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2025年12月3日

三角形の内角・外角の二等分線の定理の逆

 三角形の内角・外角の二等分線と線分の比とは以下のようなものです。
三角形の内角・外角の二等分線と線分の比
$△\text{ABC}$の内角$∠\text{A}$の二等分線と辺$\text{BC}$との交点を$\text{D}$、$∠\text{A}$の外角$∠\text{CAP}$の二等分線と辺$\text{BC}$の延長との交点を$\text{E}$とすると
\[\text{AB}:\text{AC}=\text{BD}:\text{CD}=\text{BE}:\text{CE}\]
これの定理の逆として以下が成り立ちます。
$△\text{ABC}$の辺$\text{BC}$を$\text{AB}:\text{AC}$に内分する点を$\text{D}$、外分する点を$\text{E}$とすると、直線$\text{AD}, \text{AE}$はそれぞれ内角$∠\text{A}$とその外角の二等分線となる。
これが成り立つことを確かめてみます。

辺$\text{BC}$を$\text{AB}:\text{AC}$に内分する点$\text{D}$

△BDQと△CDRは相似
 頂点$\text{B}, \text{C}$から直線$\text{AD}$へおろした垂線の足をそれぞれ$\text{Q}, \text{R}$とします。
$△\text{BDQ}$と$△\text{CDR}$に着目すると
  • $\text{BQ}\perp \text{AD}, \text{CR}\perp \text{AD}$より$∠\text{BQD}=∠\text{CRD}=90°$
  • 対頂角より$∠\text{BDQ}=∠\text{CDR}$
2組の角がそれぞれ等しいので相似であることがわかります。
すると、内分比$\text{BD}:\text{CD}=\text{AB}:\text{AC}$は相似比となるので
\begin{equation}\text{BQ}:\text{CR}=\text{AB}:\text{AC}\end{equation}
も成り立ちます。
△ABQと△ACRは相似
 次に$△\text{ABQ}$と$△\text{ACR}$に着目すると
  • $(1)$より$\text{BQ}:\text{CR}=\text{AB}:\text{AC}$
  • $\text{BQ}\perp \text{AD}, \text{CR}\perp \text{AD}$より$∠\text{AQB}=∠\text{ARC}=90°$
直角三角形の2組の辺の比が等しいので相似であることがわかります。
このことから$∠\text{BAQ}=∠\text{CAR}$です。
これはすなわち$∠\text{BAD}=∠\text{CAD}$ということであり、直線$\text{AD}$が$△\text{ABC}$の内角$∠\text{A}$の二等分線であることを意味します。
したがって、
$△\text{ABC}$の辺$\text{BC}$を$\text{AB}:\text{AC}$に内分する点を$\text{D}$としたとき、直線$\text{AD}$は$△\text{ABC}$の内角$∠\text{A}$の二等分線となる
という三角形の内角の二等分線の定理の逆が成り立つことがわかります。

辺$\text{BC}$を$\text{AB}:\text{AC}$に外分する点$\text{E}$

△BESと△CETは相似
 頂点$\text{B}, \text{C}$から直線$\text{AE}$におろした垂線の足をそれぞれ$\text{S}, \text{T}$とします。
$△\text{BES}$と$△\text{CET}$に着目すると
  • 共通の角なので$∠\text{BES}=∠\text{CET}$
  • $\text{BS}\perp \text{AE}, \text{CT}\perp \text{AE}$より$∠\text{BSE}=∠\text{CTE}=90°$
2組の角がそれぞれ等しいので相似であるとわかります。
すると、外分比$\text{BE}:\text{CE}=\text{AB}:\text{AC}$は相似比となるので、
\begin{equation}\text{BS}:\text{CT}=\text{AB}:\text{AC}\end{equation}
も成り立ちます。
△ABSと△ACTは相似
 次に$△\text{ABS}$と$△\text{ACT}$に着目すると
  • $(2)$より$\text{BS}:\text{CT}=\text{AB}:\text{AC}$
  • $\text{BS}\perp \text{AE}, \text{CT}\perp \text{AE}$より$∠\text{ASB}=∠\text{ATC}=90°$
直角三角形の2組の辺の比が等しいので相似であるとわかります。
このことから$∠\text{BAS}=∠\text{CAT}$です。
対頂角より∠BAS=∠EAP
ここで、対頂角より$∠\text{BAS}=∠\text{EAP}$であり、上記と合わせて$∠\text{EAP}=∠\text{CAT}$が成り立ちます。
これはすなわち$∠\text{EAP}=∠\text{CAE}$ということであり、直線$\text{A}E$が$△\text{ABC}$の$∠\text{A}$の外角$∠\text{CAP}$の二等分線であることを意味します。
したがって、
$△\text{ABC}$の辺$\text{BC}$を$\text{AB}:\text{AC}$に外分する点を$\text{E}$としたとき、直線$\text{AE}$は内角$∠\text{A}$の外角の二等分線となる
という三角形の外角の二等分線の定理の逆が成り立つことがわかります。

 以上より三角形の内角・外角の二等分線の定理の逆が成り立つことがわかります。

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