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2023年1月21日

250!を素因数分解すると11はいくつある?

「$250!$を素因数分解すると$11$はいくつ含まれるかを求めよ。」

このような問題はどのように解けばよいのでしょうか?

 $250!$は$1$から$250$までの整数をすべて掛け合わせた数であることを表しています。
このことから、この問題は$1$から$250$までの整数をすべて素因数分解してそれぞれの素因数$11$の個数を全部足し合わせると何個になるか?を問うていることになります。

なのでまずは$1$から$250$までの整数の中に少なくとも素因数$11$を1個含む数、すなわち11の倍数がいくつあるのかを調べます。
そのためには$250$を$11$で割ります。
\[250\div11=22\ 余り8\]
商が$22$なので、11の倍数は22個あることがわかります。

 なぜ割り算で11の倍数の個数が求められたのでしょうか?

割り算と倍数の個数
$1$から$250$までの整数を小さい順に11個ずつのグループをつくっていくことを考えます。これは割られる数の中に割る数がいくつ含まれているのかを求める割り算の考え方と同じです。
このグループの最後に必ず11の倍数が加わりグループが完成します。
11個の数が入った完成したグループは22個でき、$243$から$250$までの8個の数が余りとなります。
完成したグループには必ず11の倍数が入っているので、完成したグループの数が11の倍数の個数と等しいことがわかります。


 また、22個の11の倍数の中には素因数$11$を少なくとも2個持つものが含まれています。
これの個数を求めるには11の倍数の個数$22$を$11$で割ります。
\[22\div11=2\]
商が$2$なので、11の倍数の中の素因数$11$を少なくとも2個持つものは2個であることがわかります。

この計算についても11の倍数の個数を求めたときと同様に考えます。

少なくとも素因数11を2個持つ数
11の倍数を$11$から小さい順に11個ずつのグループをつくると、グループの最後に必ず11の倍数が掛けられた11の倍数が加わります。
11の倍数が掛けたれた11の倍数というのは、少なくとも2個の素因数$11$を持つ数であるので、完成したグループの個数が少なくとも2個の素因数$11$を持つ数の個数に等しいことがわかります。


 素因数$11$を3つ持つ数は最も小さいもので$11^3=1331$であるので、$1$から$250$までの整数の中には存在しません。
したがって、$1$から$250$までの整数の中に素因数$11$を少なくとも1個持つ数は11の倍数の個数の22個、2個目の素因数$11$を持つものが22個の11の倍数中に2個なので、$250!$を素因数分解すると素因数$11$は$22+2=24(個)$含まれることがわかります。


 割る数は$250$のままでも解くことができます。
$1$から$250$までの整数の中に素因数$11$を少なくとも1個持つ数は11の倍数であるから、
\[250\div11=22\ 余り8\]
$1$から$250$までの整数の中に素因数$11$を少なくとも2個持つ数は$11^2=121$の倍数であるから、
\[250\div121=2\ 余り8\]
素因数$11$を少なくとも3個持つ数は$11^3=1331$の倍数であるから、$1$から$250$までの整数の中には存在しません。

したがって、$250!$を素因数分解したときの素因数$11$の個数はそれぞれの商の和より$22+2=24(個)$であるとわかります。

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