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2025年9月5日

指数方程式の例題 8問

「次の方程式の実数解を求めよ。
(1)$\large 3^x=27$

(2)$\large 5^{x-3}=\dfrac{1}{625}$

(3)$\large 2^x=\sqrt[4]{7}$

(4)$\large 7^{2x}=8$

(5)$\large (-4)^x=-\dfrac{1}{64}$

(6)$\large (-3)^{-x}=-243$

(7)$\large 4^x=8$

(8)$\large 3^{x^2+2}=\bigl(\sqrt{27}\bigr)^{3x}$」

(1)$3^x=27$

 左辺が$3$のべき乗なので、右辺を$3$のべき乗に変形します。
$27$を素因数分解すると$27=3^3$なので
\[3^x=3^3\]
となります。

したがって、(1)の指数方程式の実数解は$x=3$であるとわかります。


(2)$5^{x-3}=\dfrac{1}{625}$

 左辺が$5$のべき乗なので、右辺を$5$のべき乗に変形します。
$625$を素因数分解すると$625=5^4$となり、負の整数乗の定義より$\dfrac{1}{625}=5^{-4}$となるので
\[5^{x-3}=5^{-4}\]
と書けます。
すると、指数部分より1次方程式
\[x-3=-4\]
が成り立ち、これを解くと$x=-1$となります。

したがって、(2)の指数方程式の実数解は上記の1次方程式の解$x=-1$であることがわかります。


(3)$2^x=\sqrt[4]{7}$

 左辺が$2$のべき乗なので、右辺を$2$のべき乗に変形してみます。
$\sqrt[4]{7}$は有理数乗の定義より$\sqrt[4]{7}=7^\frac{1}{4}$となります。
底の$7$は$2$と互いに素なので、素因数分解を利用して$7$を$2$のべき乗に変形することはできません。
そこで、対数を利用します。
右辺変形後の指数方程式
\[2^x=7^\frac{1}{4}\]
は対数の定義より
\[x=\log_2{7^\frac{1}{4}}\]
と書き換えることができます。
これを対数の計算法則を利用して変形すると
\[x=\frac{1}{4}\log_2{7}\]
となり、これが(3)の指数方程式の実数解となります。

(4)$7^{2x}=8$

 左辺が$7$のべき乗なので左辺も$7$のべき乗にしたいですが、$7$と$8$は互いに素なので素因数分解によって$8$を$7$のべき乗に変形することはできません。
そこで、(4)の指数方程式を対数の定義を利用して
\[2x=\log_7{8}\]
という1次方程式に変形できます。
この1次方程式を解くと
\[x=\frac{1}{2}\log_7{8}\]
となり、これが(4)の指数方程式の実数解となります。

(5)$(-4)^x=-\dfrac{1}{64}$

 左辺が負の数$-4$のべき乗なので、(5)の指数方程式が実数解をもつならばそれは整数解です。

まずは、右辺の絶対値$\dfrac{1}{64}$が$4$の整数乗に変形できるかを調べます。
分母の$64$は素因数分解すると$64=4^3$となり、負の整数乗の定義より$\dfrac{1}{64}=4^{-3}$と変形できます。

次に、
\[-\frac{1}{64}=(-1)^{-3}\times\frac{1}{64}\]
が成り立つかを調べてみます。
指数の$-3$は奇数であり、かつ$-\dfrac{1}{64}$は負の数なので、等式が成り立つことがわかります。
$(-1)^{-3}$は
\begin{align*}(-1)^{-3}&=\frac{1}{(-1)^{3}}\\[0.5em]&=\frac{1}{-1}\\[0.5em]&=\frac{1}{-1}\times\frac{-1}{-1}\\[0.5em]&=\frac{-1}{1}\\[0.5em]&=-1\end{align*}
であり、
\begin{align*}(-1)^{-3}\times\frac{1}{64}&=-1\times\frac{1}{64}\\[0.5em]&=-\frac{1}{64}\end{align*}
となることから、確かに等式が成り立つことがわかります。
したがって、(5)の指数方程式は
\[(-4)^x=(-4)^{-3}\]
と変形でき、実数解は$x=-3$であることがわかります。

(6)$(-3)^{-x}=-243$

 まずは、右辺の絶対値$243$が$3$の整数乗に変形できるかを調べます。
$243$を素因数分解すると$243=3^5$と変形できます。
次に、
\[-243=(-1)^5\times243\]
が成り立つかを調べます。
指数の$5$は奇数であり、かつ$-243$は負の数なので、等式が成り立つことがわかります。
すると、(6)の指数方程式は
\[(-3)^{-x}=(-3)^5\]
に変形でき、指数部分より
\[-x=5\]
という1次方程式が成り立ちます。
これを解くと$x=-5$であり、これが(6)の指数方程式の実数解となります。

(7)$4^x=8$

 左辺は$4$のべき乗なので右辺も$4$のべき乗に変形したいですが、$8$を素因数分解すると$8=2^3$となり、$4$のべき乗に変形することはできません。
ここで、左辺のべき乗の底$4$を素因数分解すると$2^2$となることから、指数法則より左辺は
\begin{align*}(左辺)&=(2^2)^x\\[0.5em]&=2^{2x}\end{align*}
と変形できます。
すると、右辺の素因数分解の結果ももちいることで(7)の指数方程式は
\[2^{2x}=2^3\]
と書けることがわかります。
したがって、指数部分より1次方程式
\[2x=3\]
が成り立ち、これの解$x=\dfrac{3}{2}$が(7)の指数方程式の実数解となります。

(8)$3^{x^2+2}=\bigl(\sqrt{27}\bigr)^{3x}$

 左辺が$3$のべき乗なので、右辺を$3$のべき乗に変形します。
$27$を素因数分解すると$27=3^3$となるので、$\sqrt{27}$は有理数乗の定義より$\sqrt{27}=3^\frac{3}{2}$と書くことができます。
すると、右辺は指数法則より
\begin{align*}(右辺)&=\left(3^\frac{3}{2}\right)^{3x}\\[0.5em]&=3^{\frac{3}{2}\cdot3x}\\[0.5em]&=3^{\frac{9}{2}x}\end{align*}
となるため、(8)の指数方程式は
\[3^{x^2+2}=3^{\frac{9}{2}x}\]
と書けます。
指数部分より、2次方程式
\[x^2+2=\frac{9}{2}x\]
が成り立ち、これを解くと
\begin{align*}x^2-\frac{9}{2}x+2&=0\\[0.5em]\left(x-\frac{9}{4}\right)^2-\frac{81}{16}+2&=0\\[0.5em]\left(x-\frac{9}{4}\right)^2-\frac{49}{16}&=0\\[0.5em]\left(x-\frac{9}{4}\right)^2-\left(\frac{7}{4}\right)^2&=0\\[0.5em]\left\{\left(x-\frac{9}{4}\right)+\frac{7}{4}\right\}\left\{\left(x-\frac{9}{4}\right)-\frac{7}{4}\right\}&=0\\[0.5em]\left(x-\frac{1}{2}\right)(x-4)&=0\\[0.5em]\therefore x&=\frac{1}{2}, 4\end{align*}
となり、これは(8)の指数方程式の実数解でもあります。

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