対数方程式とは、真数が未知数の対数(対数関数)を含む方程式のことです。
例えば、
例えば、
\[\large \log_2{x}=3\]
のような方程式のことです。
対数方程式の実数解はどのように求めるのでしょうか?
簡単な対数方程式としては、
これらの実数解について考えてみます。
-
$1$でない正の実数$a$と実数$b$をもちいた対数方程式
\begin{equation}\log_a{x}=b\end{equation}
-
$1$でない正の実数$a$と正の実数$c$をもちいた対数方程式
\begin{equation}\log_a{x}=\log_a{c}\end{equation}
これらの実数解について考えてみます。
$(1)\ \log_a{x}=b$
まずは、$1$でない正の実数$a$と実数$b$をもちいた対数方程式
\[\log_a{x}=b\]
の実数解について考えます。
$(1)$が成り立っているということは、対数の定義より
\[x=a^b\]
もまた成り立っているということです。
したがって、$(1)$の実数解は$x=a^b$となります。
上で例示した対数方程式の場合、対数の定義より
\[x=2^3\]
も成り立っていることがわかり、右辺を計算した$x=8$が例示した対数方程式の実数解となります。
$(2)\ \log_a{x}=\log_a{c}$
次は、$1$でない正の実数$a$と正の実数$c$をもちいた対数方程式
\[\log_a{x}=\log_a{c}\]
の実数解について考えます。
この対数方程式の実数解を求めるには、正の数の実数乗の値と指数の関係
$1$でない正の数$a$と実数$p, q$について
を利用します。
\[p=q\ \Leftrightarrow\ a^p=a^q\tag{i}\]
正の実数$M, N$をもちいて$a^p=M, a^q=N$とおくと、対数の定義より
\begin{align*}p&=\log_a{M}\\[1em]q&=\log_a{N}\end{align*}
と書くことができ、これらをもちいて$\text{(i)}$を書き換えると
$1$でない正の数$a$と正の実数$M, N$について
となります。
\[M=N\ \Leftrightarrow\ \log_a{M}=\log_a{N}\tag{ii}\]
したがって、$\text{(ii)}$より$(2)$の実数解は$x=c$であることがわかります。
ただし、実数解が得られるのは、最初に書いた通り底$a$が$1$以外の正の実数、真数$b$が正の実数の場合です。
底が$a=1$であったり、真数$b$が$0$以下の場合は、実数範囲において対数が定義されていないので実数解はありません。
底が$a=1$であったり、真数$b$が$0$以下の場合は、実数範囲において対数が定義されていないので実数解はありません。
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