1次関数$y=a_1x+b_1$と$y=a_2x+b_2$(ただし、$a_1, a_2\neq0$かつ$a_1\neq
a_2$)のグラフが直交するための必要十分条件は
\[\large a_1a_2=-1\]
です。
このことを3通りの方法で導いてみます。
準備
1次関数$y=a_1x+b_1$と$y=a_2x+b_2$の交点を$\text{P}(p, q)$とおきます。
すなわち、
すなわち、
\begin{cases}q=a_1p+b_1\\[0.5em]q=a_2p+b_2\end{cases}
が成り立つということです。
$y=a_1x+b_1$において、$x=p+1$のとき
\begin{align*}y&=a_1(p+1)+b_1\\[0.5em]&=a_1p+a_1+b_1\\[0.5em]&=(a_1p+b_1)+a_1\\[0.5em]&=q+a_1\end{align*}
をとるので、グラフは$(p+1,
q+a_1)$を通ることがわかります。この点を$\text{A}$とおきます。
$y=a_2x+b_2$においても同様に考えて、グラフは$(p+1,
q+a_2)$を通ることがわかり、この点を$\text{B}$とおきます。
1. 三平方の定理を利用
1次関数$y=a_1x+b_1$と$y=a_2x+b_2$のグラフ上の点から$\text{P}, \text{A},
\text{B}$をとります。
すると、これら3点を結ぶと$△\text{PAB}$ができます。
すると、これら3点を結ぶと$△\text{PAB}$ができます。
それぞれの辺の長さの2乗を求めると
\begin{align*}\text{PA}^2&=\bigl\{(p+1)-p\bigr\}^2+\bigl\{(q+a_1)-q\bigr\}^2\\[0.5em]&=1+{a_1}^2\\[1em]\text{PB}^2&=\bigl\{(p+1)-p\bigr\}^2+\bigl\{(q+a_2)-q\bigr\}^2\\[0.5em]&=1+{a_2}^2\\[1em]\text{AB}^2&=\bigl\{(p+1)-(p+1)\bigr\}^2+\bigl\{(q+a_2)-(q+a_1)\bigr\}^2\\[0.5em]&=(a_2-a_1)^2\\[0.5em]&={a_2}^2-2a_1a_2+{a_1}^2\end{align*}
となります。
$y=a_1x+b_1$と$y=a_2x+b_2$のグラフが直交するならば、$△\text{PAB}$は$∠\text{APB}=90°$である直角三角形となるので、三平方の定理より
\[\text{PA}^2+\text{PB}^2=\text{AB}^2\]
が成り立ちます。
それぞれの辺の長さの2乗の値を代入して整理すると
\begin{align*}\bigl(1+{a_1}^2\bigr)+\bigl(1+{a_2}^2\bigr)&={a_2}^2-2a_1a_2+{a_1}^2\\[0.5em]2&=-2a_1a_2\\[0.5em]\therefore
a_1a_2&=-1\end{align*}
となることがわかります。
したがって、1次関数$y=a_1x+b_1$と$y=a_2x+b_2$のグラフが直交するとき、
\[\large a_1a_2=-1\]
が成り立つことがわかります。
次は、逆に$a_1a_2=-1$が成り立つとき、1次関数$y=a_1x+b_1$と$y=a_2x+b_2$のグラフは直交することを確かめます。
辺$\text{AB}$の長さの2乗は、$a_1a_2=-1$より
\begin{align*}\text{AB}^2&={a_2}^2-2\cdot(-1)+{a_1}^2\\[0.5em]&={a_2}^2+2+{a_1}^2\\[0.5em]&=\bigl(1+{a_1}^2\bigr)+\bigl(1+{a_2}^2\bigr)\\[0.5em]\therefore
\text{AB}^2&=\text{PA}^2+\text{PB}^2\end{align*}
と書くことができます。
三平方の定理の逆より、$△\text{PAB}$は$∠\text{APB}=90°$である直角三角形であることがわかります。
これはすなわち、$y=a_1x+b_1$と$y=a_2x+b_2$のグラフは直交するということです。
これはすなわち、$y=a_1x+b_1$と$y=a_2x+b_2$のグラフは直交するということです。
以上より、1次関数$y=a_1x+b_1$と$y=a_2x+b_2$のグラフが直交することと$a_1a_2=-1$であることは同値であることがわかります。
2. ベクトルを利用
1次関数$y=a_1x+b_1$と$y=a_2x+b_2$のグラフ上の点から$\text{P}, \text{A},
\text{B}$をとります。
すると、$y=a_1x+b_1$と$y=a_2x+b_2$のグラフそれぞれの伸びる方向を表す$\vec{\text{PA}}, \vec{\text{PB}}$をとることができます。
すると、$y=a_1x+b_1$と$y=a_2x+b_2$のグラフそれぞれの伸びる方向を表す$\vec{\text{PA}}, \vec{\text{PB}}$をとることができます。
それぞれのベクトル成分は、始点・終点となっている点の座標から
\begin{align*}\vec{\text{PA}}&=(p+1, q+a_1)-(p, q)\\[0.5em]&=(1,
a_1)\\[1em]\vec{\text{PB}}&=(p+1, q+a_2)-(p, q)\\[0.5em]&=(1,
a_2)\end{align*}
であることがわかります。
$y=a_1x+b_1$と$y=a_2x+b_2$のグラフが直交するならば、$\vec{\text{PA}}$と$\vec{\text{PB}}$も互いに垂直となり、内積より
\[\vec{\text{PA}}\cdot\vec{\text{PB}}=0\]
が成り立ちます。
ベクトル成分をもちいた表記にして変形すると
\begin{align*}1\cdot1+a_1a_2&=0\\[0.5em]\therefore
a_1a_2&=-1\end{align*}
となることがわかります。
したがって、1次関数$y=a_1x+b_1$と$y=a_2x+b_2$のグラフが直交するとき、
\[\large a_1a_2=-1\]
が成り立つことがわかります。
次は、逆に$a_1a_2=-1$が成り立つとき、1次関数$y=a_1x+b_1$と$y=a_2x+b_2$のグラフは直交することを確かめます。
$a_1\neq0$なので、$a_1a_2=-1$の両辺を$a_1$で割ると
\[a_2=-\frac{1}{a_1}\]
となるので、$y=a_2x+b_2$は$y=-\dfrac{1}{a_1}x+b_2$と書くことができ、点$\text{B}$の座標は$\left(p+1,
q-\dfrac{1}{a_1}\right)$、$\vec{\text{PB}}$の成分は$\left(1,
-\dfrac{1}{a_1}\right)$となります。
$\vec{\text{PA}}, \vec{\text{PB}}$の内積をとると
内積が$0$となるのはベクトルが互いに垂直なときなので、$y=a_1x+b_1$と$y=a_2x+b_2$のグラフは直交することがわかります。
\begin{align*}\vec{\text{PA}}\cdot\vec{\text{PB}}&=(1,
a_1)\cdot\left(1,
-\frac{1}{a_1}\right)\\[0.5em]&=1\cdot1+a_1\left(-\frac{1}{a_1}\right)\\[0.5em]&=0\end{align*}
となります。内積が$0$となるのはベクトルが互いに垂直なときなので、$y=a_1x+b_1$と$y=a_2x+b_2$のグラフは直交することがわかります。
以上より、1次関数$y=a_1x+b_1$と$y=a_2x+b_2$のグラフが直交することと$a_1a_2=-1$であることは同値であることがわかります。
3. $\tan$を利用
まず、$\tan$を利用して垂直条件を導くにあたり、以下が成り立つことを確認します。
直線$y=q$の$x>p$の部分と反時計回りに$θ$の角をなす点$(p,
q)$を中心とする単位円の半径の延長と直線$x=p+1$との交点のy座標は$q+\tanθ$
これは$\tan$の定義
x軸の正の部分と反時計回りに$θ$の角をなす原点を中心とする単位円の半径の延長と直線$x=1$との交点のy座標を$\tanθ$とする
をそのままx軸方向に$p$、y軸方向に$q$だけ平行移動して考えたものであるため、成り立つことがわかります。
1次関数$y=a_1x+b_1$が直線$y=q$の$x>p$の部分と反時計回りになす角を$α$とすると、直線$x=p+1$との交点とは点$\text{A}$のことです。
点$\text{A}$のy座標は$q+a_1$なので
点$\text{A}$のy座標は$q+a_1$なので
\[q+\tan\alpha=q+a_1\]
が成り立ち、すなわち
\begin{equation}\tan\alpha=a_1\end{equation}
であることがわかります。
1次関数$y=a_2x+b_2$が直線$y=q$の$x>p$の部分と反時計回りになす角を$β$とすると、同様に考えて点$\text{B}$のy座標より
\begin{equation}\tan\beta=a_2\end{equation}
であることがわかります。
$y=a_1x+b_1$と$y=a_2x+b_2$のグラフが直交するならば、
\[\tan\beta=\tan(\alpha\pm90^\circ)\]
が成り立ちます。
$\tan$の性質より
となり、どちらの場合でも
$\tan(α+90°)$の場合
\begin{align*}\tan(\alpha+90^\circ)&=\tan(90^\circ+\alpha)\\[0.5em]&=-\frac{1}{\tan\alpha}\end{align*}
$\tan(α-90°)$の場合
\begin{align*}\tan(\alpha-90^\circ)&=\tan\bigl\{-(90^\circ-\alpha)\bigr\}\\[0.5em]&=-\tan(90^\circ-\alpha)\\[0.5em]&=-\frac{1}{\tan\alpha}\end{align*}
\[\tan\beta=-\frac{1}{\tan\alpha}\]
が成り立ちます。
これに$(1), (2)$を代入すると
\begin{align*}a_2&=-\frac{1}{a_1}\\[0.5em]a_1a_2&=-1\end{align*}
となります。
したがって、1次関数$y=a_1x+b_1$と$y=a_2x+b_2$のグラフが直交するとき、
\[\large a_1a_2=-1\]
が成り立つことがわかります。
次は、逆に$a_1a_2=-1$が成り立つとき、1次関数$y=a_1x+b_1$と$y=a_2x+b_2$のグラフは直交することを確かめます。
$a_1a_2=-1$の両辺を$a_1$で割ると
\[a_2=-\frac{1}{a_1}\]
となるので、$y=a_2x+b_2$は$y=-\dfrac{1}{a_1}x+b_2$と書くことができ、
\[\tan\beta=-\frac{1}{a_1}\]
が成り立ちます。
これに$(1)$を代入すると
$\tan$の基本周期が$180°$であり、直線は$180°$回転させても元の状態と変わらないことを考えれば、これは$y=a_2x+b_2$のグラフが$y=a_1x+b_1$のグラフと直交していることを意味します。
\[\tan\beta=-\frac{1}{\tan\alpha}\]
であり、右辺は$\tan$の性質より
\[\tan\beta=\tan(\alpha\pm90^\circ)\]
と書くことができます。$\tan$の基本周期が$180°$であり、直線は$180°$回転させても元の状態と変わらないことを考えれば、これは$y=a_2x+b_2$のグラフが$y=a_1x+b_1$のグラフと直交していることを意味します。
以上より、1次関数$y=a_1x+b_1$と$y=a_2x+b_2$のグラフが直交することと$a_1a_2=-1$であることは同値であることがわかります。
(2026/6)内容を変更しました。
Share:

.png)
.png)
.png)
.png)



