まずは正三角形や直角三角形以外の三角形について考えます。
正三角形や直角三角形以外の三角形の場合
正三角形や直角三角形でない$△\text{ABC}$の各頂点$\text{A}, \text{B},
\text{C}$と垂心$\text{H}$を結ぶ線分$\text{AH}, \text{BH},
\text{CH}$それぞれの中点を$\text{P}, \text{Q},
\text{R}$とし、これらを結んでできる$△\text{PQR}$について考えます。
$△\text{ABC}$の各頂点$\text{A}, \text{B},
\text{C}$からそれぞれ辺$\text{BC}, \text{CA},
\text{AB}$へおろした垂線は線分$\text{AH}, \text{BH},
\text{CH}$を延長したものであり、これらは頂点$\text{P}, \text{Q},
\text{R}$からそれぞれ辺$\text{QR}, \text{RP},
\text{PQ}$へおろした垂線と同一直線となります。
したがって、$△\text{ABC}$と$△\text{PQR}$の垂心は同一の点となります。
また、$△\text{ABC}$と$△\text{PQR}$は相似なのですが、線分$\text{AH},
\text{BH}, \text{CH}$それぞれの中点が$\text{P}, \text{Q},
\text{R}$であることから、点$\text{P}, \text{Q},
\text{R}$はそれぞれ垂心$\text{H}$に関して点$\text{A}, \text{B},
\text{C}$と同じ側にあって$\text{AH}:\text{PH}=\text{BH}:\text{QH}$$=\text{CH}:\text{RH}=2:1$が成り立つことから、$△\text{PQR}$は$△\text{ABC}$を縮小+平行移動したものであることがわかります。
次に、$△\text{ABC}$の辺$\text{BC}, \text{CA},
\text{AB}$それぞれの中点を$\text{L}, \text{M},
\text{N}$とし、これらを結んでできる$△\text{LMN}$について考えます。
頂点$\text{L}, \text{M}, \text{N}$からそれぞれ辺$\text{MN}, \text{NL},
\text{LM}$へおろした垂線は、中点連結定理より$\text{AB}//\text{LM},
\text{BC}//\text{MN},
\text{CA}//\text{NL}$が成り立つことから$△\text{ABC}$においてはそれぞれ辺$\text{BC},
\text{CA}, \text{AB}$の垂直二等分線と同一直線となります。
したがって、$△\text{LMN}$の垂心は$△\text{ABC}$の外心と同一の点となります。
また、$△\text{ABC}$と$△\text{LMN}$は相似なのですが、直線$\text{AL},
\text{BM},
\text{CN}$は$△\text{ABC}$の中線であり重心$\text{G}$で交わること、点$\text{L},
\text{M}, \text{N}$はそれぞれ重心$\text{G}$に関して点$\text{A}, \text{B},
\text{C}$と反対側にあって重心の性質より$\text{AG}:\text{LG}=\text{BG}:\text{MG}$$=\text{CG}:\text{NG}=2:1$が成り立つことから、$△\text{LMN}$は$△\text{ABC}$を縮小+平行移動+$180°$回転移動したものであることがわかります。
九点円の証明より、$△\text{PQR}$と$△\text{LMN}$は外心が同一の点の合同な三角形であり、この共通の外心$O$が九点円の中心であることがわかっています。
そして、上記の$△\text{ABC}$との関係より、$△\text{PQR}$と$△\text{LMN}$は互いに共通の外心$O$を中心に$180°$回転移動した三角形であることがわかります。
そして、上記の$△\text{ABC}$との関係より、$△\text{PQR}$と$△\text{LMN}$は互いに共通の外心$O$を中心に$180°$回転移動した三角形であることがわかります。
ここで、$△\text{PQR}$と$△\text{LMN}$の垂心に着目すると、これらは互いに共通の外心$O$に関して対称な点、すなわち$△\text{PQR}$と$△\text{LMN}$それぞれの垂心を結んだ線分の中点が共通の外心$O$であり$△\text{ABC}$の九点円の中心であるということです。
$△\text{PQR}$の垂心は$△\text{ABC}$の垂心と同一、$△\text{LMN}$の垂心は$△\text{ABC}$の外心と同一なので、$△\text{ABC}$の九点円の中心は$△\text{ABC}$の垂心と外心を結ぶ線分の中点であることがわかります。
正三角形の場合
したがって、正三角形$\text{ABC}$の九点円の中心は垂心・外心と同一の点となります。
正三角形$\text{ABC}$の垂心と外心を結ぶ線分を長さ$0$の線分と考えたとき、この線分の中点は垂心・外心と同一の点となります。
よって、正三角形の場合も九点円の中心は垂心と外心を結ぶ線分の中点にあるといえます。
直角三角形の場合
$∠\text{A}=90°$である直角三角形$\text{ABC}$の垂心は頂点$\text{A}$と同一の点となります。
なので、頂点$\text{A}$と垂心を結ぶ線分、そしてその中点はありません。
なので、頂点$\text{A}$と垂心を結ぶ線分、そしてその中点はありません。
なお、頂点$\text{B},
\text{C}$と垂心を結ぶ線分の中点はそれぞれ辺$\text{AB},
\text{AC}$の中点$\text{N}, \text{M}$と同一の点となります。
しかし、頂点$\text{A}$と垂心を結ぶ線分を長さ$0$の線分として考えれば中点もまた頂点$\text{A}$と同一の点とすることができます。
すると、各頂点と垂心を結ぶ線分の中点を結んで三角形をつくることができ、上述と同様に直角三角形$\text{ABC}$の九点円の中心が垂心と外心を結ぶ線分の中点であることがわかります。
以上より、九点円の中心は三角形の垂心と外心を結ぶ線分の中点にあることがわかります。
三角形の垂心と外心を結んだ線分を延長した直線は重心も通るオイラー線なのですが、ここでの結論よりオイラー線は九点円の中心も通ることがわかります。
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