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2022年1月3日

等比数列とその和

  等比数列とは
\begin{array}{r}&1,&2,&4,&8,&16,&32,&\cdots\\[0.5em]\Rightarrow&1,&1\times2,&1\times2^2,&1\times2^3,&1\times2^4,&1\times2^5,&\cdots\end{array}
のように最初の数にある数を掛けたものが次の項、次の項にさらにある数を掛けたものがその次の項…のように数が並ぶ数列のことです。
最初の数を初項、掛けた数を公比といい、上の数列の場合だと初項$1$、公比$2$の等比数列となります。
 初項を$a$、公比を$r$とすると等比数列は
\[a,ar,ar^2,ar^3,ar^4,ar^5,\cdots\]
と表され、$n$番目の項(第$n$項)である
\[\Large{ar^{n-1}}\]
のことを等比数列の一般項と呼びます。
$r$の指数が$n-1$になるのは、初項(第$1$項)を$ar^0$と書ける、すなわち$r$の指数が$0$から始まっているためです。

 初項から第$n$項の等比数列の和を$S$とすると
\begin{equation}S=a+ar+ar^2+ar^3+\cdots+ar^{n-2}+ar^{n-1}\end{equation}
となりますが、これだけだと$S$がどんな値を持つのかわかりません。
ここで、$(1)$の両辺に$r$を掛けると
\begin{equation}rS=ar+ar^2+ar^3+\cdots+ar^{n-1}+ar^n\end{equation}
となり、$(1)-(2)$すると
\begin{align*}&\begin{array}{r}&S=&a+&ar+&ar^2+&\cdots+&ar^{n-1}\\[0.5em]-)&rS=&&ar+&ar^2+&\cdots+&ar^{n-1}&+ar^n\\[0.5em]\hline&S-rS=&a+&0+&0+&\cdots+&0&-ar^n\end{array}\\[0.5em]&\hspace{2em}(1-r)S=a-ar^n\\[0.5em]&\hspace{5.7em}=a(1-r^n)\end{align*}
となります。これを$S$について解けば
\[\Large S=\frac{a(1-r^n)}{1-r}\]
と表すことができ、これをもちいて等比数列の和を求めることができるようになります。
また、$(2)-(1)$より導かれる
\[\Large S=\frac{a(r^n-1)}{r-1}\]
もまた等比数列の和を求める際に利用できます。
ただし、これらは$r\neq1$のときのみ成り立つという点に注意です。
$r=1$のとき分母が$0$になってしまうので、この式では等比数列の和を求めることができなくなります。
 初項$a$、公比$1$の等比数列を考えると$1^n=1$($n:$整数)より
\[a,a,a,a,\cdots\]
とすべての項が初項に等しいので、初項から第$n$項までの和は初項と項数の積、すなわち
\begin{align*}S&=\overbrace{a+a+a+\cdots+a}^{n個}\\[0.5em]&=an\end{align*}
となることがわかります。
 以上より等比数列$ar^{n-1}$の初項から第$n$項までの和は公比$r$によって場合分けされ
\begin{align*}r\neq1&のとき\\ S&=\frac{a(1-r^n)}{1-r}\\[1em]r=1&のとき\\ S&=an\end{align*}
となることがわかります。

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