角の二等分線には、次のような性質があります。
- 2本の半直線がつくる優角と劣角それぞれの二等分線は同一直線上にある。
- 劣角の二等分線上の点であることと、その角をつくる2本の半直線と等距離の内部の点であることは同値。
- 劣角の内側でその角をつくる2本の半直線に接する円の中心は、劣角の二等分線上にある。
このような性質があることを確かめてみます。
優角と劣角の二等分線は同一直線上にある
2本の半直線$\text{OA},
\text{OB}$を考えると、これらがつくる角には、劣角、すなわち$180°$未満の大きさをもつ$∠\text{AOB}$と、優角、すなわち$180°$より大きく$360°$未満の大きさをもつ$∠\text{AOB}$の2つがあります。
そのため、以降、劣角$∠\text{AOB}$を$α$、優角$∠\text{AOB}$を$β$と呼ぶことにします。
そのため、以降、劣角$∠\text{AOB}$を$α$、優角$∠\text{AOB}$を$β$と呼ぶことにします。
$α$の二等分線上に$\text{O}$以外の任意の点$\text{C}$、$β$の二等分線上に$\text{O}$以外の任意の点$\text{D}$をとります。すると、$α$の二等分線は半直線$\text{OC}$、$β$の二等分線は半直線$\text{OD}$となります。
$α$と$β$は、点$\text{O}$の周りを半直線$\text{OA},
\text{OB}$によって分割してできた角なので
\[\alpha+\beta=360°\]
が成り立ち、両辺を$2$で割ると
\begin{equation}\frac{\alpha+\beta}{2}=180°\end{equation}
となります。
また、$α$の二等分線$\text{OC}$によってできた$∠\text{AOC}$と$β$の二等分線$\text{OD}$によってできた$∠\text{AOD}$について
\begin{align*}\angle \text{AOC}&=\frac{\alpha}{2}\\[1em]\angle
\text{AOD}&=\frac{\beta}{2}\end{align*}
であり、$∠\text{AOC}, ∠\text{AOD}$は半直線$\text{OC},
\text{OD}$のなす角$∠\text{COD}$を半直線$\text{OA}$で分割してできた角とみることができるので
\begin{align*}\angle \text{COD}&=\angle \text{AOC}+\angle
\text{AOD}\\[0.5em]\therefore \angle
\text{COD}&=\frac{\alpha+\beta}{2}\tag2\end{align*}
が成り立つことがわかります。
$(1), (2)$より、$∠\text{COD}=180°$であり、このことから3点$\text{O},
\text{C}, \text{D}$は同一直線上にある、すなわち2本の半直線$\text{OC},
\text{OD}$は同一直線上にあることがわかります。
したがって、2本の半直線がつくる優角と劣角それぞれの二等分線は同一直線上にあります。
ここからは劣角$α$の場合に限定して考えます。
劣角の二等分線上の点と2本の半直線と等距離の内部の点
劣角$α$の二等分線上に$\text{O}$以外の任意の点$\text{P}$とります。
点$\text{P}$から半直線$\text{OA}, \text{OB}$へおろした垂線の足をそれぞれ$\text{Q}, \text{R}$とします。
点$\text{P}$から半直線$\text{OA}, \text{OB}$へおろした垂線の足をそれぞれ$\text{Q}, \text{R}$とします。
2つの直角三角形$△\text{OPQ}$と$△\text{OPR}$に着目すると、
このことより、
- 共通する斜辺より$\text{OP}=\text{OP}$
- $∠\text{AOB}$の二等分線$\text{OP}$より$∠\text{POQ}=∠\text{POR}$
このことより、
\[\large \text{PQ}=\text{PR}\]
です。
したがって、劣角の二等分線上の点は、その角をつくる2本の半直線との距離が等しいことがわかります。
この性質の逆として、次のことを確かめてみます。
劣角の内側にあり、かつその角をつくる2本の半直線と等距離の点は、劣角の二等分線上にある。
$α$の内側にあり、かつ$α$をつくる2本の半直線$\text{OA},
\text{OB}$と等距離の点を$\text{P}$とします。
$α$をつくる2本の半直線$\text{OA}, \text{OB}$と等距離とは、点$\text{P}$から半直線$\text{OA}, \text{OB}$へおろした垂線の足をそれぞれ$\text{Q}, \text{R}$としたとき、
$α$をつくる2本の半直線$\text{OA}, \text{OB}$と等距離とは、点$\text{P}$から半直線$\text{OA}, \text{OB}$へおろした垂線の足をそれぞれ$\text{Q}, \text{R}$としたとき、
\[\text{PQ}=\text{PR}\]
が成り立つということです。
線分$\text{OP}$を引き、2つの直角三角形$△\text{OPQ}$と$△\text{OPR}$に着目すると、
このことより、
- 共通する斜辺より$\text{OP}=\text{OP}$
- 仮定より$\text{PQ}=\text{PR}$
このことより、
\[\angle \text{POQ}=\angle \text{POR}\tag3\]
です。
$∠\text{POQ},
∠\text{POR}$は$α$を半直線$\text{OP}$によって分割してできた角なので、$(3)$より、半直線$\text{OP}$は$α$の二等分線であることがわかります。
したがって、劣角の内側にあり、かつその角をつくる2本の半直線と等距離の点は、劣角の二等分線上にあることがわかります。
以上より、劣角の二等分線上の点であることと、その角をつくる2本の半直線と等距離である内部の点であることは同値であることがわかりました。
接する円の中心は劣角の二等分線上にある
劣角$α$の二等分線上に$\text{O}$以外の任意の点$\text{P}$とり、点$\text{P}$から半直線$\text{OA},
\text{OB}$へおろした垂線の足をそれぞれ$\text{Q}, \text{R}$とします。
すると、上記の性質より
すると、上記の性質より
\[\text{PQ}=\text{PR}\]
が成り立ちます。
このことより、2点$\text{Q},
\text{R}$は中心が点$\text{P}$、半径$\text{PQ}$の同一円周上にあることがわかります。(以降、この円を円$\text{P}$と呼ぶことにします。)
また、半直線$\text{OA}$と円$\text{P}$の半径$\text{PQ}$、半直線$\text{OB}$と半径$\text{PR}$はそれぞれ互いに垂直なので、円$\text{P}$は半直線$\text{OA}, \text{OB}$と接することがわかります。
また、半直線$\text{OA}$と円$\text{P}$の半径$\text{PQ}$、半直線$\text{OB}$と半径$\text{PR}$はそれぞれ互いに垂直なので、円$\text{P}$は半直線$\text{OA}, \text{OB}$と接することがわかります。
したがって、劣角の内側でその角をつくる2本の半直線に接する円の中心は、劣角の二等分線上にあることがわかります。
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