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2023年12月2日

恒等でないtanの半角の公式の変形

 「三角関数 半角の公式」で紹介したtanの半角の公式
(1)tanθ2=±1cosθ1+cosθ
にはtanθ2が定義できるすべての実数θにおいて恒等な変形
tanθ2=sinθ1+cosθ
が存在しますが、恒等でない変形も存在します。

 (1)の右辺は平方根の計算法則より
±1cosθ1+cosθ=±1cosθ1+cosθ
となります。
分母と分子に1cosθを掛けると(ただし1cosθ0、すなわちθ2nπ; n:整数)
tanθ2=±1cosθ1+cosθ1cosθ1cosθ=±(1cosθ)21cos2θ=±|1cosθ|1cos2θ
三角関数の相互関係sin2θ+cos2θ=1よりsin2θ=1cos2θなので
tanθ2=±|1cosθ|sin2θ=±|1cosθ||sinθ|
1cosθはすべての実数θにおいて常に0以上なので
tanθ2=±1cosθ|sinθ|
となります。
tanθ2>0となる2nπ<θ<(2n+1)πにおいてsinθ>0なので
tanθ2=1cosθsinθ
tanθ2<0となる(2n+1)π<θ<2(n+1)πにおいてsinθ<0なので
tanθ2=1cosθsinθ=1cosθsinθ
以上よりtanθ2=0以外のtanθ2の値が定義できる任意の実数θにおいて
tanθ2=1cosθsinθ
と表せることがわかります。

 tanθ2=0を含まないのは、変形の条件により除かれたθ=2nπtanθ2の値が0となるすべてのθであるためです。
θ=2nπtanθ2に代入すると
tan2nπ2=tannπ=0
となり、nπtanの値が0となる実数をすべて表すことができます。)
したがって、この等式は成立するθtanθ2=0となるθ=2nπを含まないので、tanθ2の値が定義できるすべての実数θにおいては恒等でない等式となります。

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