なぜ公倍数は最小公倍数の倍数となるのでしょうか?
2つの自然数$A,B$の場合で考えてみます。
2つの自然数$A,B$の最大公約数を$G$とするとそれぞれ
\begin{align*}A&=aG\tag1\\[1em]B&=bG\tag2\\
&&(a,b:互いに素な自然数)\end{align*}
となります。
$A$の倍数を自然数$M$をもちいて$AM$、$B$の倍数を自然数$N$をもちいて$BN$で表すとすると、$A$と$B$の公倍数は
\[AM=BN\]
が成り立つ数であるといえます。
この式を$(1),(2)$を利用して変形すると
\begin{align*}aGM&=bGN\\[0.5em]aM&=bN\end{align*}
となります。$a,b$は互いに素なので、この等式が成り立つ条件は
\begin{align*}M&=bk\\[1em]N&=ak\\ &&(k:任意の自然数)\end{align*}
となるため、$A$と$B$の公倍数は$abGk$と表せることがわかります。
$k=1$のときの$A$と$B$の公倍数は$abG$で、これは最小公倍数です。すると、$k\geqq2$のときの公倍数はいずれも最小公倍数$abG$の自然数倍なので、公倍数は最小公倍数の倍数であることがわかります。
これは3つ以上の自然数の公倍数でも同様です。
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