まずは、AnBn=BnCn (n=1,2,3)であることを確かめます。
A1から直線b、B1から直線cへそれぞれ垂線を下ろし、交点をHb,Hcとします。このとき△A1B1Hbと△B1C1Hcに着目します。
A1Hb,B1Hcはそれぞれ直線b,cに対する垂線なので∠A1HbB1=∠B1HcC1=90°。
直線a,b,cは等間隔に引かれた平行線なのでA1Hb=B1Hc。
直線
bと
cは平行なので同位角が等しく、
∠A1B1Hb=∠B1C1Hcが成り立ちます。
このことから
∠B1A1Hb=180°−(∠A1HbB1+∠A1B1Hb)=180°−(90°+∠A1B1Hb)=90°−∠A1B1Hb∠C1B1Hc=180°−(∠B1HcC1+∠B1C1Hc)=180°−(90°+∠B1C1Hc)=90°−∠B1C1Hc∴∠B1A1Hb=∠C1B1Hc
1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので△A1B1Hbと△B1C1Hcは合同であることがわかります。
したがって、A1B1=B1C1となります。
他の直線に関しても同様の方法で示すことができるので、AnBn=BnCn (n=1,2,3)が成り立つことがわかります。
次にX1X2=X2X3 (X=A, B, C)であることを確かめます。
直線dをA1とA2が重なるように平行移動し、平行移動後の直線をd′とします。
直線d′と直線b,cとの交点をそれぞれB′1,C′1として△A2B′1B2と△A2C′1C2に着目します。
∠A2B′1B2=∠A2C′1C2∠A2B2B′1=∠A2C2C′1
2組の角がそれぞれ等しいので△A2B′1B2と△A2C′1C2は相似であることがわかります。
相似比とA2B′1=B′1C′1から
A2B′1:A2C′1=B′1B2:C′1C2=1:2(1)
です。
また、A1A2=B1B′1=C1C′1より
C′1C2=C1C2−A1A2B1B2=A1A2+B′1B2(2)(3)
です。
今度は直線eをA2とA3が重なるように平行移動し、平行移動後の直線をe′とします。
直線e′と直線b,cとの交点をそれぞれB′2,C′2として△A3B′2B3と△A3C′2C3に着目します。
∠A3B′2B3=∠A3C′2C3∠A3B3B′2=∠A3C3C′2
2組の角がそれぞれ等しいので△A3B′2B3と△A3C′2C3は相似であることがわかります。
相似比とA3B′2=B′2C′2から
A3B′2:A3C′2=B′2B3:C′2C3=1:2(4)
です。
また、A2A3=B2B′2=C2C′2より
C′2C3=C2C3−A2A3B2B3=A2A3+B′2B3(5)(6)
です。
ここで、C1C2=C2C3であることと(2)、(5)よりC1C2=C′2C3。
このことと(1)、(3)よりB′1B2=B′2B3。
このことと(3)、(6)よりB1B2=B2B3が導かれます。
したがって、X1X2=X2X3 (X=A, B, C)が成り立つことがわかります。
上図のように平行線や点の数を増やした場合でも、上記のように合同と相似を利用して
AnBn=BnCn=CnDn=DnEnX1X2=X2X3=X3X4=X4X5(n=1,2,3,4,5. X=A, B, C, D, E.)
が成り立つことを確かめることができます。