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2026年3月1日

和と積が等しい2つの整数は?

\[\large a+b=ab\]
「上の方程式を満たす整数$a, b$の組を全て求めよ。」

 この方程式を解くには、以下のような変形をします。
\begin{align*}ab&=a+b\\[0.5em]ab-a-b&=0\\[0.5em]ab-a-b+1&=1\\[0.5em](ab-a)+(-b+1)&=1\\[0.5em]a(b-1)-(b-1)&=1\\[0.5em](a-1)(b-1)&=1\tag{*}\end{align*}
すなわち、問いの方程式を満たす整数$a, b$は、それぞれ$1$を引くと積が$1$になるということです。
$a, b$は整数なので、$a-1, b-1$もまた整数です。
したがって、上記から積が$1$となる2つの整数$a-1, b-1$の組は
\[(a-1, b-1)=(-1, -1), (1, 1)\]
であることがわかります。
$(a-1, b-1)=(-1, -1)$とは、$a-1=-1$かつ$b-1=-1$であることを意味しており、それぞれを解くと
\begin{align*}a-1&=-1\\[0.5em]a&=0\\[1em]b-1&=-1\\[0.5em]b&=0\end{align*}
となり、整数解の1つが$(a, b)=(0, 0)$であることがわかります。
同様にして$(a-1, b-1)=(1, 1)$より$(a, b)=(2, 2)$がわかります。
以上より、問いの方程式を満たす整数$a, b$の組は
\[(a, b)=(0, 0), (2, 2)\]
となります。

 ちなみに、$a, b$を実数とした場合はどのようになるでしょうか?
$a, b$が実数ならば$a-1, b-1$も実数となります。
$(*)$より、$a-1, b-1$は互いに逆数の関係であることがわかります。
$a-1=k$($k:$実数)とおきます。ただし、逆数をもたない$0$を除くため$k\neq0$とします。
すると、$b-1=\dfrac{1}{k}$と表すことができます。
$a-1=\dfrac{1}{k}, b-1=k$とすることもできますが、$k$が$0$以外のすべての実数を表すならば$\dfrac{1}{k}$もまた$0$以外のすべての実数を表すので、両方の組は必要なく、どちらか一方だけで十分です。
それぞれの式を$a, b$について解くと
\begin{align*}a-1&=k\\[0.5em]a&=k+1\\[1em]b-1&=\frac{1}{k}\\[0.5em]b&=1+\frac{1}{k}\\[0.5em]&=\frac{k+1}{k}\end{align*}
となるため、問いの方程式を満たす実数$a, b$の組は
\[(a, b)=\left(k+1, \frac{k+1}{k}\right)\qquad(k:実数,k\neq0)\]
となります。
 また、別の答えの書き方についても考えてみます。
問いの方程式を次のように変形して$b$についての1次方程式にします。
\begin{align*}ab&=a+b\\[0.5em]ab-b&=a\\[0.5em](a-1)b&=a\end{align*}
すると、$b$についての1次方程式とみなしたときの$b$の解は
\begin{cases}解なし&(a=1)\\[0.5em]b=\dfrac{a}{a-1}&(a\neq1)\end{cases}
となります。
$a=1$のときの解なしとは、$a=1$となるような問いの方程式を満たす実数$a, b$の組が存在しないことを意味します。
したがって、問いの方程式を満たす実数$a, b$の組が存在するのは$a\neq1$のときなので、
問いの方程式を満たす実数$a, b$の組は
$a\neq1$を満たす任意の実数$a$とそれによって求まる$b=\dfrac{a}{a-1}$
となります。
$a\neq1$を満たす任意の実数$a$を$k+1$とおく、すなわち$a=k+1$とすれば$b=\dfrac{k+1}{k}$となるため、確かにこの答えは
\[(a, b)=\left(k+1, \frac{k+1}{k}\right)\qquad(k:実数,k\neq0)\]
の別表記であることがわかります。

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