「2次関数の定義域が以下の場合における最大値と最小値を答えよ。
(1)
(2)
(3)」このような問題はどのように解けばよいのでしょうか?
まずは2次関数を平方完成します。
これにより2次関数はとなるから、2次関数のグラフは下に凸の放物線で頂点の座標はであるとわかります。
これは定義域がないときのとき最小値となることを意味します。
これは定義域がないときのとき最小値となることを意味します。
(1)
2次関数の最大値と最小値は頂点と定義域の位置関係によって以下の4つの場合に分かれます。(クリックで拡大できます。)
また、のとき、すなわち上に凸の放物線のグラフとなる2次関数の場合は上図の最大値と最小値が入れ替わります。
~の場合をそれぞれ見ていきます。
1. 定義域の左端で最大値、右端で最小値をとる
頂点のx座標は、定義域はなので、の場合の条件は、すなわちです。
このときで最大値をとるので2次関数にこれを代入すると、
で最小値をとるので同様に代入すると
となります。
で最小値をとるので同様に代入すると
2. 頂点で最小となり、定義域の左端で最大値をとる
2.の場合の条件は。以下のようにの範囲に直します。
整理すると
各辺からを引いて
各辺にを足して
各辺にを掛けて
このときで最大値をとり、で最小値をとります。
3. 頂点で最小となり、定義域の右端で最大値をとる
の場合の条件は、すなわちです。
このときで最大値をとり、で最小値をとります。
特に頂点のx座標が定義域の中間に位置するのとき、最大値をとるのはのときの2つとなります。
に代入してみるとで最大値をとることがわかります。
4. 定義域の右端で最大値、左端で最小値をとる
の場合の条件はです。
このときで最大値をとり、で最小値をとります。
以上をまとめると
となります。
- のとき、で最大値、で最小値
- のとき、で最大値、で最小値
- のとき、で最大値、で最小値
- のとき、で最大値、で最小値
これがの答えとなりますが、考え方の違いによりいくらか答え方が変わることがあります。
例えば、とに「定義域内に頂点のx座標を含まない」という条件が加わると、の条件から等号が消えます。
最大値となるの値と個数に着目するととのの条件のを結ぶ不等号から等号が抜けて「のときで最大値」が新しく加わります。
(2)
定義域の端の値は変わりませんが、右端のみ等号がついていません。すなわち、が含まれていないので、定義域の右端における最大値・最小値はなくなります。
また、においてのときのの値より付近のの値のほうが大きいので、で最大値をとっていることにはなりません。
これらの点には注意してください。
それぞれの場合のの条件はとほぼ同じなので、不等号についている等号の有無に注意して、
1. 定義域の左端で最大値をとり、最小値なし
の場合の条件は、すなわちです。
このときで最大値をとり、最小値はありません。
2. 頂点で最小となり、定義域の左端で最大値をとる
の場合の条件は、すなわちです。
このときで最大値をとり、で最小値をとります。
3. 頂点で最小となり、最大値なし
の場合の条件は、すなわちです。
このとき最大値はなく、で最小値をとります。
4. 最大値なし、定義域の左端で最小値をとる
の場合の条件はです。
このとき最大値はなく、で最小値をとります。
以上をまとめると
となります。
- のとき、で最大値、最小値なし
- のとき、で最大値、で最小値
- のとき、最大値なし、で最小値
- のとき、最大値なし、で最小値
(3)
今度はは定義域に含まれません。すなわち、定義域の両端で最大値・最小値をとることはありません。
1. 定義域は頂点の左側で最大値・最小値ともになし
の場合の条件は、すなわちです。
このとき最大値・最小値ともにありません。
2. 頂点で最小となり、最大値なし
の場合の条件は、すなわちです。
このとき最大値はなく、で最小値をとります。
3. 定義域は頂点の右側で最大値・最小値ともになし
の場合の条件はです。
このとき最大値・最小値ともにありません。
以上をまとめると
となります。
- のとき、最大値なし、最小値なし
- のとき、最大値なし、で最小値
- のとき、最大値なし、最小値なし
とをまとめることもでき、
とも書けます。
- のとき、最大値なし、最小値なし
- のとき、最大値なし、で最小値
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