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2026年3月27日

錐体の体積(なぜ錐体の体積は柱体の体積の1/3なのか?)

 錐体の体積
\[\large(錐体の体積)=(底面積)\times(高さ)\div3\]
となります。

これは、底面が合同で高さが等しい柱体の体積の$\dfrac{1}{3}$であることを意味しますが、なぜこれが成り立つのでしょうか?


三角錐の体積

 まずは、三角錐の体積の公式から導きます。

体積の等しい三角錐とは?

三角錐を底面に平行な平面で切断したときの断面積
 三角錐の底面積を$S$、高さを$h$としたとき、底面からの距離$d$だけ離れた底面に平行な平面で切断したときの断面積は、「三角錐を底面に平行な平面で切断したときの断面は底面と相似か?」で示したように
\[\frac{(h-d)^2}{h^2}S\]
で表されます。
これは、底面の形や頂点の位置によらずに成り立ちます。

したがって、底面積と高さがそれぞれ等しい三角錐であるならば、どの高さで底面と平行に切断しても断面積が常に等しくなります。
そして、カヴァリエリの原理より底面積と高さがそれぞれ等しい三角錐の体積は等しいことがわかります。


 では、体積の等しい三角錐がどのようなものかはわかりましたが、その体積はどのように求められるのでしょうか?
それは、三角柱を分割してできる三角錐を利用して求めます。

三角柱の分割

三角柱を3つの三角錐に分割
 三角柱$\text{ABC}-\text{DEF}$を頂点を通る平面で分割すると、3個の三角錐$\text{A}-\text{DEF}, \text{E}-\text{ABC}, \text{E}-\text{ACF}$ができます。
これらの三角錐の体積が等しいことを上記の「底面積と高さがそれぞれ等しい三角錐は体積が等しい」を利用して示します。

三角錐$\text{A}-\text{DEF}$と$\text{E}-\text{ABC}$の比較

三角錐A-DEFとE-ABCの底面積と高さはそれぞれ等しい
 三角錐$\text{A}-\text{DEF}$と$\text{E}-\text{ABC}$の体積を比較します。
三角柱$\text{ABC}-\text{DEF}$の底面$\text{ABC}$と$\text{DEF}$は合同な三角形であり、それぞれ三角錐$\text{A}-\text{DEF}$と三角錐$\text{E}-\text{ABC}$の底面でもあります。
すなわち、これら三角錐の底面は合同であるから、底面積は等しいです。
三角柱$\text{ABC}-\text{DEF}$の底面$\text{ABC}$と$\text{DEF}$は平行であるため、これら2つの平面間の距離は一定で、この距離が三角柱の高さとなります。
三角錐$\text{A}-\text{DEF}$の高さは頂点$\text{A}$から底面$\text{DEF}$までの距離であり、これは平面$\text{ABC}$と$\text{DEF}$間の距離に等しいです。
また、三角錐$\text{E}-\text{ABC}$の高さは頂点$\text{E}$から底面$\text{ABC}$までの距離であり、これも平面$\text{ABC}$と$\text{DEF}$間の距離に等しいです。
これらのことから、三角錐$\text{A}-\text{DEF}$と$\text{E}-\text{ABC}$の高さが等しいことがわかります。

したがって、三角錐$\text{A}-\text{DEF}$と$\text{E}-\text{ABC}$の底面積と高さがそれぞれ等しいので、体積が等しいことがわかります。


三角錐$\text{A}-\text{DEF}$と$\text{E}-\text{ACF}$の比較

三角錐A-DEF(頂点E、底面ADF)とE-ACFの底面積と高さはそれぞれ等しい
 次に三角錐$\text{A}-\text{DEF}$と$\text{E}-\text{ACF}$の体積の比較をします。
ここでは、比較のために三角錐$\text{A}-\text{DEF}$の頂点は$\text{E}$、底面は面$\text{ADF}$とみなすことにします。
三角錐$\text{A}-\text{DEF}$の底面$\text{ADF}$と$\text{E}-\text{ACF}$の底面$\text{ACF}$は、元々三角柱$\text{ABC}-\text{DEF}$の面$\text{ACFD}$を対角線$\text{AF}$で分割したものです。
面$\text{ACFD}$は平行四辺形であり、これを対角線で分割すると合同な三角形が2つできるので、これら三角錐の底面積は等しいです。
また、三角錐$\text{A}-\text{DEF}$の高さは頂点$\text{E}$から底面$\text{ADF}$までの距離、三角錐$\text{E}-\text{ACF}$の高さは頂点$\text{E}$から底面$\text{ACF}$までの距離となります。
上記の通り、面$\text{ADF}$と$\text{ACF}$は同一平面上にあるので、頂点$\text{E}$からそれぞれの面への距離は等しい、すなわち三角錐$\text{A}-\text{DEF}$と$\text{E}-\text{ACF}$の高さは等しいことがわかります。

したがって、三角錐$\text{A}-\text{DEF}$と$\text{E}-\text{ACF}$の底面積と高さがそれぞれ等しいので、体積が等しいことがわかります。


 以上より、三角柱を分割してできる3つの三角錐の体積はすべて等しいことがわかります。
すなわち、三角柱を分割してできる三角錐の体積は
\[(三角錐の体積)=(三角柱の体積)\div3\]
であり、さらに三角柱の体積が底面積と高さの積であることから
\[\large(三角錐の体積)=(底面積)\times(高さ)\div3\]
と書くことができます。

錐体の体積

 三角錐の体積を基礎として、他の錐体の体積について考えることができます。

角錐の体積

高さの等しい三角錐を組み合わせれば角錐がつくれる
 高さの等しい三角錐を組み合わせることで様々な底面が多角形の錐体、角錐ができます。
この角錐の体積は、組み合わせた三角錐の体積の和なので
\begin{align*}(角錐の体積)&=(三角錐\text{A}の体積)+(三角錐\text{B}の体積)+(三角錐\text{C}の体積)+\cdots\\[0.5em]&=\bigl\{(三角錐\text{A}の底面積)\times(高さ)\div3\bigr\}+\bigl\{(三角錐\text{B}の底面積)\times(高さ)\div3\bigr\}+\bigl\{(三角錐\text{C}の底面積)\times(高さ)\div3\bigr\}+\cdots\\[0.5em]&=\bigl\{(三角錐\text{A}の底面積)+(三角錐\text{B}の底面積)+(三角錐\text{C}の底面積)+\cdots\bigr\}\times(高さ)\div3\end{align*}
となります。
高さが等しい三角錐を組み合わせたとき、これらの底面が組み合わさって角錐の底面の多角形ができるので、三角錐の底面積の和と角錐の底面積は等しくなります。
したがって、角錐の体積は
\[(角錐の体積)=(底面積)\times(高さ)\div3\]
となることがわかります。

円錐の体積

円錐を細かく分割して三角錐に限りなく近い錐体をつくる
 円の面積を求める方法の1つに、円を細かく分割して三角形に限りなく近い図形をつくるというものがあります。
同様に円錐を細かく分割することで、高さの等しい三角錐に限りなく近い錐体をつくることができます。
すると角錐の体積と同様に、円錐の体積も三角錐の体積の和として求めることができるため、
\[(円錐の体積)=(底面積)\times(高さ)\div3\]
となることがわかります。

 底面を細かく分割して三角錐の体積の和として求めるというのは、角錐や円錐に限らずどのような底面の錐体に対しても行うことができる方法です。
したがって、錐体の体積は
\[\large (錐体の体積)=(底面積)\times(高さ)\div3\]
で求められることがわかります。
底面積と高さの積は底面が合同で高さが等しい柱体の体積に等しいので、錐体の体積はその$\dfrac{1}{3}$であることがわかります。

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