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2025年3月23日

等比数列とは?

等比数列
 等比数列とは、隣接する項の比が一定である数列のことです。
例えば、
\[3,9,27,81,273,\cdots\]
という$3$に$3$を掛けた回数が小さい順に並べた数列は等比数列の1つです。

隣接する項の一定の比のことを公比といい、これを$r$とおいたとき
\[r=\frac{a_{n+1}}{a_n}\]
によって求めることができます。このため、$r$が定義されるためには$a_n\neq0$である必要があります。
また、上式を変形すると
\begin{equation}a_{n+1}=a_n r\quad(n:自然数)\end{equation}
という式になります。これが等比数列の漸化式です。
初項$a$、公比$r$の等比数列の各項は、第2項以降を$(1)$の漸化式をもちいて表すと
\begin{align*}a_1&=a\\[0.5em]a_2&=a_1 r\\[0.5em]a_3&=a_2 r\\ \vdots &\quad\qquad\vdots\\ a_{n-1}&=a_{n-2}r\\[0.5em]a_n&=a_{n-1}r\end{align*}
となります。
\begin{align*}a_n&=(a_{n-2}r)r\\[0.5em]&=\bigl\{(a_{n-3}r)r\bigr\}r\\ &\qquad\qquad\vdots\\ &=a_1\cdot\overbrace{r\cdot r\cdot\cdots\cdot r\cdot r}^{n-1\text{個}}\\[0.5em]&=a_1r^{n-1}\\[0.5em]\therefore a_n&=a r^{n-1}\end{align*}
上のように$a_n$の式に$a_{n-1}$の式を代入、その後$a_{n-2}$の式を代入、…と繰り返すと最終的に
\[\large a_n=a r^{n-1}\]
という式になります。これが等比数列の一般項です。
 上に例示した$3$に$3$を掛けた回数が小さい順に並べた数列の一般項は$3^n$と書けます。この数列の各項における漸化式は
\begin{align*}9&=3\textcolor{red}{\times3}\\[0.5em]27&=9\textcolor{red}{\times3}\\[0.5em]81&=27\textcolor{red}{\times3}\\[0.5em]273&=81\textcolor{red}{\times3}\\ \vdots\ &\qquad\vdots\\ 3^{n-1}&=3^{n-2}\textcolor{red}{\times3}\\[0.5em]3^n&=3^{n-1}\textcolor{red}{\times3}\end{align*}
となり、$r=3$なる公比が確かに存在するため等比数列であるといえることがわかります。
このことから、例示した数列は、初項$3$、公比$3$の等比数列$\{a_n\}$としてみると一般項を
\[a_n=3\cdot3^{n-1}\]
と書くことができ、これは元の数列の一般項$3^n$の変形です。

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