<PF_2$なので、絶対値記号が外れると
\begin{equation}\sqrt{x^2+(y-f)^2}-\sqrt{x^2+(y
+f)^2}=2b\end{equation}
となります。
ここで、$(7)$になる条件について考えます。
$PF_1<PF_2$、すなわち
\[\sqrt{x^2+(y +f)^2}<\sqrt{x^2+(y-f)^2}\]
は、両辺がともに非負なので
\[x^2+(y +f)^2<x^2+(y-f)^2\]
となります。
したがって、$y$が負のとき$(7)$になります。
移項すると
\[\sqrt{x^2+(y-f)^2}=2b+\sqrt{x^2+(y +f)^2}\]
両辺はともに非負で、両辺を2乗すると
\begin{align*}x^2+(y-f)^2&=4b^2+x^2+(y +f)^2+4b\sqrt{x^2+(y
+f)^2}\\[0.5em]b\sqrt{x^2+(y +f)^2}&=-fy-b^2\end{align*}
さらに両辺を2乗すると
\begin{align*}b^2\bigl\{x^2+(y
+f)^2\bigr\}&=f^2y^2+2b^2fy+b^4\\[0.5em]b^2x^2-(f^2-b^2)y^2&=-b^2(f^2-b^2)\end{align*}
となります。
ここで距離条件$0<b<f$より
\[f^2-b^2>0\]
となります。
この正の実数$f^2-b^2$を$a^2$(ただし、$a>0$)とおくと
\[b^2x^2-a^2y^2=-b^2a^2\]
両辺を$b^2a^2$で割ると
\[\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}=-1\]
となります。
ただし、$(7)$となる条件が付いているので、これもあわせて書けば
\[\large\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}=-1\quad(y<0)\]
となります。
後述と同様の十分性の確認により、この方程式は双曲線の定義式の一部$(7)$と同値であるとわかります。
以上より、
\begin{align*}&\left|\sqrt{x^2+(y
+f)^2}-\sqrt{x^2+(y-f)^2}\right|=2b\quad(y\neq0)\\[0.5em]\Leftrightarrow&\begin{cases}\sqrt{x^2+(y
+f)^2}-\sqrt{x^2+(y-f)^2}=2b&(y>0)\\[0.5em]\sqrt{x^2+(y-f)^2}-\sqrt{x^2+(y
+f)^2}=2b&(y<0)\end{cases}\\[0.5em]\Leftrightarrow&\begin{cases}\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=-1&(y>0)\\[0.5em]\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=-1&(y<0)\end{cases}\\[0.5em]\Leftrightarrow&\
\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}=-1\quad(y\neq0)\end{align*}
となることがわかります。
では、$\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=-1$
$(y\neq0)$と$\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=-1$は同値でしょうか?
$\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=-1$に$y=0$を代入すると
\[\frac{x^2}{a^2}=-1\]
となります。
$x$は実数、$a$は正の実数なので、$\dfrac{x^2}{a^2}$は$0$以上の実数であり、上式は成り立たない等式です。
したがって、$y=0$において$\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=-1$を満たす点はなく、$\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=-1$
$(y\neq0)$と$\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=-1$は完全に一致することから、同値であることがわかります。
すなわち、
\[\large\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}=-1\tag{II}\]
は双曲線の定義式$(5)$と同値で、この方程式は中心が原点、焦点がともにy軸上にある双曲線を表します。
ちなみに、この方程式$\text{(II)}$は両辺に$-1$を掛け、整理した形である
\[\frac{y^2}{b^2}-\frac{x^2}{a^2}=1\]
という表記をする場合もあります。
2つの頂点間の距離
焦点がともにy軸上にあるということは、これらを通る主軸はy軸になります。
すなわち、頂点のx座標は$0$なので、$\text{(II)}$に$x=0$を代入すると
\begin{align*}\frac{0^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}&=-1\\[0.5em]-\frac{y^2}{b^2}&=-1\\[0.5em]y^2&=b^2\\[0.5em]y&=\pm
b\end{align*}
となり、頂点の座標は$(0, \pm b)$であることがわかります。
したがって、2つの頂点間の距離は$2b$です。
焦点の座標
導出過程で現れた$a^2=f^2-b^2$を$f$について解くと
\begin{align*}f^2&=a^2+b^2\\[0.5em]f&=\sqrt{a^2+b^2}&(\because
f>0)\end{align*}
となります。
したがって、焦点の座標は$a, b$をもちいて表すと$(0,
\pm\sqrt{a^2+b^2})$となることがわかります。
漸近線
$\text{(II)}$を$y$について解くと
\begin{align*}-\frac{y^2}{b^2}&=-1-\frac{x^2}{a^2}\\[0.5em]y^2&=b^2\left(1+\frac{x^2}{a^2}\right)\\[0.5em]y&=\pm
b\sqrt{1+\frac{x^2}{a^2}}\end{align*}
となり、漸近線を求めるにあたり$x\to\pm\infty$のときを考えるので$x\neq0$としてもよく
\begin{align*}y&=\pm
b\sqrt{\frac{x^2}{a^2}\left(1+\frac{a^2}{x^2}\right)}\\[0.5em]y&=\pm
\frac{b}{a}|x|\sqrt{1+\frac{a^2}{x^2}}&(\because
a>0)\end{align*}
と変形できます。
$x\to\infty$のときを考えると$\dfrac{a^2}{x^2}\to0$となるため、$\dfrac{a^2}{x^2}$の$y$の値に与える影響が限りなく小さくなることがわかります。
したがって、$x\to\infty$のときは$x>0$であるので、$x>0$側における漸近線は
\begin{align*}y&=\pm\frac{b}{a}x\sqrt{1}\\[0.5em]\therefore
y&=\pm\frac{b}{a}x\end{align*}
となります。
同様にして、$x<0$側においても漸近線は$y=\pm\dfrac{b}{a}x$となります。
以上より、双曲線$\text{(II)}$の漸近線は$y=\pm\dfrac{b}{a}x$であることがわかります。
以上をまとめると次のようになります。
中心が原点、焦点がともにy軸上にある双曲線の方程式
\[\large\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}=-1\]
| 頂点間の距離 |
$2b$ |
| 焦点の座標 |
$(0, \pm\sqrt{a^2+b^2})$ |
| 漸近線 |
$y=\pm\dfrac{b}{a}x$ |
十分性の確認
焦点がともにx軸上にある場合で最終的に得られた方程式$(3)$、すなわち
\[\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}=1\quad(x>0)\]
は、双曲線の定義式の一部$(2)$、すなわち
\[\sqrt{(x +f)^2+y^2}-\sqrt{(x-f)^2+y^2}=2a\quad(x>0)\]
と同値なのでしょうか?
双曲線の定義式の一部$(2)$から方程式$(3)$が得られるという必要性は確認できたので、方程式$(3)$を導出過程と逆の操作で変形していって$(2)$のみが得られるという十分性を確認します。
導出過程において、両辺を2乗した部分以外は同値変形を行っているので、それらの部分についてはすでに十分性は確認できています。
したがって、両辺を2乗した部分で同値変形が行われたのかが重要となります。
一般に、
$A, B≧0$のとき
\[A=B\ \Leftrightarrow\ A^2=B^2\]
が成り立ちます。
導出過程の1回目の両辺を2乗する部分では、直前の両辺がともに非負であることがわかっているので、上の同値変形を行っていることがわかります。
よって、$(3)$より導出過程の2回目の2乗する前の両辺がともに非負であることを示せれば、両辺を2乗した部分も同値変形であり、十分性を確認できます。
準備
まず、十分性を確認するために利用する道具をそろえます。
方程式$(3)$を$y^2$について解くと
\begin{align*}-\frac{y^2}{b^2}&=1-\frac{x^2}{a^2}\\[0.5em]y^2&=b^2\left(\frac{x^2}{a^2}-1\right)\end{align*}
となります。
$y^2≧0$より右辺も$0$以上であり、これを満たす$x$の変域は
\[x\leqq -a\text{または}a\leqq x\]
です。
ここで、$(3)$の$x$の変域は$x>0$であったので、共通範囲より
\begin{equation}x\geqq a\end{equation}
となります。
$b^2=f^2-a^2$となるような正の実数$f$を考えます。
このとき、$b^2>0$より$f^2>a^2$であり、$a,
f>0$より
\begin{equation}0<a<f\end{equation}
となります。
十分性の確認
\[a\sqrt{(x-f)^2+y^2}=fx-a^2\]
の両辺がともに非負であることを確かめます。
左辺を調べます。
$f, x,
y$は実数なので、$(x-f)^2+y^2$は非負の実数、その平方根$\sqrt{(x-f)^2+y^2}$もまた非負の実数となります。
そして$a$は正の実数なので、左辺$a\sqrt{(x-f)^2+y^2}$は非負であることがわかります。
右辺を調べます。
$(8)$の両辺に$f$を掛けると、$f>0$なので
\[fx\geqq af\tag{10}\]
となります。
また、$(9)$の各辺に$a$を掛けると、$a>0$なので
\[0<a^2<af\tag{11}\]
となります。
$(10), (11)$より
\begin{align*}&0<a^2<af\leqq
fx\\[0.5em]\Leftrightarrow&\
a^2<fx\\[0.5em]\Leftrightarrow&\ fx-a^2>0\end{align*}
となり、右辺$fx-a^2$は非負であることがわかります。
したがって、
\[a\sqrt{(x-f)^2+y^2}=fx-a^2\]
の両辺はともに非負であることがわかったので、この部分の十分性を確認できました。
以上より、導出過程のすべての変形が同値変形であることがわかったので、双曲線の定義式の一部$(2)$と方程式$(3)$は同値、すなわち
\[\frac{x^2}{a^2}-\frac{y^2}{b^2}=1\quad(x>0)\]
は確かに領域$x>0$内の双曲線の方程式であることがわかりました。
他の導出部分においても同様の方法で十分性を確認できます。
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https://p-suugaku.blogspot.com/2026/05/soukyokusen-houteishiki-hyoujun.html双曲線の方程式(標準形)