定積分の性質にKing Propertyと呼ばれるものがあります。
これは
これは
が成り立つというものです。
なぜこれが成り立つのでしょうか?
とに着目します。
次に直線に着目すると、は区間の中央値であるから、直線とはそれぞれ直線からの距離が等しい、すなわち直線とは直線に関して対称であることがわかります。
したがって、図形と図形は直線に関して対称であり、各図形は合同であることがわかります。
ところで、図形をy軸に平行な直線で細かく分割し、各部分を長方形で近似して長方形の面積の総和として元の図形の面積を求めるというのが定積分の大まかな考え方です。
このとき、長方形の各辺の長さはそれぞれx軸方向、y軸方向を正とする符号を考慮した長さとなるため、面積もまた符号を考慮した値となります。
このとき、長方形の各辺の長さはそれぞれx軸方向、y軸方向を正とする符号を考慮した長さとなるため、面積もまた符号を考慮した値となります。
図形と図形は合同なので、少なくとも面積の絶対値が等しいことがわかります。
面積の符号が一致しているのかは近似した長方形の各辺の長さのとる方向によって決まります。
面積の符号が一致しているのかは近似した長方形の各辺の長さのとる方向によって決まります。
のグラフとのグラフが直線に関して対称であるということは、対応するグラフ上の点のy座標は等しい、すなわち図形と図形の対応する近似した長方形のy軸に平行な辺の長さは同じ方向にとっていることがわかります。
あとは、近似した長方形のx軸に平行な辺の長さを同じ方向にとっていることがわかれば各図形の面積は等しいといえます。
したがって、図形と図形の面積が等しい、すなわち
が成り立つことがわかります。
King Propertyは置換積分によって確かに成り立つことがわかります。
というの定積分を
とおくことでの定積分に置換します。
はのとき
のとき
となります。すなわち、のからまでの定積分はのからまでの定積分に置換されます。
また、の両辺をで微分すると
となります。
以上から、をの定積分に置換すると
となります。
ここで、定積分の性質
より
となるので、
はの積分変数をに変えただけなので定積分の値は変わりません。
が成り立ちます。
はの積分変数をに変えただけなので定積分の値は変わりません。
したがって、より
が成り立ちます。
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