2通りの方法でa^2-b^2の因数分解を導出してみます。
その1
(a+b)^2=a^2+2ab+b^2
を変形してa^2-b^2の因数分解した式を求めます。
\begin{align*}a^2+2ab+b^2&=(a+b)^2\\ a^2-b^2&=(a+b)^2-2ab-2b^2\\
&=(a+b)^2-2b(a+b)\\ &=(a+b)\left\{(a+b)-2b\right\}\\ \therefore a^2-b^2&=(a+b)(a-b)\end{align*}
その2
(A+B)^2の展開式A^2+2AB+B^2ができるように項を補完して因数分解してみます。
\begin{align*}a^2-b^2&=a^2-b^2+(2ab+2b^2)-(2ab+2b^2)\\
&=(a^2+2ab+b^2)-(2ab+2b^2)\\ &=(a+b)^2-2b(a+b)\\
&=(a+b)\left\{(a+b)-2b\right\}\\ \therefore a^2-b^2&=(a+b)(a-b)\end{align*}
ちなみにa^2+b^2が因数分解できるかは、その1の方法で試してみると
\begin{align*}a^2+2ab+b^2&=(a+b)^2\\ a^2+b^2&=(a+b)^2-2ab\end{align*}
となり、a^2-b^2のときのように共通因数をくくりだす事ができませんが、A=(a+b),B=\sqrt{2ab}とおくと
\begin{align*}(a+b)^2-2ab&=A^2-B^2\\ &=(A+B)(A-B)\\
&=(a+b+\sqrt{2ab})(a+b-\sqrt{2ab})\end{align*}
とすることができます。
しかしa,bに根号(べき乗)がついている項が出てきてしまいややこしく、特に方程式を解く際には使いづらい因数分解だと思います。
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