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2023年11月30日

tanのとりうる値の範囲はなぜすべての実数なのか?

  任意の実数θにおいてtanθのとりうる値の範囲はなぜすべての実数なのでしょうか?


tanθの定義
 tanθの単位円による定義は、始線と反時計回りにθの角をなす半径を延長した直線の傾きであり、半径の延長と直線x=1の交点のy座標でした。
本記事では後者を利用してtanθの値の範囲がすべての実数となることを確かめてみます。

 π2<θ<π2の区間に限定してtanθの値について考えます。
θをなめらかに変化させたときのtanθ
 θをなめらかに変化させてみると半径の延長と直線x=1の交点は直線x=1上をなめらかに移動します。すなわち、tanθの値を表す交点のy座標がなめらかに変化します。
これはtanθのとりうる値の範囲には途切れている部分がなく1つの区間で表せることを意味します。
θをπに近づけたときのtanθ
 0θ<π2のときtanθの値は0以上です。θπ2に近づけていくと半径の延長と直線x=1の交点のy座標は大きくなっていきます。
この交点のy座標はθπ2に近づければ近づけるほど際限なく大きくなっていきます。

θを-πに近づけたときのtanθ
 π2<θ0のときtanθの値は0以下です。θπ2に近づけていくと半径の延長と直線x=1の交点のy座標は小さくなっていきます。
この交点のy座標はθπ2に近づければ近づけるほど際限なく小さくなっていきます。
以上よりtanθの値は際限なく大きくもなり小さくもなる、すなわち最大値・最小値が存在しないことがわかります。

 tanθのとりうる値の範囲には最大値・最小値がなく、かつ途切れている部分がななく1つの区間で表せるということは、0より大きい数も小さい数も無数に存在する実数のどのような値もとれるということであるため、π2<θ<π2におけるtanθの値のとりうる値の範囲はすべての実数となります。
π2<θ<π2を任意の実数θに置き換えても、上述したことからやはりtanθのとりうる値の範囲はすべての実数となります。
tanθが際限なく大きく・小さくなるとき
また、上述したことは2n12π<θ<2n+12πn:整数)においても同様です。
際限なく大きくなる(小さくなる)という点に関しては、θ=2n12π(またはθ=2n+12π)へ第1象限または第3象限から近づいたときtanθの値は際限なく大きくなり、第2象限または第4象限から近づいたときtanθの値は際限なく小さくなります。

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