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2025年12月29日

直角三角形の合同・合同条件

 2つの直角三角形が合同であるかを示すとき、三角形の合同条件
  • 3組の辺がそれぞれ等しい
  • 2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい
  • 1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい
だけではなく、直角三角形でのみ利用できる直角三角形の合同条件というものがあります。
それは、
  • 斜辺と他の1組の辺がそれぞれ等しい
  • 斜辺と1組の鋭角がそれぞれ等しい
です。

なぜこのような条件となっているのでしょうか?

まず、2つの直角三角形の合同を調べるということは、それらが直角三角形であるとわかっている、すなわち少なくともどの内角が直角であるか、そしてどの辺が直角の対辺となる斜辺であるかも明らかになっていることが前提となります。

斜辺と他の1組の辺がそれぞれ等しい

三平方の定理
 直角三角形の定理には、
$∠\text{A}=90°$である直角三角形$\text{ABC}$の3辺の長さについて
\[\large \text{AB}^2+\text{AC}^2=\text{BC}^2\]
が成り立つ
という三平方の定理があります。
これを変形すると
\begin{align*}\text{AB}^2&=\text{BC}^2-\text{AC}^2\\[0.5em]\text{AB}&=\sqrt{\text{BC}^2-\text{AC}^2}&(\because \text{AB}>0)\tag1\end{align*}
となります。
これは、直角三角形の斜辺と他の1辺となる2つの辺の長さがわかれば、三平方の定理より3辺すべての長さがわかるということです。
 ここで、もう1つの三角形として$∠\text{D}=90°$である直角三角形$\text{DEF}$を考えると、$△\text{ABC}$と同様に三平方の定理より
\[\text{DE}^2+\text{DF}^2=\text{EF}^2\]
が成り立って、斜辺$\text{EF}$と他の1辺$\text{DF}$の長さがわかっていれば辺$\text{DE}$の長さは
\[\text{DE}=\sqrt{\text{EF}^2-\text{DF}^2}\]
より求められます。
「斜辺と他の1組の辺がそれぞれ等しい」は「3組の辺がそれぞれ等しい」を満たしている
もし、$△\text{ABC}$と$△\text{DEF}$について「斜辺と他の1組の辺がそれぞれ等しい」として、例えば$\text{AC}=\text{DF}, \text{BC}=\text{EF}$が成り立っていたなら
\begin{align*}\text{DE}&=\sqrt{\text{BC}^2-\text{AC}^2}\\[0.5em]&=\text{AB}&\bigl(\because (1)\bigr)\end{align*}
となり、$\text{AB}=\text{DE}$もまた成り立つことがわかります。
このとき、「3組の辺がそれぞれ等しい」を満たしているので$△\text{ABC}$と$△\text{DEF}$は合同であることがわかります。
 また、$∠\text{A}=∠\text{D}=90°$であることを考えれば、$\text{AB}=\text{DE}, \text{AC}=\text{DF}$と合わせて「2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい」を満たしていることがわかります。

したがって、「斜辺と他の1組の辺がそれぞれ等しい」とき、直角三角形の性質により「3組の辺がそれぞれ等しい」や「2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい」をすでに満たしているので、直角三角形の合同条件となるのです。


斜辺と1組の鋭角がそれぞれ等しい

直角三角形の鋭角の和は90°
 直角三角形には、
直角以外の鋭角である2つの内角の和が$90°$
という性質があります。
例えば、$∠\text{A}=90°$である直角三角形$\text{ABC}$の$∠\text{B}$の大きさがわかっているとき、$∠\text{B}$と$∠\text{C}$の和が$90°$となるので、$∠\text{C}$の大きさは
\[\angle \text{C}=90°-\angle \text{B}\tag2\]
により求めることができます。
 ここで、もう1つの三角形として$∠\text{D}=90°$である直角三角形$\text{DEF}$を考えると、$△\text{ABC}$と同様に$∠\text{E}$と$∠\text{F}$の和が$90°$となり、$∠\text{E}$の大きさがわかっていれば$∠\text{F}$の大きさは
\[\angle \text{F}=90°-\angle \text{E}\]
より求められます。
「斜辺と1組の鋭角がそれぞれ等しい」は「1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい」を満たしている
もし、$△\text{ABC}$と$△\text{DEF}$について「斜辺と1組の鋭角がそれぞれ等しい」、例えば$\text{BC}=\text{EF}, ∠\text{B}=∠\text{E}$が成り立っていたなら
\begin{align*}\angle \text{F}&=90°-\angle \text{B}\\[0.5em]&=\angle \text{C}&\bigl(\because (2)\bigr)\end{align*}
となり、$∠\text{C}=∠\text{F}$が成り立つことがわかります。
このとき、「1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい」を満たしているので$△\text{ABC}$と$△\text{DEF}$は合同であることがわかります。
 また、$∠\text{A}=∠\text{D}=90°$であることを考えれば、$\text{BC}=\text{EF}, ∠\text{B}=∠\text{E}$と合わせて三角形の合同条件に数えられることもある「2組の角とその間にない辺がそれぞれ等しい」を満たしていることがわかります。

したがって、「斜辺と1組の鋭角がそれぞれ等しい」とき、直角三角形の性質により「1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい」をすでに満たしている(あるいは「2組の角とその間にない辺がそれぞれ等しい」そのものである)ので、直角三角形の合同条件となるのです。


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