「$2023^{2023}$の下1桁を求めよ。」
累乗は同じ数を指数と同じ個数だけ掛け合わせる計算なので、掛け算において積の下1桁が何によって決まるのかを考えます。
したがって、$2023^{2023}$の下1桁は$3^{2023}$の下1桁に等しいことがわかります。
そこで、$3$を掛け続けていくと下1桁がどのように変わっていくかを調べてみます。
\begin{align*}3^1&=\underline{3}\\ \\ 3^2&=3\times3=\underline{9}\\
\\ 3^3&=9\times3=2\underline{7}\\ \\ 3^4&=27\times3=8\underline{1}\\
\\ 3^5&=81\times3=24\underline{3}\\ \\
3^6&=243\times3=72\underline{9}\\ &\vdots\end{align*}
下1桁が$3\to9\to7\to1\to3\to\cdots$というように4つの数字が順番に繰り返し現れ、$3^1$の$3$から始まり、指数が$4$の倍数のときちょうど1巡することがわかります。
このことから、指数を$4$で割り、その余りから下1桁が何になるのかを調べることができます。
\begin{array}{c|c}余り&下1桁\\ \hline1&3\\ 2&9\\ 3&7\\
0&1\end{array}
$2023$を$4$で割ると$2023\div4=505余り3$となるので、上の表より$2023^{2023}$の下1桁は$7$となることがわかります。
二項定理を利用しながら解くと以下のようになります。
$2023^{2023}$は
\begin{align*}2023^{2023}&=(2020+3)^{2023}\\ \\
&=2020^{2023}+2023\cdot2020^{2022}\cdot3+\\
&\quad\cdots+2023\cdot2020\cdot3^{2022}+3^{2023}\\ \\
&=2020(2020^{2022}+2023\cdot2020^{2021}\cdot3+\\
&\quad\cdots+2023\cdot3^{2022})+3^{2023}\end{align*}
となり、$3^{2023}$の項以外はすべて$2020$の倍数であるため下1桁は$0$、したがって$2023^{2023}$の下1桁は$3^{2023}$により決まることがわかります。
$3$の累乗の1つ$3^4=81$を利用して$3^{2023}$を変形すると
\begin{align*}3^{2023}&=3^3\times3^{2020}\\
\\ &=3^3\times\left(3^4\right)^{505}\\ \\
&=27\times81^{505}\end{align*}
となります。
ここで、$81^{505}$は
\begin{align*}81^{505}&=(80+1)^{505}\\ \\
&=80^{505}+505\cdot80^{504}\cdot1+\cdots+505\cdot80\cdot1^{504}+1^{505}\\
\\ &=80^{505}+505\cdot80^{504}+\cdots+505\cdot80+1\\ \\
&=80\left(80^{504}+505\cdot80^{503}+\cdots+505\right)+1\end{align*}
となり、$1$の項以外はすべて$80$の倍数であるため$81^{505}$の下1桁は$1$となります。
また、括弧内の$80^{504}+505\cdot80^{503}+\cdots+505$を整数$A$とおいて$3^{2023}$の下1桁について考えると
\begin{align*}3^{2023}&=27\times81^{505}\\ \\ &=(20+7)(80A+1)\\ \\
&=2160A+27\end{align*}
$2160A$は$2160$の倍数なので下1桁は$0$。したがって$3^{2023}$の下1桁は$27$の下1桁に等しい、すなわち$2023^{2023}$の下1桁は$7$であることがわかります。
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