上図のようにの外心、垂心、重心の3点は必ず一直線上に並びます。
これが成り立つことを確かめてみます。
このことを確かめるために三角形の外心と垂心の関係を利用します。
鋭角三角形の場合
とに着目すると、
はともに辺に対し垂直なのでです。
上記より錯角は等しいのでです。
2組の角がそれぞれ等しいので相似であることがわかります。
その相似比は、三角形の外心と垂心の関係より。また、でもあります。
ここで、線分はの中線の1本で、点は中線をに内分する点ということになります。
そしての重心もまた中線をに内分するので点は重心であることがわかります。
重心は外心と垂心を結ぶ直線上に存在するため、鋭角三角形の外心、垂心、重心は同一直線上に存在することがわかります。
直角三角形の場合
線分は直角三角形の中線となるので、重心は上に存在しています。
したがって、直角三角形の外心、垂心、重心は同一直線上に存在することがわかります。
鈍角三角形の場合
とに着目すると、
はともに辺に対し垂直なのでです。
上記より錯角は等しいのでです。
2組の角がそれぞれ等しいので相似であることがわかります。
その相似比は、三角形の外心と垂心の関係より。また、でもあります。
点は中線をに内分する点なので、点はの重心であることがわかります。
重心は外心と垂心を結ぶ直線上に存在するため、鋭角三角形の外心、垂心、重心は同一直線上に存在することがわかります。
二等辺三角形の場合
上の3つの場合分けですべての三角形の場合を考えたように思えますが、実は例外があります。それは二等辺三角形の場合です。
である二等辺三角形の外心、垂心、重心はすべて底辺の垂直二等分線上に存在します。これは底辺の垂直二等分線が外心が存在している「辺の垂直二等分線」であり、垂心が存在している「頂点から対辺へおろした垂線」でもあり、重心が存在している「中線」でもあるためです。
したがって、二等辺三角形の外心、垂心、重心は同一直線上に存在することがわかります。
鋭角三角形または鈍角三角形で二等辺三角形である場合、中線と外心と垂心を結ぶ直線が重なってしまうため、三角形の相似を利用する方法が使えないので例外となります。
したがって、他の三角形においては外心、垂心、重心の3点を通る直線はただ1つであるのに対し、正三角形においてはこれら3点を通る直線は無数に存在します。
三角形の外心、垂心、重心の3点を通る直線のことをオイラー線といいます。これは1つの三角形に対し1本存在します。
しかし、外心、垂心、重心の3点を通る直線が無数に存在する正三角形のみオイラー線を定義できません。
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